りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【速報】BMW 318i 試乗インプレ

久々の、本当に久々の更新となりました。

今回のインプレッションは318i Msportです。

母が我が家の320dを擦ってしまい、板金整備のためディーラーに出すことになりました。そこで代車として提供していただいたのが今回の車両です。

現行のG20型3シリーズは発売当初の先行内覧会でもインプレッションを掲載しましたが、今回は2週間に及ぶ長期インプレッションであり、さらに4気筒化された318iであることから、改めて記事にすることにしました。

また、2019年の登場からこれまでの間に相当なブラッシュアップが入っているようで、その乗り味は大きく変貌していました。G20の真価を改めて評価し直すべきだと痛感するほどの進化を、拙い文章ではありますが感じていただければ幸いです。

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インテリア・エクステリアについては、先行内覧会の段階から大きな変更はないため、項目として取り上げるのは控えさせていただきます。その分、強い感銘を受けたドライビングインプレッションを詳細に記述致します!!

 

〜ドライビング〜

今回の代車提供の2週間、街乗りはもちろん高速道路やワインディングに至るまで、あらゆるシーンを試しました。そこで今回は先に挙げた①街乗り ②高速道路 ③ワインディングの3つのシーン別で、それぞれのインプレッションを紹介することにします。

 

まずは今回の車両の詳細な紹介からです。

車両は318i Msportです。

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エンジンは直列4気筒 2.0ℓターボエンジンで、320iのデチューン版です。

Msportモデルですので専用のサスペンションと18インチアルミホイールが奢られています。

先代の318iは直列3気筒1.5ℓターボエンジンでしたが、今回のG20では打って変わって4気筒となりました。その選択はどのような結果を生み出したのでしょうか。

 

①街乗りシーン

家の駐車場を出てまず第一に感じたのは、Msportモデルの性、乗り心地の硬さです。18インチのホイールに扁平率の高いタイヤを組み合わせているため、これについては致し方ないところでしょう。正確に言えば、私も家族も不快感は感じなかったものの、おそらく一般的な感覚では硬さを感じると思います。

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ちなみにタイヤサイズは前後ともに225/45 18です。後述しますが、ワインディングでの圧倒的な性能を実現するにはこの硬さは必要不可欠なのではと感じました。確かに硬さは感じますが、あのワインディングでの感覚を体験してしまうと納得できる感覚です。

ちなみに私個人の感覚としては、コツコツとした小さな入力もしっかり伝えてくるものの、カドは取れた入力であり、しなやかな乗り味といった感想です。

また、パワー感は街乗りでは全く問題ありませんでした。320iのデチューン版ということで、若干の不安はありましたが、これは街乗りシーンでは裏切られました。ハイトルクなディーゼルモデルの感覚に慣れている我が家ですが、不足は一切感じません。

もっと言えば、軽快感さえ覚えました。ディーゼルとは違い、軽く吹き上がり回転数からパワーを上げてくる感覚がそのような軽快感の一助となっているのかもしれません。また、低速域のトルクに大きく振ったセッティングのようで、街乗りでの低速域での加速はストレスフリーでした。

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そして何より驚いたのが交差点での右左折です。いつもの感覚でステアリングを操作すると、思った以上に早いタイミングで、思った以上に切り込んでいきます。軽く、スパッとノーズが切り込んでいきます。

ステアリング操作の後、ロールを伴うことなくいきなり向きが変わるようなイメージです。

普通ならステアリング操作→ローリング→方向転換という段階を踏んでコーナリングを行いますが、これは違います。ロールを伴わない分さらに鼻先の軽さが強調されており、その感覚は慣れるまで違和感を伴う程です。とにかくよく曲がって、感動しました。

ちなみに違和感についてもあっという間に慣れますので、ご心配には及ばないかと思います。

 

 

②高速道路シーン

今回の代車提供期間には高速道路もそこそこ走りました。関越道と圏央道がメインです。

まず最初に触れておくべきは、高速道路でのパワー感でしょう。正直なところ、力強さは感じられませんでした。先述の通り、低速域に特化したセッティングなのでしょう。80km/hを超えたあたりからのパワー感が落ち込み、もう一息欲しいと感じてしまうのが実情です。

