りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【速報】BMW 420i 試乗インプレ

前回記事にした代車の318i返却時に、表題の420iの試乗の機会も得られました。

新型モデルに乗れるラッキーな機会です。お言葉に甘えて試乗させていただきましたので、記事にすることにしました!!

f:id:tohru_quattro-m19:20210502161050j:image

今回の試乗車は420i Msportです。FMCを経て2代目となった新生4シリーズのエントリーグレードのMsportモデルです。

エンジンは直列4気筒2.0ℓターボエンジンで、320iと同様のものです。3シリーズ4シリーズ共にMパフォーマンスモデルであるM340i並びにM440i以上のモデルを除く全てのモデルに、この4気筒2.0ℓターボエンジンが搭載されています。物悲しいような気もしますが、それだけ4気筒エンジンの性能が向上したという裏付けでもあるのだと思います。

また、トランスミッションBMWのFRモデル恒例となった8速トルコンATです。こちらも多くのモデルに採用されていることでブラッシュアップが進んでいます。

あまりにも大きいキドニーグリルが何かと話題を呼んでいるこの車両ですが、実際に乗ってみるとどうなのか楽しみな1台です。

 

〜インテリア〜

まずはインテリアから見ていきます。

全体的な印象はG20 3シリーズと同様です。つまり、多くの現行BMWが共有するデザインフィロソフィがこのモデルにも息づいているということです。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502162559j:image

先進性に舵を切りすぎた一部のメーカーとは異なり、多くの操作を物理ボタンに依存するスタイルを貫いています。この旧態依然としたスタイルは個人的には好みです。様々な操作をタッチパネルに集約するとスタイリッシュな外観を実現することは可能ですが、運転中のブラインド操作性は格段に悪化します。モーションセンサーを利用した操作方法も様々登場してはいますが、やはり物理ボタンを介してのブラインド操作性は重要なものだと、個人的には感じています。

ちなみにこれは3シリーズにも共通して言えることですが、エアコンの温度調整は現行型の上下のボタン式よりも先代までのダイヤル式の方が操作性が高かったように思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502163330j:image

4シータークーペとして気になるのは後席の居住性です。まず後席へのアプローチのために運転席を前に出すとこんな感じです。ちなみに後席へのアクセスのためにフロントシートを前に出すと、後席への入り口が最も大きくなるように電動で前方へ移動します。また、前に出したシートを元へ戻す操作をすると、前方への移動の直前にあった位置に戻るよう設定されているようです。これはラグジュアリークーペには少なからず搭載されている機能ですが、ドライバーにとっては非常に重要な装備かと思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502164145j:image

上の画像は後席乗車時のレッグスペースを写したものです。身長約170cmの自分がドライビングポジションを取った運転席の後ろです。長時間の乗車には難があるかもしれませんが、個人的には1時間程度なら耐えられるかなといったところです。シート自体は立体的な造形を持っており、ホールド性も高いのではないでしょうか。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502165129j:image

また、ドリンクホルダーを搭載したアームレストも装備されています。これは個人的には重要な装備です。乗員全員が快適に移動出来ることはクーペであっても大切な要素だと思っています。先代M4やM3では後席のアームレストが撤廃されていました。かなりの性能を持つハイパフォーマンスモデルとしての事情があるのでしょうが、今回の新型4シリーズへの装備は大歓迎です。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502165502j:image

また、後席専用のエアコン吹出口も用意されています。しかも先代4シリーズとは異なり、温度は数値を見ながら調整できますし、USB-Cのポートも装備されています。スマートフォンを多用する現代においては、後席の乗員にとって大切な装備と言えます。

後席のウィンドウは大きいとは言えず、閉塞感は否めませんが、実用性を無碍にしたとは言えない空間が用意されていると言えるでしょう。

 

 

〜エクステリア〜

さて、このモデルの一番の注目ポイントといえばエクステリアでしょう。縦長に大きく成長したキドニーグリルは世界を驚かせたものです。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502170103j:image

日本独特のナンバープレートの形状も相まってか、違和感は拭えません。

BMWによくある「写真で見るより実物の方が一層いい!」という感想は今回も共通でした。しかし、今回ばかりは個人的にはかっこいいとまでは思えませんでした…。やっぱりグリル大きすぎます…。

ですが、グリルにばかり注目が集まってしまいがちではあるものの、全体的なプロポーションは魅力的なものだと思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502170631j:image

特にリアからの眺めは個人的に好きなものです。テールランプの造形は立体的で、流れるような全体的なスタイリングも魅力的です。先代まではウエストラインをくっきりと強調するようにプレスラインが入っていましたが、今回のモデルでは3シリーズ同様プレスラインは撤廃されました。これは世界的な傾向のようですが、流麗な印象を強くする重要なポイントでしょう。

流麗なシルエットと、力強いさを強調する各部のバランスの如何については疑問符が残りはするものの、プレスラインのないサイドビューには魅力を感じます。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502172926j:image

近づいて観察すると、流麗なラインが作る陰影も美しく感じます。

f:id:tohru_quattro-m19:20210502173121j:image

大問題を抱えるフロントですが、このような角度なら魅力的に写るかなと思い、撮ってみました。クーペならではの低めに抑えられた全高、高めの位置に据えられた細いヘッドライト、大きなタイヤ、それらはやはり力強い印象を与えています。

そんな面に目をやってみると、大型化したキドニーグリルもデザインの一部として見られるような気もします。それでも、やはり簡単に馴染めるものだとは思えませんが…。

 

シルエット自体は好きなのですが、バランスには疑問符が残ります。しかし、刺さる人には正しくこれ以外の選択肢がない存在になるかもしれません。

先代にあたる5代目M139モデルのマセラティ クアトロポルテ然り、アンバランスなデザインは一部の人を虜にするのも事実です。誰にとっても美しいデザインを作るのも難しいことですが、ここまで挑戦的なデザインを市販するのもまた、簡単なことではないでしょう。

 

 

〜ドライビング〜

4シリーズは3シリーズのクーペ版といえる存在です。事実、E90時代までは3シリーズクーペという立ち位置で販売されていました。つまり、母体は3シリーズと共有されています。

事実、ドライビングフィールはG20 3シリーズに酷似しているように感じられました。先代の3シリーズと4シリーズよりも、よりそのフィールはに通っているように感じます。

f:id:tohru_quattro-m19:20210504184209j:image

その中でもやはり明確に違いを感じられるポイントもあります。

まず第一に挙げられるのが剛性感です。ドアの枚数が少なくなる、開口部の合計面積が小さくなるというのは偉大なことです。G20でもかなりの剛性が感じられましたが、こちらは明らかにその上を行っています。市街地走行では私には感じられませんでしたが、ワインディングに入ると手に取るように感じられます。特に、コーナリング中に路面からの大きな入力を受けた際に、ボディが一切のねじれなくその入力を受け止めてくれます。剛性の重要性を強く感じられるシーンでした。

また、エンジン出力と姿勢制御のセッティングが異なるようにも感じられました。

静止状態から90度直角コーナーの立ち上がりで強くアクセルを踏み込むと(スポーツモード)、一瞬のホイールスピンを許容してくれます。もちろん一瞬のことなので姿勢を乱すようなことはありません。その安全の中でより強い刺激を与えてくれるのです。これは320iには見られない味付けでした。

4シリーズは3シリーズよりも趣向性の高い乗り物です。あえて4シリーズを選択するオーナーが求めるものを提供しようとした結果なのでしょう。正直日常域ではほぼ出くわすことのない状況なので、実用上の差は大きく生じないかもしれません。しかしこういった細かい部分を突き詰めることはドライビングプレジャーの追及において重要です。また、私が今回の試乗では感じられなかった部分においてもこのような細かい気配りや徹底的な追及があるのではと感じました。

f:id:tohru_quattro-m19:20210504185930j:image

パワー感は、420iなので必要十分+αといった感想です。もちろん速いのは間違いないのですが、今は他の輸入車メーカーはもちろん、国産車でもパワーのあるクルマは多く存在します。それに上を見ればM440iも、M4も存在するという立場ですので、必要十分+αと表現させていただきました。

