りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

ジャーマン3を比較してみよう。

私がクルマを検討する際に外せないメーカーがあります。それがメルセデスベンツBMWアウディの3メーカーです。いわゆる「ジャーマン3」とか「ドイツ御三家」とか括られるメーカーたちです。賛否両論あるとは思いますが、私はジャーマン3は基本的に高く評価できると考えています。

そこで、ジャーマン3に対する評価の根拠と、それぞれのメーカーのクルマの傾向をちょこっと紹介しようと思います。

ちなみに、各メーカー様々な車種を生産しておりますので、一様に当てはまるとは限りませんので、その点ご了承ください。また、AMG・M・RSモデル等のハイパフォーマンスモデルを除いた状態でのお話とさせていただきます。

 

〜ジャーマン3の好調の根拠〜

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ジャーマン3は私が言うまでもなく、一般的に高評価を得ています。自動車評論家の方々からの評価も概ねして高く、日本で「外車」と言うと真っ先に思い浮かぶメーカーと言っても過言ではありません。

ではなぜジャーマン3が高評価を得るのか、これを私なりに考えてみました。

 

①性能

まずは性能が挙げれらます。最近はフランスやイタリア等欧州各国をはじめとして様々な自動車メーカーが技術面でしのぎを削っています。大きな会社同士が技術提携をしてることもあり、その流れはさらに加速しています。しかし、ジャーマン3における技術の進化は最近に始まった話ではなく、長きに渡って磨き上げられた技術を持っています。メルセデスBMWはすでに100年以上の歴史を持っていますし、時代の最先端を走り始めてからの歴史も長いものになります。つまり、高性能を求め続けてきた歴史があるのです。

また、「年次改良」というファクタも重要です。年次改良とは、毎年一定の時期にクルマに改良を加えていくことを言います。型式や見た目は変わらなくても、常に中身を進化させているということです。これはジャーマン3に限った話ではありませんが、その年次改良の幅が大きいのです。私はBMWの試乗機会が多いのですが、発売直後と数年後では運転した際の印象が大きく違うことが珍しくありません。少なくともBMWには新車開発部の他に車両改良部が存在し、年次改良にも大きな力を注いでいるとのことです。「輸入車は発売直後には買わない方がいい」とか「最終型が一番いい」等の論理はここから来ています。

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さらに、ジャーマン3と国産車の比較で言うと、ドイツと日本の法制度の違いも大きなファクタであると言えます。ジャーマン3では新しく車両を開発する際に、公道上で何度も何度もテストを繰り返してデータを集めて車両を磨き上げていきます。カモフラージュを付けて走行するクルマが写真にとられていることがよくありますが、その多くが公道テストでの姿です。これを行う国産メーカーは多くありません。GT-R等の高性能車では行われた歴史もありますが、行動テストを経て市販される車両はかなり希少なのです。ここにはコストの問題もありますが、法制度の問題から来る差があるのです。ドイツでは発売前の車両を行動で走らせる際に必要な申請がそこまで煩雑ではありません。しかし、日本で同じことをしようと思うと国土交通省に膨大な量の書類を提出して審査を突破する必要があるのです。この申請のために各社の法務部で膨大な書類を用意するのには時間もコストもかかります。だから、そう簡単に公道テストを行うことができないのです。R35 GT-R開発の際にもかなりの苦労があったという話を聞いたことがあります。

その他国民性やクルマに対する考え方、国の道路事情等も影響しますが、上記の歴史と法的問題が大きな優位性を与えているのは間違いないと思います。

 

②ステイタス性

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これは他の同価格帯の輸入車国産車に対するジャーマン3の優位性の話です。最近ミニバン人気の加熱もあり、アルファードヴェルファイアのステイタス性も向上しています。しかし、「ベンツに乗っている」「ビーエムを持っている」「アウディオーナーである」と言われると「いいクルマに乗っているんだな」という感想を抱く方は少なくないと思います。アストンやベントレー等のエグゼクティブクラスのメーカーももちろんたくさんありますが、そこまでの超一流メーカーは非現実的ですし、それらのニッチなメーカーよりも一般的にはわかりやすいという一面もあります。

ジャーマン3を使用しているヒトがステイタス性をポイントに選んでいるというわけではないでしょう。我が家でもBMWのキャラクターが好きでBMWを選んでいます。しかし、選択する際のファクタに「ステイタス性」が含まれてるという方も少なくはないと思います。自慢したいとかではなく、一生懸命働いてカッコいいクルマを買えるようになったというような感覚です。これが仕事に対するモチベーションに繋がる可能性もありますし、これはこれで否定するようなことではないと個人的には考えています。