高速道路での移動が多い方は320i以上の検討を強くお勧めします。

とは言ってももちろん走行上あまりに大きな不足を伴うというレベルではありません。高速道路の使用頻度が少なく、乗っても中央車線で流れに乗る程度という方にはこれでも問題ないと思います。

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我が家のF30との差を大きく感じた部分は、高速巡航中の騒音の小ささです。

残念ながら我が家の320dは個体差が悪い方向に出ているようで風切音が特に大きく、直接比較するには適さないかもしれません。

しかし、このG20は単体として見ても風切音がかなり低減されています。またロードノイズの侵入も少なく、非常に快適なドライブが可能でした。新たに標準装備となったアコスティックガラスなる遮音性の高いガラスの巧妙なのかもしれません。ちなみにこの装備はフロントスクリーンのみ標準装備で、サイドウィンドウへの装備はメーカーOPとなります。OP選択率は相当低いものかと思いますが、もしかするとかなり恩恵の大きなOPなのかもしれません。

 

 

③ワインディングシーン

今回の2週間に渡る長期インプレッションで全てを差し置いて最も印象深かったのがワインディングでのフィーリングです。

ここまでの長々としたインプレッションを全て読んでいただいた方には想像がつくかも知れませんが、ワインディングでのフィールは最高の一言に尽きます。

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ワインディングでのパワー感は非常に良好です。高速道路で感じられた不足は一切顔を見せず、街乗りシーンでの軽やかな加速感が楽しませてくれます。また、ガソリンエンジンの軽やかな回転は積極的に8速トルコンATを操作する気分にさせてくれます。これがまた気持ちいいですね。トルクに任せるディーゼルエンジンにも良さはありますが、やはり回転数を上下させて走るガソリンエンジンの楽しさはたまりません。

 

また、何よりも圧倒的に好感を抱いたのはコーナリングとステアリングフィールです。

街乗りでは硬く感じられた脚周りですが、やはりワインディングではしっかりと活きてきます。このシーンでは正しく「しなやかな動き」を見せてくれます。

かなり強くコーナリングGがかかった状態でもロール角が大きくなりすぎることはなく、涼しい顔をしてコーナーを抜けていきます。また、コーナリング中に路面からの大きな入力にも強く、安定感を失うことなく路面を掴んだまま離しません。とにかくグリップが高く、ハーフウェット路面でさえも全く恐怖なく走れました。

また、ここまでハイグリップを強調していますが、グリップが高いことは非常にわかりやすいものの、粘り気の強さは全面的には感じられず、むしろ軽やかな印象です。

また、FRならではのアクセルコントロールで曲がる感覚が色濃く出ており、とにかく走りたくなるクルマです。

余りに快適で楽しい走りで、自宅近くのワインディングを何度も走りに行ったほどです。

しかも、次第に速度が上がってきてしまいます…。理性が非常に重要です。

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ちなみに、ここまでの感動的なフィーリングは先行内覧会での試乗では感じられませんでした。確かに試乗でのワインディングは距離も短く、ここまで堪能し切れたわけではありません。しかし、これは明らかに2019年の登場当初よりも大きく進化していると思います。

特に粘りと軽やかさのバランスはここまでのものではなかったはずです。BMWにおいては年次改良の大きさは有名なほどですが、今回の改良はかなりのものです。マイナーチェンジすら入っていないにも関わらず、ここまでのブラッシュアップは驚きました。素晴らしいです。

 

〜総括〜

このクルマ、おそらく初めてBMWを手にする方には訴求力があまり大きくないのではと思います。

高速道路でまっすぐ飛ばすにもあまり向いていないですし、318iという名前も多少物足りなさを感じさせるかもしれません。でも、とっても魅力的な一台です。

コーナリングを純粋に楽しめます。パワーを使い切り、しっかりとアプローチを考えてワインディングを駆け抜ける楽しさがあります。確かに圧倒的なパワーはありませんが、街乗りとワインディングでは必要にして十分な力を出してくれます。

何台かBMWを乗り継いで、もう高速に乗る機会も減って、そこまでのパワーは求めない。でもBMWを選んだからにはドライビングプレジャーを大切にしたい。そんなオーナーにはピッタリの一台だと思います。

 

代車としてこんな素晴らしいクルマを提供してくれた担当Nさんには本当に感謝です!!