直前まで318iの運転時間が長い状態でしたので、その分速く感じた部分もあるかもしれません。

全体的な印象は、やはり3シリーズに酷似しています。3シリーズの走行性能が格段に向上した結果、4シリーズとの差が小さくなってしまったというのが事実でしょう。

私個人としては、この差異であれば、より実用性が高く価格の安い3シリーズを選択するのではないかと、感じてしまいました。もちろん今回の試乗の範囲ではの話ですが。

 

 

〜総評〜

直前にも書きましたが、今回の試乗では3シリーズとの性能差があまり感じられませんでした。検討すると仮定すると、この性能差よりも実用性や価格を重視して3シリーズを選択すると思います。

しかし、より高性能なM340iとM440iでの比較となると、その差は大きくなるのかもしれません。よりパワーのあるモデルでは速度が上がり、xDriveモデルとなることでコーナリング速度も向上します。そうなるとよりシャシー性能や剛性の違いが大きく感じられるようになると想像できるからです。

4シリーズの真価は、ハイパワーモデルで感じられるものなのかもしれません。試乗の機会があれば、しっかり体感して見たいところです。

 

インテリア :★★★★☆

エクステリア:★★☆☆☆

ドライビング:★★★★★

実用性   :★★★☆☆

コスパ   :★★★☆☆

総合評価  :3.4点/5点満点

 

【速報】BMW 318i 試乗インプレ

久々の、本当に久々の更新となりました。

今回のインプレッションは318i Msportです。

母が我が家の320dを擦ってしまい、板金整備のためディーラーに出すことになりました。そこで代車として提供していただいたのが今回の車両です。

現行のG20型3シリーズは発売当初の先行内覧会でもインプレッションを掲載しましたが、今回は2週間に及ぶ長期インプレッションであり、さらに4気筒化された318iであることから、改めて記事にすることにしました。

また、2019年の登場からこれまでの間に相当なブラッシュアップが入っているようで、その乗り味は大きく変貌していました。G20の真価を改めて評価し直すべきだと痛感するほどの進化を、拙い文章ではありますが感じていただければ幸いです。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501184135j:image

インテリア・エクステリアについては、先行内覧会の段階から大きな変更はないため、項目として取り上げるのは控えさせていただきます。その分、強い感銘を受けたドライビングインプレッションを詳細に記述致します!!

 

〜ドライビング〜

今回の代車提供の2週間、街乗りはもちろん高速道路やワインディングに至るまで、あらゆるシーンを試しました。そこで今回は先に挙げた①街乗り ②高速道路 ③ワインディングの3つのシーン別で、それぞれのインプレッションを紹介することにします。

 

まずは今回の車両の詳細な紹介からです。

車両は318i Msportです。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501144734j:image

エンジンは直列4気筒 2.0ℓターボエンジンで、320iのデチューン版です。

Msportモデルですので専用のサスペンションと18インチアルミホイールが奢られています。

先代の318iは直列3気筒1.5ℓターボエンジンでしたが、今回のG20では打って変わって4気筒となりました。その選択はどのような結果を生み出したのでしょうか。

 

①街乗りシーン

家の駐車場を出てまず第一に感じたのは、Msportモデルの性、乗り心地の硬さです。18インチのホイールに扁平率の高いタイヤを組み合わせているため、これについては致し方ないところでしょう。正確に言えば、私も家族も不快感は感じなかったものの、おそらく一般的な感覚では硬さを感じると思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501161946j:image

ちなみにタイヤサイズは前後ともに225/45 18です。後述しますが、ワインディングでの圧倒的な性能を実現するにはこの硬さは必要不可欠なのではと感じました。確かに硬さは感じますが、あのワインディングでの感覚を体験してしまうと納得できる感覚です。

ちなみに私個人の感覚としては、コツコツとした小さな入力もしっかり伝えてくるものの、カドは取れた入力であり、しなやかな乗り味といった感想です。

また、パワー感は街乗りでは全く問題ありませんでした。320iのデチューン版ということで、若干の不安はありましたが、これは街乗りシーンでは裏切られました。ハイトルクなディーゼルモデルの感覚に慣れている我が家ですが、不足は一切感じません。

もっと言えば、軽快感さえ覚えました。ディーゼルとは違い、軽く吹き上がり回転数からパワーを上げてくる感覚がそのような軽快感の一助となっているのかもしれません。また、低速域のトルクに大きく振ったセッティングのようで、街乗りでの低速域での加速はストレスフリーでした。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501163050j:image

そして何より驚いたのが交差点での右左折です。いつもの感覚でステアリングを操作すると、思った以上に早いタイミングで、思った以上に切り込んでいきます。軽く、スパッとノーズが切り込んでいきます。

ステアリング操作の後、ロールを伴うことなくいきなり向きが変わるようなイメージです。

普通ならステアリング操作→ローリング→方向転換という段階を踏んでコーナリングを行いますが、これは違います。ロールを伴わない分さらに鼻先の軽さが強調されており、その感覚は慣れるまで違和感を伴う程です。とにかくよく曲がって、感動しました。

ちなみに違和感についてもあっという間に慣れますので、ご心配には及ばないかと思います。

 

 

②高速道路シーン

今回の代車提供期間には高速道路もそこそこ走りました。関越道と圏央道がメインです。

まず最初に触れておくべきは、高速道路でのパワー感でしょう。正直なところ、力強さは感じられませんでした。先述の通り、低速域に特化したセッティングなのでしょう。80km/hを超えたあたりからのパワー感が落ち込み、もう一息欲しいと感じてしまうのが実情です。

高速道路での移動が多い方は320i以上の検討を強くお勧めします。

とは言ってももちろん走行上あまりに大きな不足を伴うというレベルではありません。高速道路の使用頻度が少なく、乗っても中央車線で流れに乗る程度という方にはこれでも問題ないと思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501165337j:image

我が家のF30との差を大きく感じた部分は、高速巡航中の騒音の小ささです。

残念ながら我が家の320dは個体差が悪い方向に出ているようで風切音が特に大きく、直接比較するには適さないかもしれません。

しかし、このG20は単体として見ても風切音がかなり低減されています。またロードノイズの侵入も少なく、非常に快適なドライブが可能でした。新たに標準装備となったアコスティックガラスなる遮音性の高いガラスの巧妙なのかもしれません。ちなみにこの装備はフロントスクリーンのみ標準装備で、サイドウィンドウへの装備はメーカーOPとなります。OP選択率は相当低いものかと思いますが、もしかするとかなり恩恵の大きなOPなのかもしれません。

 

 

③ワインディングシーン

今回の2週間に渡る長期インプレッションで全てを差し置いて最も印象深かったのがワインディングでのフィーリングです。

ここまでの長々としたインプレッションを全て読んでいただいた方には想像がつくかも知れませんが、ワインディングでのフィールは最高の一言に尽きます。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501170740j:image

ワインディングでのパワー感は非常に良好です。高速道路で感じられた不足は一切顔を見せず、街乗りシーンでの軽やかな加速感が楽しませてくれます。また、ガソリンエンジンの軽やかな回転は積極的に8速トルコンATを操作する気分にさせてくれます。これがまた気持ちいいですね。トルクに任せるディーゼルエンジンにも良さはありますが、やはり回転数を上下させて走るガソリンエンジンの楽しさはたまりません。

 

また、何よりも圧倒的に好感を抱いたのはコーナリングとステアリングフィールです。

街乗りでは硬く感じられた脚周りですが、やはりワインディングではしっかりと活きてきます。このシーンでは正しく「しなやかな動き」を見せてくれます。

かなり強くコーナリングGがかかった状態でもロール角が大きくなりすぎることはなく、涼しい顔をしてコーナーを抜けていきます。また、コーナリング中に路面からの大きな入力にも強く、安定感を失うことなく路面を掴んだまま離しません。とにかくグリップが高く、ハーフウェット路面でさえも全く恐怖なく走れました。