 

③メンテナンス性

これに関しては同価格帯の輸入車に対してジャーマン3が持つ優位性についてです。

これと併せて先に記述しておきますが、「ジャーマン3の車両は壊れない。維持に手間がかからない」という趣旨ではありません。その点だけ先にご了承ください(^◇^;)ジャーマン3を含む輸入車機械的な信頼性や耐久性に関しては色々と考察しておりますが、それは別の機会に紹介できればと思っています!!

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ではここで言いたいことはなんなのかと言いますと、「ジャーマン3の車両は他の輸入車メーカーの車両と比較してメンテナンスや壊れた際の対処がしやすい」ということです。輸入車、特にヨーロッパのメーカーの車両は国産車と比較して消耗部品が多く、その交換頻度も高いのが実情です。交換が必要なら交換するしかありません。ではその時にジャーマン3だとなぜ優位性があるのでしょうか?それを以下に記載します。

〈正規ディーラーが多い〉

まず言えることは、正規ディーラーの店舗が多いということです。イタリアやイギリス等の車両に対して販売台数が多いので、こうなるのは必然的です。店舗が多いということは、店舗が少ないブランドよりも自宅から距離の近い店舗を選んだり、サービスの相性がいい店舗を選んだりと選択肢が増えます。さらに、外出先で不意に不具合が発生して取り急ぎ現地のディーラーを探す場合にも、手間を減らすことができます。これは結構大きな優位性だと思います。

〈専門店が多い〉

次に挙げられるのが、専門店の多さです。輸入車の世界には各ブランド毎に高い専門性を持つメンテナンスショップがあります。これはランドローバー然り、マセラティ然り、ほぼずべてのメーカーに存在するでしょう。しかし、ジャーマン3のそれは数が多いのです。これも販売台数が多いことを考えれば妥当なことでしょう。輸入車の整備には国産よりもお金がかかるのが一般的ですし、パーツも高価な傾向があります。「車両が高いのだから仕方ない」という意見も散見されますが、中古で頑張って購入したオーナー(私を含む)からすれば、メンテナンス費用を抑えたいのが本音です。そんな時に専門店の存在は大きな助けになります。内容によってはディーラーの半額程度の費用で整備できることもあります。事実、私も最初に購入したE46 320iの車検は専門店さんに依頼しました。部品の交換が発生する前に定期的に買い替えをできるオーナーさんには無縁の世界かもしれませんが、専門店の多さは一定のオーナーさんに恩恵を授けているでしょう。

〈パーツが多い〉

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最後に紹介するのが、パーツの豊富さです。と言ってもディーラーで購入できる新品ではなく、中古パーツとOEM等社外パーツです。

まず中古部品ですが、これは販売台数が多いので、最終的に部品取りに回される車両数も多くなり、中古パーツの流通量が多くなるということです。一般的に中古パーツを使用する方は多くないかもしれませんが、私の知り合いの整備士等ではそう珍しいことでは無いようです。中古パーツはメンテナンス費用の抑制につながりますので、その流通量の多さは大きなポイントです。

次に社外パーツについてです。純正品と同様に設計されたOEMパーツのほか、ユーザーの意見を取り入れた社外パーツも存在します。これはメンテナンス費用の抑制だけでなく、オーナーさんの選択肢を増やすことにもつながります。「ダストの少ないブレーキに替えたい」とか「本来設定のないDRLを導入したい」とか、様々な要望に応えることができるわけです。ジャーマン3の車両は販売台数が多いですから、社外パーツの需要も高いことになり、こちらも必然的に多くの製品が販売されることになります。メンテナンス費用を抑えたり、自分好みのアレンジを加えたいオーナーさんには強い味方になるわけです。

 

まとまりのない構成になってしまいましたが、このようにジャーマン3には製品そのものとしても使用する上でも、多くの優位性があります。(今回はジャーマン3と括りましたが、フォルクスワーゲンにもこの内容は該当します)

もちろんジャーマン3以外にも優れたクルマを造るメーカーはたくさんあります。しかし、比較して考えると総合的にジャーマン3は所有しやすいのです。売れれば売れるほどその優位性はさらに伸びていきますので、ポジティブな循環が発生していきます。

 

 

