りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【速報】BMW M340i xDrive 試乗インプレ

新型コロナウィルスの混乱の最中ですが、試乗車入庫のアナウンスをごく一部のカスタマーに限定することで三密を防止し、感染拡大を起こさぬよう注意しているとのことでした。事実、入店時には他のお客様はおらず、試乗から戻っても他のお客様は1組のみでした。また、店内でのドリンクサービスを中止しており、全ての試乗車と展示車には「○月○日消毒済」のカードが置いてあり、感染の防止に努めているようでした。

このような工夫をしているという前情報を前提に訪問し、客数が増加したタイミングで退店してきました。批判的な見方もあるかとは思いますが、安全への配慮を確認した上での訪問です。希少な機会ということもあり、ご理解の上で以下の記事をお読みいただけますと幸いです。

 

前回の記事にも度々登場させましたが、M 235iグランクーペと併せてM 340iの試乗もさせていただきました。本来はM 235iグランクーペの試乗予約で伺いましたが、当日朝にこの車両が入庫したとのことで、こちらも楽しませていただいたわけです。しかも、本命を圧倒的に上回る勢いで。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426185427j:image

M 340iの印象が強すぎて、前回の記事の内容が薄くなってしまったのは申し訳ありません…

エンジンは直列6気筒3.0ℓターボエンジン、トランスミッションは8速スポーツトルコンAT、駆動方式はAWDです。

 

〜インテリア〜

インテリアは正直なところ標準の3シリーズと大差ありません。新世代BMWのそれで、先進的ですが、やはり少しずつ進化させてきた伝統を残しており、扱いやすい印象です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426185604j:image

しかし、今回の比較試乗(意図してはいませんでしたが)では、3シリーズの居住性の高さが浮き彫りになりました。車格が違うので当然ではありますが、2シリーズグランクーペと比較して居住空間に余裕があるのは事実です。双方ともにハイパフォーマンスモデルですが、M 340iはシート単体を見てもロングツアラーを標榜していることが容易に想像できるほどしっかりしており、尚且つ身体をしっかり受け止めてくれて安心感があります。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426190257j:image

後席スペースの快適性はさらに大きな差を感じます。

足下スペースに分かり易い差があるわけではありませんが、なんとも快適性には差があります。セダンとしてのグラスエリアの広さや、左右方向の余裕、シートの座面長等のファクタが寄与しているのかも知れませんが、やはりセグメントの壁を越えるのは難しいようです。

単体の記事として下位セグメントとの比較を記載するのは本末転倒かも知れませんが、強く実感した事実として記載します。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426190827j:image

また、今回の試乗車にはハーマンカードンのオーディオシステムが装備されていました。当該グレードの標準装備なのか、調べが追いついていませんが、これが非常にいい音を響かせます。透明感があって深みのあるサウンドで、BMWらしからぬ音楽体験を提供してくれます。身体に響き渡る直6サウンドを持ったこの車両に必要な装備かは分かりませんが、満足感を増してくれるアイテムなのは間違いないありません。エンジンサウンドに飽きたり、快適にドライブを楽しみたいときには、コンフォートモードで音楽を楽しむのもいいのではないでしょうか。

 

 

〜エクステリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20200426191352j:image

エクステリアは通常モデルと比較するとアグレッシブに仕上がっています。

長年ブラッシュアップを重ねてきた歴史ある3シリーズということもあり、またボディサイズにも余裕のあるDセグメントということもあり、バランスの取れたデザインです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426191939j:image

しかもこれはハイパフォーマンスモデル、特有のディテールもアクセントとして加えられています。独特なデザインのキドニーグリル然り、下のドアミラー然りです。ミラーは実際に見るとゴールドがかったマット塗装のように見えて、高級感もあります。1000万円近い価格帯の車両として、カスタマーを満足させるための工夫としては良好なのではないでしょうか。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426192326j:image

 