また、ここまでハイグリップを強調していますが、グリップが高いことは非常にわかりやすいものの、粘り気の強さは全面的には感じられず、むしろ軽やかな印象です。

また、FRならではのアクセルコントロールで曲がる感覚が色濃く出ており、とにかく走りたくなるクルマです。

余りに快適で楽しい走りで、自宅近くのワインディングを何度も走りに行ったほどです。

しかも、次第に速度が上がってきてしまいます…。理性が非常に重要です。

f:id:tohru_quattro-m19:20210501181102j:image

ちなみに、ここまでの感動的なフィーリングは先行内覧会での試乗では感じられませんでした。確かに試乗でのワインディングは距離も短く、ここまで堪能し切れたわけではありません。しかし、これは明らかに2019年の登場当初よりも大きく進化していると思います。

特に粘りと軽やかさのバランスはここまでのものではなかったはずです。BMWにおいては年次改良の大きさは有名なほどですが、今回の改良はかなりのものです。マイナーチェンジすら入っていないにも関わらず、ここまでのブラッシュアップは驚きました。素晴らしいです。

 

〜総括〜

このクルマ、おそらく初めてBMWを手にする方には訴求力があまり大きくないのではと思います。

高速道路でまっすぐ飛ばすにもあまり向いていないですし、318iという名前も多少物足りなさを感じさせるかもしれません。でも、とっても魅力的な一台です。

コーナリングを純粋に楽しめます。パワーを使い切り、しっかりとアプローチを考えてワインディングを駆け抜ける楽しさがあります。確かに圧倒的なパワーはありませんが、街乗りとワインディングでは必要にして十分な力を出してくれます。

何台かBMWを乗り継いで、もう高速に乗る機会も減って、そこまでのパワーは求めない。でもBMWを選んだからにはドライビングプレジャーを大切にしたい。そんなオーナーにはピッタリの一台だと思います。

 

代車としてこんな素晴らしいクルマを提供してくれた担当Nさんには本当に感謝です!!

【速報】BMW M340i xDrive 試乗インプレ

新型コロナウィルスの混乱の最中ですが、試乗車入庫のアナウンスをごく一部のカスタマーに限定することで三密を防止し、感染拡大を起こさぬよう注意しているとのことでした。事実、入店時には他のお客様はおらず、試乗から戻っても他のお客様は1組のみでした。また、店内でのドリンクサービスを中止しており、全ての試乗車と展示車には「○月○日消毒済」のカードが置いてあり、感染の防止に努めているようでした。

このような工夫をしているという前情報を前提に訪問し、客数が増加したタイミングで退店してきました。批判的な見方もあるかとは思いますが、安全への配慮を確認した上での訪問です。希少な機会ということもあり、ご理解の上で以下の記事をお読みいただけますと幸いです。

 

前回の記事にも度々登場させましたが、M 235iグランクーペと併せてM 340iの試乗もさせていただきました。本来はM 235iグランクーペの試乗予約で伺いましたが、当日朝にこの車両が入庫したとのことで、こちらも楽しませていただいたわけです。しかも、本命を圧倒的に上回る勢いで。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426185427j:image

M 340iの印象が強すぎて、前回の記事の内容が薄くなってしまったのは申し訳ありません…

エンジンは直列6気筒3.0ℓターボエンジン、トランスミッションは8速スポーツトルコンAT、駆動方式はAWDです。

 

〜インテリア〜

インテリアは正直なところ標準の3シリーズと大差ありません。新世代BMWのそれで、先進的ですが、やはり少しずつ進化させてきた伝統を残しており、扱いやすい印象です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426185604j:image

しかし、今回の比較試乗(意図してはいませんでしたが)では、3シリーズの居住性の高さが浮き彫りになりました。車格が違うので当然ではありますが、2シリーズグランクーペと比較して居住空間に余裕があるのは事実です。双方ともにハイパフォーマンスモデルですが、M 340iはシート単体を見てもロングツアラーを標榜していることが容易に想像できるほどしっかりしており、尚且つ身体をしっかり受け止めてくれて安心感があります。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426190257j:image

後席スペースの快適性はさらに大きな差を感じます。

足下スペースに分かり易い差があるわけではありませんが、なんとも快適性には差があります。セダンとしてのグラスエリアの広さや、左右方向の余裕、シートの座面長等のファクタが寄与しているのかも知れませんが、やはりセグメントの壁を越えるのは難しいようです。

単体の記事として下位セグメントとの比較を記載するのは本末転倒かも知れませんが、強く実感した事実として記載します。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426190827j:image

また、今回の試乗車にはハーマンカードンのオーディオシステムが装備されていました。当該グレードの標準装備なのか、調べが追いついていませんが、これが非常にいい音を響かせます。透明感があって深みのあるサウンドで、BMWらしからぬ音楽体験を提供してくれます。身体に響き渡る直6サウンドを持ったこの車両に必要な装備かは分かりませんが、満足感を増してくれるアイテムなのは間違いないありません。エンジンサウンドに飽きたり、快適にドライブを楽しみたいときには、コンフォートモードで音楽を楽しむのもいいのではないでしょうか。

 

 

〜エクステリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20200426191352j:image

エクステリアは通常モデルと比較するとアグレッシブに仕上がっています。

長年ブラッシュアップを重ねてきた歴史ある3シリーズということもあり、またボディサイズにも余裕のあるDセグメントということもあり、バランスの取れたデザインです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426191939j:image

しかもこれはハイパフォーマンスモデル、特有のディテールもアクセントとして加えられています。独特なデザインのキドニーグリル然り、下のドアミラー然りです。ミラーは実際に見るとゴールドがかったマット塗装のように見えて、高級感もあります。1000万円近い価格帯の車両として、カスタマーを満足させるための工夫としては良好なのではないでしょうか。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426192326j:image

 

〜ドライビング〜

この車のハイライトは、なんと言ってもドライビングです。色々な意味でびっくりさせられました。

再度の紹介ですが、エンジンは直列6気筒3.0ℓターボエンジン、トランスミッションは8速スポーツトルコンAT、駆動方式はAWDです。

まず加速ですが、なんといっても速いです。調べたところ0−100km加速は4.4秒です。数値を見れば速いのは明確ですが、実際に体感するとさらに感動します。AWDのトラクションも相まってスタート時から力強い蹴り出し感を提供してくれます。しかもさすがはストレート6、上まで綺麗に吹き上がり、勢い衰えぬ加速を見せつけられました。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426193931j:image

しかもサウンドがたまりません。シフトアップ時の大きなサウンドはもちろんですが、回転数が上昇する際の6気筒サウンドは絶品です。我が家のディーゼルが失っただけでなく、4気筒ガソリンターボでも味わえないサウンドです。

4気筒で十分、ディーゼルは鉄板と言っても過言ではないと思ってきましたが、やはり6気筒にしかできないこともあります。BMWに乗るなら直6がいいと、改めて思ってしまいました。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426194658j:image

この車両の魅力はこれだけではありません。コーナリングもかなり上質です。AWDの絶対的安心感もありますが、AWD特有のネガは感じさせず、ニュートラルステアで思いのままのラインを描けます。安心して踏んでいけます。コーナリング中のアクセルワークによる微調整も、FRの如くこなしてくれます。その背景に絶対的安心感があるのですから、これはもう最高です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426194729j:image

しかもこれだけのコーナリングを実現しているのだからさぞ広く薄いタイヤを履いているのだろうと思いましたが、F225/40 19・R255/35 19という組み合わせです。現代の輸入車で言えばそこまで特異なサイズではありません。これならタイヤ交換に多額の費用を要する心配もありません。それなりにいいタイヤを履かせる必要はあるでしょうが、Mモデルほど肩肘張らずに乗れるのはありがたいことです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426195212j:image