〜ジャーマン3各社の比較〜

では次に、ジャーマン3各ブランドの性格を比較してみようと思います。文章で端的に表現すると「スポーティとコンフォートの両立」という文言が3メーカー全てに該当してしましますので、違いがはっきりしない節があります。そこで、端的かつもう少し詳細に各メーカーの特徴を紹介します。

〈Mercedes Benz〉

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メルセデスベンツ、「ベンツ」と聞けば大抵の人が高級車と感じる名前でしょう。陸・海・空 全てを制するといった意味を込めたエンブレムであるスリーポインテッドスターは水戸黄門の紋所みたいな威力があります(笑)

メルセデスと言えば高級で快適なクルマというイメージが先行していますが、乗り心地の良さよりも「本質的な快適性」を追い求めている印象があります。後述しますが、乗り心地の柔らかさだけで言えばAudiに軍配が上がるセグメントも多くあります。乗り心地はしっかり目で入力はちゃんと感じますが、角はなく、長距離長時間乗車していて疲労が少ないような感じです。

また、BMWと比較すると運転の主導権がドライバーよりもクルマ側にあるように感じます。ABSや各種コントロールが介入する段階が早かったり、介入度合いが高かったりといったことです。

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また、安全性を徹底的に作り込むというところにも一日の長を感じます。例えばプリクラッシュ・セーフティ・サウンドという装備があります。これはABS等の作動で衝突が予期される場合に、特殊なサウンドを発生させて鼓膜に作用することで、衝突音による鼓膜の破損を回避するという装備です。私が知る限りではメルセデス以外にこの装備があるクルマはありません。

もちろん各社安全性は大切にしていますが、その中でも一歩先を見て開発を進めているのではないでしょうか。

BMW

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BMWというと、かつてバブルの時代に六本木のカローラなんて言われていた時代もありました。かつてのイメージとしては「高性能車」であり、「高級車」の仲間入りを果たしてからそう長くは経っていません。しかし、やはりインテリの質感等見るとジャーマン3では厳しい立場にあります。現状それを挽回すべく改良を重ねている感があります。

BMWが得意とするのはやはり走りの部分です。「駆け抜ける歓び」なんてキャッチコピーもありましたが、これは確実にBMWに分があるでしょう。と言ってもそれは加速性能だったりラップタイムだったりといったことではありません。そのような性能は日本の生活域では実感できるシーンがなかなかありませんし、おそらくジャーマン3各社そこまで差がないですし、個人的にも興味があまりありません。では何が違うのかというと、「ドライビングの楽しさ」です。

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と言ってもこれは実感しないとわかりにくいですが、その時その時のクルマの状態や路面状況などが感じ取りやすいのです。クルマと路面と対話しながら運転するような感じです。ポルシェ等の高性能車ならもっと高次元なのかもしれませんが、一般的なファミリーユーズにも応えてくれるクルマとしてはこの性能は突出しています。

Audi

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アウディは2009年頃から高いデザイン性が評価され、日本市場での存在感を一気に増した感じがあります。そんなアウディですが、先進的装備の面では各社出し抜かれるほどのモノを持っています。特にライト関係はパイオニア的存在となることが多く、B8型A4で採用されたウィングポジションLEDは世界各国のメーカーが模倣しました。また、現行A7やA8ではテールライトに有機ELパネルを装備しました。そのうちLEDが時代遅れになるのかもしれません。

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そして特筆すべきは乗り心地の柔らかさです。メルセデスについての記述にもありますが、ジャーマン3の中で一番乗り心地が柔らかい車両が多いのです。なんせ揺れません。シートもどちらかというと柔らかめで、個人的には長距離長時間乗車よりも短時間の乗車で実感しやすい快適性です。事実、以前A4に乗っていたおばも「短距離ならアウディ、長距離ならBMWがいい」と言っていました。とにかく柔らかい乗り心地をお好みの方にはアウディがおススメです。

また、この傾向はドライビングフィールにも現れています。ステアリングはかなり軽いですし、インフォメーションは薄く、全体的にドライバーとクルマの間に乖離があるような感覚があります。運転の楽しさよりも、「特に何も考えずにラクに移動したい」ということに重点を置く作りのようです。

 

以上、ジャーマン3の全体像と各社のキャラクターを記述してみました。もちろん全てのモデルが該当するわけではありません。しかし、ジャーマン3のどれかを検討しているような方にとって、少しでも参考になれば幸いです!!