〜ドライビング〜

この車のハイライトは、なんと言ってもドライビングです。色々な意味でびっくりさせられました。

再度の紹介ですが、エンジンは直列6気筒3.0ℓターボエンジン、トランスミッションは8速スポーツトルコンAT、駆動方式はAWDです。

まず加速ですが、なんといっても速いです。調べたところ0−100km加速は4.4秒です。数値を見れば速いのは明確ですが、実際に体感するとさらに感動します。AWDのトラクションも相まってスタート時から力強い蹴り出し感を提供してくれます。しかもさすがはストレート6、上まで綺麗に吹き上がり、勢い衰えぬ加速を見せつけられました。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426193931j:image

しかもサウンドがたまりません。シフトアップ時の大きなサウンドはもちろんですが、回転数が上昇する際の6気筒サウンドは絶品です。我が家のディーゼルが失っただけでなく、4気筒ガソリンターボでも味わえないサウンドです。

4気筒で十分、ディーゼルは鉄板と言っても過言ではないと思ってきましたが、やはり6気筒にしかできないこともあります。BMWに乗るなら直6がいいと、改めて思ってしまいました。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426194658j:image

この車両の魅力はこれだけではありません。コーナリングもかなり上質です。AWDの絶対的安心感もありますが、AWD特有のネガは感じさせず、ニュートラルステアで思いのままのラインを描けます。安心して踏んでいけます。コーナリング中のアクセルワークによる微調整も、FRの如くこなしてくれます。その背景に絶対的安心感があるのですから、これはもう最高です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426194729j:image

しかもこれだけのコーナリングを実現しているのだからさぞ広く薄いタイヤを履いているのだろうと思いましたが、F225/40 19・R255/35 19という組み合わせです。現代の輸入車で言えばそこまで特異なサイズではありません。これならタイヤ交換に多額の費用を要する心配もありません。それなりにいいタイヤを履かせる必要はあるでしょうが、Mモデルほど肩肘張らずに乗れるのはありがたいことです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426195212j:image

さらに特筆すべきは、意外ながらも快適性の高さです。これには驚かされました。もちろん柔らかい乗り心地と言うわけにはいきませんが、落ち着いたしっとりした足回りで、不快な硬さはありません。入力もカドを落として伝えてくれる上に、ロードノイズも大きくありません。ロングドライブにも十分耐えうる素質です。

タイヤのグリップを手に取るように感じながら狙ったライン目掛けて全力で走る、そんな手に汗握るようなドライビングを味わいながらも、快適に走りたいときにはその期待に一定以上のレベルで応えてくれる、このバランスの良さと高さはかなりの物です。F30 320dラグジュアリーと比較しても大きく後塵を拝するような乗り心地ではありませんでした。

アダプティブサスペンションの進化を、身をもって感じたところです。

 

〜総評〜

この車、過去最高の1台と言っても過言ではないかもしれません。本当に素晴らしいです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426200101j:image

加速がいいとかブレーキがいいとか、そんなことではなく、全体のバランスが非常に高次元で取れています。速く加速しよく曲がり確実に止まり、快適な移動空間を提供してくれて五感にも訴えかけてきます。とにかく素晴らしい、現状では欠点が見つかりません。強いて言えば燃費が悪いことくらいでしょうか。趣向性の高さを考慮すれば十分許容範囲ではあると思いますが。

しかし、新車価格は車両本体で980万円程度です。価格高騰の続く時代であり、最先端技術を磨き抜いて搭載しているが故、仕方のない価格だとは思いますが、絶対的に高額であることも事実です。どれだけ売れるかという面では、ポルシェマカン等にカスタマが流れてしまう可能性は否定しきれません。BMWというブランドの性でしょう。

しかし、2年後程度のタイミングで中古価格がこなれてくれば、本気で筆頭候補に上がる車です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426195212j:image

おそらく維持費もMモデルよりは断然リーズナブルでしょう。

メルセデスはC63の下にC43があります、アウディにはRS4の下にS4があります。これまでM3と通常モデルの間が大きく開いていたBMWにも、その溝を埋める存在が生まれたわけです。相当な力が注がれていて当然と考えれば今回の完成度は納得できます。

日常生活の中にMパフォーマンスのアクセントをいつでも取り入れられる、こんな幸せなことは、なかなかないのかもしれません。

 

インテリア :★★★★☆

エクステリア:★★★★★

ドライビング:★★★★★

実用性   :★★★★☆

コスパ   :★★★★☆

総合評価  :4.4点/5点満点