さらに特筆すべきは、意外ながらも快適性の高さです。これには驚かされました。もちろん柔らかい乗り心地と言うわけにはいきませんが、落ち着いたしっとりした足回りで、不快な硬さはありません。入力もカドを落として伝えてくれる上に、ロードノイズも大きくありません。ロングドライブにも十分耐えうる素質です。

タイヤのグリップを手に取るように感じながら狙ったライン目掛けて全力で走る、そんな手に汗握るようなドライビングを味わいながらも、快適に走りたいときにはその期待に一定以上のレベルで応えてくれる、このバランスの良さと高さはかなりの物です。F30 320dラグジュアリーと比較しても大きく後塵を拝するような乗り心地ではありませんでした。

アダプティブサスペンションの進化を、身をもって感じたところです。

 

〜総評〜

この車、過去最高の1台と言っても過言ではないかもしれません。本当に素晴らしいです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426200101j:image

加速がいいとかブレーキがいいとか、そんなことではなく、全体のバランスが非常に高次元で取れています。速く加速しよく曲がり確実に止まり、快適な移動空間を提供してくれて五感にも訴えかけてきます。とにかく素晴らしい、現状では欠点が見つかりません。強いて言えば燃費が悪いことくらいでしょうか。趣向性の高さを考慮すれば十分許容範囲ではあると思いますが。

しかし、新車価格は車両本体で980万円程度です。価格高騰の続く時代であり、最先端技術を磨き抜いて搭載しているが故、仕方のない価格だとは思いますが、絶対的に高額であることも事実です。どれだけ売れるかという面では、ポルシェマカン等にカスタマが流れてしまう可能性は否定しきれません。BMWというブランドの性でしょう。

しかし、2年後程度のタイミングで中古価格がこなれてくれば、本気で筆頭候補に上がる車です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426195212j:image

おそらく維持費もMモデルよりは断然リーズナブルでしょう。

メルセデスはC63の下にC43があります、アウディにはRS4の下にS4があります。これまでM3と通常モデルの間が大きく開いていたBMWにも、その溝を埋める存在が生まれたわけです。相当な力が注がれていて当然と考えれば今回の完成度は納得できます。

日常生活の中にMパフォーマンスのアクセントをいつでも取り入れられる、こんな幸せなことは、なかなかないのかもしれません。

 

インテリア :★★★★☆

エクステリア:★★★★★

ドライビング:★★★★★

実用性   :★★★★☆

コスパ   :★★★★☆

総合評価  :4.4点/5点満点

 

【速報】BMW M235i グランクーペ xDrive 試乗インプレ

今回はM235iグランクーペの試乗車が入るとのことで、予約を入れて試乗に伺ってきました。

ちなみにこの新型コロナウィルスの混乱の最中ですが、試乗車入庫のアナウンスをごく一部のカスタマーに限定することで三密を防止し、感染拡大を起こさぬよう注意しているとのことでした。事実、入店時には他のお客様はおらず、試乗から戻っても他のお客様は1組のみでした。また、店内でのドリンクサービスを中止しており、全ての試乗車と展示車には「○月○日消毒済」のカードが置いてあり、感染の防止に努めているようでした。

このような工夫をしているという前情報を前提に訪問し、客数が増加したタイミングで退店してきました。批判的な見方もあるかとは思いますが、安全への配慮を確認した上での訪問です。希少な機会ということもあり、ご理解の上で以下の記事をお読みいただけますと幸いです。

 

さて、本題に入ります。

今回の試乗車はM235i グランクーペxDriveです。

新たなセグメントのコンパクト4ドアクーペとして誕生した2シリーズグランクーペの最上級スポーツモデルです。

エンジンは直列4気筒2.0ℓターボ、トランスミッションは8速トルコンAT、駆動方式はAWDです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426171954j:image

 

〜インテリア〜

完全な新型モデルとなる2シリーズグランクーペですが、インテリアはベースとなった1シリーズと共通といっていいでしょう。記事にしていないのですが、1シリーズにも試乗した経験があり、その時と印象は変わりませんでした。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426172252j:image

ラグジュアリーとは離れていますが、質感は価格帯的に上々です。新世代BMWのDNAを色濃く感じさせるデザインで、好印象です。また、BMWらしく世代が変わっても操作系は大きくは変わらず、操作面で困惑することはありません。

ハイラインPKGを選択してもベージュやブラウンのシートカラーを選択することができないのは個人的に残念なポイントですが、コスト面を考えても、車両のキャラクターを考えても、妥当な設定なのかも知れません。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426172814j:image

新世代デザインのシフトノブやiDrive関係を見る限り、上位FRモデルとの大きな差別化はなく、年々肥大していく上位モデルからの乗り換え需要も想定している感が伺えます。メーターも全面ディスプレイ形式を採用しており、先代上位モデルにあたるF30よりも充実した装備といえるでしょう。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426173227j:image

後席に座ってみると、窮屈さは感じません。膝前にもスペースを確保することはできます。ただし、フロントシートの位置にもよりますが。感覚的にはE46やE90の3シリーズと似ているでしょうか。広いとは言えませんが、大人4人でのドライブにも耐えうるでしょう。横方向の余裕はないものの、後席でもサポートは効いており、座り心地は十分です。また、走り出しても快適性はそこそこにあり、ロングドライブも想定しているものと思われます。細かい入力も逃しはしないものの、不快感は小さく、コンパクトセグメントとしては上出来ではないでしょうか。

しかし、この後M340iにも試乗しましたが、その差は圧倒的でした。M340iについては別で記事にしますが、単体としては価値があるとは思うものの、快適性はセグメントを超えられないものと実感したところがあります。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426174324j:image

また、後席に限って言えば、閉塞感は否めません。ご覧の通りグラスエリアは小さく、ウィンドウの底辺も高く設計されているので、そういった意味での快適性は高くありません。同セグメントのCLAにもこの傾向はあり、スタイリングと安全性の両立を考えると仕方のないことだとは思いますが、検討する際には確認した方が良いでしょう。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426174728j:image

また、リアウィンドウは寝ており、後方視界も良好とは言えません。実際に運転してみるとそんなに気にはなりませんでしたが、女性が運転する場合などでは注意した方がいいかも知れません。ただし、実際に運転して確認するのが賢明です。運転してみるとそこまで気にはなりませんので、目視での確認のみで済ませるのは賢明とは言えません。

 

〜エイクステリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20200426171954j:image

エクステリアは見ての通りアグレッシブです。4ドアクーペをこのサイズで完成させるためにはかなりの困難があったことを感じさせます。フロントは流麗さを欠いており、人によっては評価が分かれるところでしょう。実際に見ると写真よりも印象はよく、個人的には納得できるデザインですが、2代目となったCLAには溝を開けられているというのが実情ではないでしょうか。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426175510j:image

リアセクションのデザインは個人的に魅力的に感じています。力強さを備えていると共に、左右を貫くラインが印象的です。また、M235iはハイパフォーマンスモデルということもあり、リアスポイラーを装着しています。トランクスポイラーの形式でそこまで目立つわけではありませんが、よく見ると凝ったデザインで、この存在はデザイン上大きいのではないかと思います。逆にこれがない通常モデルでは流麗なデザインに映るのかも知れません。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426175936j:image

新たにラインナップするモデルのデザインには困難が付随するのが当然の事です。コンパクト4ドアクーペとして難しいセグメントに飛び込んだわけですが、BMWらしい挑戦的な姿勢は今後の改良を期待させるものです。メルセデスCLAがそうであったように、モデルチェンジで更なる飛躍を見せてくれるのではないのかと期待しています。

 

〜ドライビング〜

ようやく、インプレッションです。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426180420j:image

改めて紹介しますが、エンジンは直列4気筒2.0ℓターボエンジン、トランスミッションは8速スポーツトルコンAT、駆動方式はAWDです。ご覧の通り小さなエンジンですが、Mパフォーマンスの文字が輝くように、期待を上回るパワーを発揮してくれます。アクセルを踏み込むと軽快に加速していきます。AWDの駆動方式と相まって、ゼロ加速も上々です。というか、かなり速いです。さらにシフトアップがかなり軽快で、その様はまるでバイクのようと言っても過言ではないかも知れません。その味付けがさらに全体的な軽快感を加速させています。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426181127j:image

また、足回りは想像よりもしなやかで、案外乗りやすい印象です。アダプティブサスペンションに前後とも225/40 18というタイヤ・ホイールの装備ですが、ガチガチな印象はなく、硬いながらもしなやかさを残した足回りです。ただし、バタつく時にはバタつきます。特に、強めのブレーキングでシフトダウンと路面からの入力が重なるタイミングでは不快感を受けました。これはそんなに稀なケースではなく、試乗中に数回感じましたので、検討の際には必ず試乗をお勧めします。

また、全体的に味付けは「やんちゃ気味」です。小さくて軽くて、速くて軽快。こう書けばいいように思えますが、挙動は全体的に落ち着きがないのも事実です。直後に試乗したM340iと比較してしまっているのが悪いところもありますが、路面が悪いところだと落ち着きを欠き、ステアリングへの雑味も多くなります。

ここまで否定的な意見によってしまっていますが、全体的には良くできた車両かと思います。

AWDの特長である安定感を伴いつつも、ベースであるFF感はなく、ニュートラルなコーナリングを実現しています。エンジンは元気でどこからでも必要なパワーを取り出せます。加速にも減速にも全体的には安定感があり、ピーキーで元気なフィーリングを味わいながらも安心感を伴って走れます。しかし、やはり否定出来ないのが「地に足ついていない感」です。この言葉は、同乗した母の言葉を借りた物ですが、加速時も減速時もシュアな感覚は少し希薄です。もう少し踏ん張り感が欲しいところです。

大人のスポーツというよりは、若々しいやんちゃなパフォーマンスといった感じです。何度も言いますが、直後にM340iに乗ってしまったのが良くなかったですね…

 

 

〜総評〜

元気でやんちゃに走れる一面を持ちつつ、大人4人でロングドライブを楽しめる車、排気量も2ℓクラスで燃費も自動車税も経済的で好バランスな車です。

f:id:tohru_quattro-m19:20200426183634j:image

スタイリングも若々しく、Cセグメントでありながら独立したトランクを持つボディ形式は、大きな需要があると言えるでしょう。メルセデスはCLAクラスに加えてAクラスセダンをラインナップしており、アウディにもA3セダンがあります。ようやくこのセグメントにBMWが追いついたという感があります。

しかし、M 235iについて言えば、CLA35AMGにS3セダンと群雄割拠のこのセグメント、ここからのブラッシュアップは必至ということはBMWも承知のことと思われます。改良が得意なBMW、ここからの展開が楽しみです。

 

 

インテリア :★★★★☆

エクステリア:★★★☆☆

ドライビング:★★★☆☆

実用性   :★★★★☆

コスパ   :★★☆☆☆

総合評価  :3.2点/5点満点

【速報】FIT 試乗インプレ

輸入車好きの私ですが、国産車でも好きなクルマがいくつかあります。そのうちの1台がHONDA FITです。低価格で無個性なクルマに思われがちかもしれませんが、私は気に入っています。

こちらもいとこの家で使用している車両で、かれこれ2年以上に渡って何度も運転していますので、長期インプレになります!!

f:id:tohru_quattro-m19:20190530122800j:image

対象車両はFITのガソリンモデルでFパッケージというグレードです。

ベースグレードから1つ上のモデルで、直列4気筒1.3ℓNAエンジンを搭載しています。

 

〜インテリア〜

フィットはホンダの中でかなり低価格な部類に入ります。以前N−ONEとフィットを比較検討している方の商談に付き合ったことがありますが、選んだグレードのせいもありフィットの方が安価だったほどです。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530123053j:image

そんなフィットのインテリアですので、高級感や質感とは正直言って無縁です。飾りっ気はないですし、これと言った見せ場もありません。しかし、これはこれでいいのではないかと思っています。私の評価基準は「どうセグメントの同価格帯」というところに置いているつもりですし、この車格の国産車にはあまり大きな差はありません。デミオのLパッケージが優位性を持っているくらいでしょうか。

では気に入っている点は?と言うと、ユーティリティ性能の高さです。これはヴェゼル等他のホンダ車両にも言えることですが、室内空間が広い上にアレンジ性が高いのです。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530123646j:image

後席、案外広いんです。ヴィッツデミオには何度か乗ったことがありますが、確実に後席の居住性はフィットが優っていると思います。デミオはデザイン性のためにユーティリティ性は目をつぶっている感がありますが、ユーザーさんによりけりで好みが分かれるところでしょう。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530124032j:image

そしてシートアレンジに関してはかなり凝ったことをしています。上の画像の赤いマークのある部分がシートバックで、この部分は前方に倒すことができます。これは珍しいことではありません。特筆すべきは青いマークがしてある座面部分を上に跳ね上げることができるということです。これはそうそう一般的なものではありません。座面を跳ね上げると背の高い荷物を積むことが出来るので、案外便利です。コンパクトカーながら家具や家電を買っても頼りになります!!

また、ナビ画面の下にあるエアコン等の操作パネルはタッチパネルになっています。見た目がスッキリしていてシャープな印象です。しかし、実際に操作してみるとブラインド操作のことを考慮するなら物理ボタンの方が良かったような気もします。

全体的に満足出来る仕上がりだと思っています。

 

 

〜エクステリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20190530191658j:image

エクステリアは…個人的には魅力的とは言えないと思っています。いとこの家で使っているのも画像と同じホワイトの車両です。概ね上の画像と同じエクステリアです。

デザイン的な見せ場はあまりないですよね。ヴィッツやマーチと比較するとシャープなデザインを持っていますが、そこまで魅力的とは言えません。それに同クラスで言えばデミオが優れたデザインを持っていますので、特段の優位性はないでしょう。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530192329j:image

リアから見てもそこまで印象的でも魅力的でもない、と個人的には思っています。先代モデルでは初代のデザインを色濃く残していましたが、現行では先代から大きくデザインを変えてきました。ですがこのデザイン変更は悪い方向には作用していないようです。売れ行きも好調ですし、初代から3世代に渡って好調なセールスを誇っているフィットは大したものだと思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530192717j:image
f:id:tohru_quattro-m19:20190530192720j:image

ちなみにディーラーOP等を装備すればこんな感じにすることも可能です。だいぶイメージが変わりますね。上段の画像はシックな感じで、下段の画像はスポーティな印象をまとっています。この変貌ぶりはデミオよりも大きいかもしれません。まあ実際にはこのような装備を選択しているオーナーさんは多くはないので、購買意欲には関係ないようですが(笑)

まとめてみると、デミオほど凝ったデザインではないものの、全体的に受け入れられやすいデザインで、幅広い層に受け入れられているといったところでしょう!!

 

 

〜ドライビング〜

このFIT、何が一番気に入っているかと言えば、それはドライビングです。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530193156j:image

上述の通り、対象車両は直列4気筒1.3ℓNAエンジンを搭載しており、トランスミッションCVTです。あまり期待出来るような構成ではありません。しかし、これが良い意味で裏切ってきます。

まず、加速性能は正直なところ数値のとおりです。感動的な加速はありません。しかし、全体的なドライビングフィールはなかなか良好です。

まずコーナリングですがしっかり考えてアプローチすれば結構気持ちよく曲がります。アンダー傾向が少なく、思い描いたラインを忠実になぞることも難しくありません。脚まわりは固い設定ではないものの芯があり、路面状況もある程度伝わってきます。さらにステアリングフィールがなかなか良好です。ステアリングは本革ではないですし、そのものの質感は高くはありませんが、ニュートラル位置が曖昧でなく、切り始めもわかりやすいですし、狙った角度も再現しやすいのです。高速道路ではやはりふわふわとした感覚があり、舵角修正が多くなりましたが、セグメントを考えれば妥当でしょう。デミオには敵いませんが、個人的には先代スイフトよりも高速安定性は高いものと評価しています。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530194416j:image

併せて高評価なのが搭載されるCVTです。DレンジからSレンジに移行して走行するとなかなかレスポンスのいい走りが出来ます。しかもエンジンブレーキの効きも良好です。これは感心です。個人的にエンジンブレーキの効きは大切なポイントですので(^◇^;)

RS等のスポーツグレード以外では任意のギアを選択することが出来るMTモードが設定されません。これだけ優れたCVTならMTモードを設定して欲しかったところです。デミオではベースグレードからMTモードが設定されていますので(トルコンAT搭載であることも要因ですが)フィットにも設定があれば、さらなる商品性向上になるのではないかと思ってしましました。

…実際の購買層にとっては特に気にならない部分だとは思いますが(^◇^;)

 

 

〜総評〜

このセグメントは、まさに群雄割拠です。ヴィッツ・マーチ・デミオスイフト・ミラージュ等各社揃い踏みの市場です。ですが、個人的には一二を争う仕上がりだと思っています。

デミオは走りがいいものの実用性が低い、等々一長一短ありますが、FITはなかなかバランスがいいのが一番の特徴でしょう。私がこのセグメントから選ぶならFITは必ず検討候補に入ります。

 

インテリア    :★★★★☆

エクステリア:★★★☆☆

ドライビング:★★★★☆

実用性           :★★★★★

コスパ           :★★★★☆

総合評価       :4.0点/5点満点

 

※上記各☆評価は、同セグメント同価格帯を基準とした比較での相対評価です。ご了承ください。

ジャーマン3を比較してみよう。

私がクルマを検討する際に外せないメーカーがあります。それがメルセデスベンツBMWアウディの3メーカーです。いわゆる「ジャーマン3」とか「ドイツ御三家」とか括られるメーカーたちです。賛否両論あるとは思いますが、私はジャーマン3は基本的に高く評価できると考えています。

そこで、ジャーマン3に対する評価の根拠と、それぞれのメーカーのクルマの傾向をちょこっと紹介しようと思います。

ちなみに、各メーカー様々な車種を生産しておりますので、一様に当てはまるとは限りませんので、その点ご了承ください。また、AMG・M・RSモデル等のハイパフォーマンスモデルを除いた状態でのお話とさせていただきます。

 

〜ジャーマン3の好調の根拠〜

f:id:tohru_quattro-m19:20190522204732j:image

ジャーマン3は私が言うまでもなく、一般的に高評価を得ています。自動車評論家の方々からの評価も概ねして高く、日本で「外車」と言うと真っ先に思い浮かぶメーカーと言っても過言ではありません。

ではなぜジャーマン3が高評価を得るのか、これを私なりに考えてみました。

 

①性能

まずは性能が挙げれらます。最近はフランスやイタリア等欧州各国をはじめとして様々な自動車メーカーが技術面でしのぎを削っています。大きな会社同士が技術提携をしてることもあり、その流れはさらに加速しています。しかし、ジャーマン3における技術の進化は最近に始まった話ではなく、長きに渡って磨き上げられた技術を持っています。メルセデスBMWはすでに100年以上の歴史を持っていますし、時代の最先端を走り始めてからの歴史も長いものになります。つまり、高性能を求め続けてきた歴史があるのです。

また、「年次改良」というファクタも重要です。年次改良とは、毎年一定の時期にクルマに改良を加えていくことを言います。型式や見た目は変わらなくても、常に中身を進化させているということです。これはジャーマン3に限った話ではありませんが、その年次改良の幅が大きいのです。私はBMWの試乗機会が多いのですが、発売直後と数年後では運転した際の印象が大きく違うことが珍しくありません。少なくともBMWには新車開発部の他に車両改良部が存在し、年次改良にも大きな力を注いでいるとのことです。「輸入車は発売直後には買わない方がいい」とか「最終型が一番いい」等の論理はここから来ています。

f:id:tohru_quattro-m19:20190524194851j:image

さらに、ジャーマン3と国産車の比較で言うと、ドイツと日本の法制度の違いも大きなファクタであると言えます。ジャーマン3では新しく車両を開発する際に、公道上で何度も何度もテストを繰り返してデータを集めて車両を磨き上げていきます。カモフラージュを付けて走行するクルマが写真にとられていることがよくありますが、その多くが公道テストでの姿です。これを行う国産メーカーは多くありません。GT-R等の高性能車では行われた歴史もありますが、行動テストを経て市販される車両はかなり希少なのです。ここにはコストの問題もありますが、法制度の問題から来る差があるのです。ドイツでは発売前の車両を行動で走らせる際に必要な申請がそこまで煩雑ではありません。しかし、日本で同じことをしようと思うと国土交通省に膨大な量の書類を提出して審査を突破する必要があるのです。この申請のために各社の法務部で膨大な書類を用意するのには時間もコストもかかります。だから、そう簡単に公道テストを行うことができないのです。R35 GT-R開発の際にもかなりの苦労があったという話を聞いたことがあります。

その他国民性やクルマに対する考え方、国の道路事情等も影響しますが、上記の歴史と法的問題が大きな優位性を与えているのは間違いないと思います。

 

②ステイタス性

f:id:tohru_quattro-m19:20190529212950j:image

これは他の同価格帯の輸入車国産車に対するジャーマン3の優位性の話です。最近ミニバン人気の加熱もあり、アルファードヴェルファイアのステイタス性も向上しています。しかし、「ベンツに乗っている」「ビーエムを持っている」「アウディオーナーである」と言われると「いいクルマに乗っているんだな」という感想を抱く方は少なくないと思います。アストンやベントレー等のエグゼクティブクラスのメーカーももちろんたくさんありますが、そこまでの超一流メーカーは非現実的ですし、それらのニッチなメーカーよりも一般的にはわかりやすいという一面もあります。

ジャーマン3を使用しているヒトがステイタス性をポイントに選んでいるというわけではないでしょう。我が家でもBMWのキャラクターが好きでBMWを選んでいます。しかし、選択する際のファクタに「ステイタス性」が含まれてるという方も少なくはないと思います。自慢したいとかではなく、一生懸命働いてカッコいいクルマを買えるようになったというような感覚です。これが仕事に対するモチベーションに繋がる可能性もありますし、これはこれで否定するようなことではないと個人的には考えています。

 

③メンテナンス性

これに関しては同価格帯の輸入車に対してジャーマン3が持つ優位性についてです。

これと併せて先に記述しておきますが、「ジャーマン3の車両は壊れない。維持に手間がかからない」という趣旨ではありません。その点だけ先にご了承ください(^◇^;)ジャーマン3を含む輸入車機械的な信頼性や耐久性に関しては色々と考察しておりますが、それは別の機会に紹介できればと思っています!!

f:id:tohru_quattro-m19:20190529213647j:image

ではここで言いたいことはなんなのかと言いますと、「ジャーマン3の車両は他の輸入車メーカーの車両と比較してメンテナンスや壊れた際の対処がしやすい」ということです。輸入車、特にヨーロッパのメーカーの車両は国産車と比較して消耗部品が多く、その交換頻度も高いのが実情です。交換が必要なら交換するしかありません。ではその時にジャーマン3だとなぜ優位性があるのでしょうか?それを以下に記載します。

〈正規ディーラーが多い〉

まず言えることは、正規ディーラーの店舗が多いということです。イタリアやイギリス等の車両に対して販売台数が多いので、こうなるのは必然的です。店舗が多いということは、店舗が少ないブランドよりも自宅から距離の近い店舗を選んだり、サービスの相性がいい店舗を選んだりと選択肢が増えます。さらに、外出先で不意に不具合が発生して取り急ぎ現地のディーラーを探す場合にも、手間を減らすことができます。これは結構大きな優位性だと思います。

〈専門店が多い〉

次に挙げられるのが、専門店の多さです。輸入車の世界には各ブランド毎に高い専門性を持つメンテナンスショップがあります。これはランドローバー然り、マセラティ然り、ほぼずべてのメーカーに存在するでしょう。しかし、ジャーマン3のそれは数が多いのです。これも販売台数が多いことを考えれば妥当なことでしょう。輸入車の整備には国産よりもお金がかかるのが一般的ですし、パーツも高価な傾向があります。「車両が高いのだから仕方ない」という意見も散見されますが、中古で頑張って購入したオーナー(私を含む)からすれば、メンテナンス費用を抑えたいのが本音です。そんな時に専門店の存在は大きな助けになります。内容によってはディーラーの半額程度の費用で整備できることもあります。事実、私も最初に購入したE46 320iの車検は専門店さんに依頼しました。部品の交換が発生する前に定期的に買い替えをできるオーナーさんには無縁の世界かもしれませんが、専門店の多さは一定のオーナーさんに恩恵を授けているでしょう。

〈パーツが多い〉

f:id:tohru_quattro-m19:20190530102531j:image

最後に紹介するのが、パーツの豊富さです。と言ってもディーラーで購入できる新品ではなく、中古パーツとOEM等社外パーツです。

まず中古部品ですが、これは販売台数が多いので、最終的に部品取りに回される車両数も多くなり、中古パーツの流通量が多くなるということです。一般的に中古パーツを使用する方は多くないかもしれませんが、私の知り合いの整備士等ではそう珍しいことでは無いようです。中古パーツはメンテナンス費用の抑制につながりますので、その流通量の多さは大きなポイントです。

次に社外パーツについてです。純正品と同様に設計されたOEMパーツのほか、ユーザーの意見を取り入れた社外パーツも存在します。これはメンテナンス費用の抑制だけでなく、オーナーさんの選択肢を増やすことにもつながります。「ダストの少ないブレーキに替えたい」とか「本来設定のないDRLを導入したい」とか、様々な要望に応えることができるわけです。ジャーマン3の車両は販売台数が多いですから、社外パーツの需要も高いことになり、こちらも必然的に多くの製品が販売されることになります。メンテナンス費用を抑えたり、自分好みのアレンジを加えたいオーナーさんには強い味方になるわけです。

 

まとまりのない構成になってしまいましたが、このようにジャーマン3には製品そのものとしても使用する上でも、多くの優位性があります。(今回はジャーマン3と括りましたが、フォルクスワーゲンにもこの内容は該当します)

もちろんジャーマン3以外にも優れたクルマを造るメーカーはたくさんあります。しかし、比較して考えると総合的にジャーマン3は所有しやすいのです。売れれば売れるほどその優位性はさらに伸びていきますので、ポジティブな循環が発生していきます。

 

 

〜ジャーマン3各社の比較〜

では次に、ジャーマン3各ブランドの性格を比較してみようと思います。文章で端的に表現すると「スポーティとコンフォートの両立」という文言が3メーカー全てに該当してしましますので、違いがはっきりしない節があります。そこで、端的かつもう少し詳細に各メーカーの特徴を紹介します。

〈Mercedes Benz〉

f:id:tohru_quattro-m19:20190530105209p:image

メルセデスベンツ、「ベンツ」と聞けば大抵の人が高級車と感じる名前でしょう。陸・海・空 全てを制するといった意味を込めたエンブレムであるスリーポインテッドスターは水戸黄門の紋所みたいな威力があります(笑)

メルセデスと言えば高級で快適なクルマというイメージが先行していますが、乗り心地の良さよりも「本質的な快適性」を追い求めている印象があります。後述しますが、乗り心地の柔らかさだけで言えばAudiに軍配が上がるセグメントも多くあります。乗り心地はしっかり目で入力はちゃんと感じますが、角はなく、長距離長時間乗車していて疲労が少ないような感じです。

また、BMWと比較すると運転の主導権がドライバーよりもクルマ側にあるように感じます。ABSや各種コントロールが介入する段階が早かったり、介入度合いが高かったりといったことです。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530110236j:image

また、安全性を徹底的に作り込むというところにも一日の長を感じます。例えばプリクラッシュ・セーフティ・サウンドという装備があります。これはABS等の作動で衝突が予期される場合に、特殊なサウンドを発生させて鼓膜に作用することで、衝突音による鼓膜の破損を回避するという装備です。私が知る限りではメルセデス以外にこの装備があるクルマはありません。

もちろん各社安全性は大切にしていますが、その中でも一歩先を見て開発を進めているのではないでしょうか。

BMW

f:id:tohru_quattro-m19:20190530110757j:image

BMWというと、かつてバブルの時代に六本木のカローラなんて言われていた時代もありました。かつてのイメージとしては「高性能車」であり、「高級車」の仲間入りを果たしてからそう長くは経っていません。しかし、やはりインテリの質感等見るとジャーマン3では厳しい立場にあります。現状それを挽回すべく改良を重ねている感があります。

BMWが得意とするのはやはり走りの部分です。「駆け抜ける歓び」なんてキャッチコピーもありましたが、これは確実にBMWに分があるでしょう。と言ってもそれは加速性能だったりラップタイムだったりといったことではありません。そのような性能は日本の生活域では実感できるシーンがなかなかありませんし、おそらくジャーマン3各社そこまで差がないですし、個人的にも興味があまりありません。では何が違うのかというと、「ドライビングの楽しさ」です。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530112335j:image

と言ってもこれは実感しないとわかりにくいですが、その時その時のクルマの状態や路面状況などが感じ取りやすいのです。クルマと路面と対話しながら運転するような感じです。ポルシェ等の高性能車ならもっと高次元なのかもしれませんが、一般的なファミリーユーズにも応えてくれるクルマとしてはこの性能は突出しています。

Audi

f:id:tohru_quattro-m19:20190530112636j:image

アウディは2009年頃から高いデザイン性が評価され、日本市場での存在感を一気に増した感じがあります。そんなアウディですが、先進的装備の面では各社出し抜かれるほどのモノを持っています。特にライト関係はパイオニア的存在となることが多く、B8型A4で採用されたウィングポジションLEDは世界各国のメーカーが模倣しました。また、現行A7やA8ではテールライトに有機ELパネルを装備しました。そのうちLEDが時代遅れになるのかもしれません。

f:id:tohru_quattro-m19:20190530113136j:image

そして特筆すべきは乗り心地の柔らかさです。メルセデスについての記述にもありますが、ジャーマン3の中で一番乗り心地が柔らかい車両が多いのです。なんせ揺れません。シートもどちらかというと柔らかめで、個人的には長距離長時間乗車よりも短時間の乗車で実感しやすい快適性です。事実、以前A4に乗っていたおばも「短距離ならアウディ、長距離ならBMWがいい」と言っていました。とにかく柔らかい乗り心地をお好みの方にはアウディがおススメです。

また、この傾向はドライビングフィールにも現れています。ステアリングはかなり軽いですし、インフォメーションは薄く、全体的にドライバーとクルマの間に乖離があるような感覚があります。運転の楽しさよりも、「特に何も考えずにラクに移動したい」ということに重点を置く作りのようです。

 

以上、ジャーマン3の全体像と各社のキャラクターを記述してみました。もちろん全てのモデルが該当するわけではありません。しかし、ジャーマン3のどれかを検討しているような方にとって、少しでも参考になれば幸いです!!

 

【速報】ハリアー 試乗インプレ

先日紹介したMAZDA3に関する記事がたくさんの方にご覧いただけているようです。アクセス数が格段に増えたことからMAZDA3の注目度の高さを思い知るとともに、たくさんの方にご覧いただけていることをありがたく思っています。この場を借りて御礼申し上げます。

今回はTOYOTAハリアーについて紹介したいと思います。これは以前紹介したAudi A4アバントに代わっておじ夫婦が迎え入れた車両で、まもなく納車から1年を迎えます。長期インプレとしてご覧いただければと思います!!

f:id:tohru_quattro-m19:20190528200558j:image

真ん中に写っている車両がおじ夫婦のハリアーです。

ハリアー PREMIUMというグレードで、搭載エンジンは直列4気筒2.0ℓNAエンジン、本革OPを装備しています。今回も長期インプレにもかかわらず拾い画像が大部分を占めていますが、ご容赦ください(^◇^;)

 

〜インテリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20190528203020j:image

ハリアーは初代の頃から「高級感」を大事にしていたクルマでしょう。初代と2代目は我が家で乗っていた期間がありますから、なおさら実感としてその感覚が残っています。

現行のハリアーでも、そのインテリアにおける優位性は見て取れます。特にインテリアデザインは全体的に上手くまとめられており、その中でもカラーバリエーション等の面で他に優位性を持っているといっていいでしょう。以下に画像でも紹介しますが、国産SUVとしては洒落たインテリアカラーが用意されていると思います。

しかし、個人的には質感の面には疑問符が浮かんできます。なんと言いますか…実際に触れてみるとチープな印象があるように思います。これはもったいないと思っています。

f:id:tohru_quattro-m19:20190528203622j:image

デザインは上手くまとまっているのに、この目で見て触れてみると少し残念な印象になってしまいます。特に感じたのがダッシュボードに使用されているレザー(人工皮革?)と、インパネとステアリング等に配置されているウッドパネルです。画像で見るとよく見えますが、実際に見てみると予想よりも安っぽく見えました。もちろん全体的にあまりにチープなどと言うことはありません。しかし、この辺りの質感が高ければ、より高い満足感を得られるのではないでしょうか。

また、画像がありませんが、後席周りにも不満があります。長距離の乗車をしたことがありますが、後席は前席と比較して疲労感が強いです。シートバックの角度調整が出来たりと機能性は高いものの、全体的にフラットなシートのためサポート性が低く、特にワインディングでは身体が左右に揺られます。

f:id:tohru_quattro-m19:20190528204345j:image

さらに言うと、後席の足元スペースの狭さにもガッカリしました。車体がそこまで大きいわけではないので仕方のない部分もありますが、想像以上に狭いです。BMWの現行X1の方が広いですし、先代ハリアーの方が広かったように記憶しています。ハリアーは快適性を売りにしている車両ですので、後席スペースに関しては要改善と感じます。

また、インテリアの全体的な「取って付けた感」が払拭されれば、さらに商品価値をあげられるのではないでしょうか。

 

 

〜エクステリア〜

f:id:tohru_quattro-m19:20190529185020j:image

エクステリアは先代までとは印象が打って変わり、スタイリッシュなアーバンSUVという感じに仕上がっています。初代と先代はシルエットもごろんとしていて、全体的に丸いイメージがありましたが、現行型はどこをとってもシャープな感じが強いデザインです。これはデザインの流行りの影響もありますが、ハリアーが歩んできて歴史にも原因があるのかもしれません。

1990年代後半に登場したハリアーは2代目で大ヒットを記録しました。この大ヒットは海外にも波及し、北米等の海外市場では「レクサス RX」として販売されていたハリアーは国内外で猛烈なブームを起こしたわけです。それから時が経過し、日本国内にもレクサスブランドが展開されることが決まり、セルシオがLSになりアリストがGSになったわけです。しかし、国内市場でも好調な売れ行きを誇っていたハリアーがレクサスに完全移行することにトヨタトヨペット)が反対し、ハリアーだけはRXと併売されることになったのです。

f:id:tohru_quattro-m19:20190529190946j:image

その後2103年に現行型へとバトンタッチしますが、その間にも空白の数ヶ月があり、実質的には2代目までのハリアーの跡を継いだのはやはりレクサス RXであり、現行ハリアーは新たな車種として生み出されたというような色合いが強いのです。ハリアーの名を残したのは、その高いネームバリューからでしょう。

ハリアーの歴史への言及が長引きしたが、この歴史はエクステリアにも如実に現れています。上に2代目ハリアーの画像がありますが、印象がだいぶ違いますよね。現行ハリアーはシャープなデザインを手に入れて、若返りを果たしたと言えます。実際のところ、20代のオーナーさんが乗る姿もよく見かけますし、後輩でも1人、20歳で現行ハリアーを選んだ大学生がいます。オーナーの年齢層は確実に下がっていることでしょう。

f:id:tohru_quattro-m19:20190529191830j:image

リアもやはりエッジを効かせたデザインで、若々しさを感じます。個人的には「ハリアー=丸っこい」というイメージが先行してしまうため、慣れるのに時間がかかりました。しかし、これだけたくさん街中で見かければ慣れもします(笑)

全体的なデザインの印象としては、最近のトヨタの中ではまとまりのあるデザインだと思っています。CH−Rとかシエンタとか攻めたデザインの車両も多いですが、ハリアーは奇をてらった感じがありません。価格帯的にも(残価設定ローンを含む支払い金額を考慮して)そこまでハイクラスのクルマではありませんので、受け入れられすいデザインは売り上げに大きく貢献していると思います。

f:id:tohru_quattro-m19:20190529194438j:image

気になる点を挙げると、昼間の走行時に大きな役割を果たすDRL(デイライト)があります。これは明るい時間帯の走行の際に他者からの視認性を上げることで安全性を向上させるという作用があります。しかし、現行ハリアー(後期モデル)のDRLはその配置が個人的にいいとは思えません。上の画像に赤くマークしてある部分、計6カ所に搭載されていますが、その輝度が高いこともあり、なんだか「うるさい」です(笑)少なくとも一番下に配置されているライトは不要なのではないでしょうか。

これまでのハリアーにはないテイストを取り入れた現行型も、そう遠くないうちにFMCされておかしくない時期にさしかかっています。次期型のデザインが楽しみでもあります。

 

 

〜ドライビング〜

f:id:tohru_quattro-m19:20190529195119j:image

今回の記事で紹介する車両を再度確認しますと、搭載エンジンは直列4気筒2.0ℓNAエンジンで、トランスミッションCVTです。先代クラウンアスリートと同じ2.0ℓターボエンジンや、2.5ℓハイブリッドエンジンも用意されていますので、ベースグレードのエンジンということになります。

この2.0ℓNAエンジン、正直言ってとっても非力です。ボディサイズに対して全く足りていません。めちゃめちゃ重く感じますし、もーっさりしてます(笑)街中をゆったり流すための車両であり、これまでのハリアーもボトムのエンジンはこんな感じでしたので、これはこれでいいのかもしれませんが…個人的には加速しなすぎてイライラします。

しかし!!この点に関しては救いもあります。ドライビングモードをスポーツに設定すれば多少改善されます。山の登りでもどうにか流れに乗って登っていけるくらいのパワーが出てきます。知り合いの中には常時スポーツモードで走行している人もいるくらいです(笑)

f:id:tohru_quattro-m19:20190529195915j:image

コーナリングに関してはいい意味で裏切られました。案外ロールが少なく、軽やかにスパっと曲がります。あくまでも国産SUV基準での話ですが、思いのほかしっかりと曲がってくれますので、最初はかなりびっくりしました。先入観で見くびりすぎていました(笑)

もちろん飛ばすクルマではないでしょうが、これならターボモデルやハイブリッドモデルに乗ってみたくなりました。

ちなみに燃費はいいとは言えません。平均で9.5〜10.5km/ℓです。これまで2.0ℓターボのA4に乗っていたので、そのパワー差からアクセルを踏みすぎているという側面もありますが、やはり現代で10km/ℓ前後というのは…個人的には厳しい数字です。。。

 

 

〜総評〜

現行ハリアーは昨今のSUVブームに上手く乗った車両です。かつて初代・先代ハリアーが築いたSUVブームの流れを失わずにこれまで好調を保ってきたわけです。デザインはなかなかいいですし、乗り心地はやはり良好です。

クルマ離れが叫ばれる現代ですが、ドライビングや走行性能に興味はないけどかっこいいクルマに乗りたい、そんな層に対して強い訴求力を持った車両なのではないでしょうか。

 

インテリア    :★★★☆☆

エクステリア:★★★☆☆

ドライビング:★★☆☆☆

実用性           :★★★☆☆

コスパ           :★★★☆☆

総合評価        :2.8点/5点満点