【回顧】F20 118d 試乗インプレ
2016年6月上旬の休日、親がお世話になっているBMWディーラーに行ってきました。用件は"母親が車のインパネ周りからガタつき音が発生していると言っている"ということで、その現象再現と防止策の施工でした。
昼前にディーラーに到着してキーを預けたあと、担当のNさんから"新登場の118dの試乗車がさっそく入っていますのでぜひ"と言っていただき試乗させていただきました。
試乗車は118d sportです。
エンジンは親の320dと同型の直列4気筒2.0ℓディーゼルターボエンジンです。
~エクステリア〜
ディーゼルモデルですがガソリンモデルとの外観の差はほぼありません。Cセグメント唯一のFRモデルとして、Cセグメント内では異例のロングノーズを持つデザインです。LCIモデルへのMCを経て、フロント・リア共に、特にライト周りにおいて小変更がなされました。具体的に言えば、より横長なデザインが採用され、可愛らしい印象は払拭されています。
このMCでのデザイン変更は好みが分かれるトコロかもしれませんが、個人的にはLCIモデルのデザインの方が好みです(・∀・)
ただアウディA3やメルセデスAクラスはおろか、VWゴルフにも、デザインのシャープさにおいては後塵を拝しているという感があります。3シリーズ以上のモデルはエッジの効いたデザインを採用する傾向になっていますので、1シリーズでもその傾向が採用されると、個人的には理想的です(^◇^;)
〜インテリア〜
インテリアは車格を考えると十分のデキだと感じています。質感の面ではライバル勢に部が悪いかもしれませんが、デザインはF30 3シリーズの流れを汲んでおり、Cセグメントにおいて高いデザイン性を持っていると言えるでしょう。ドライバーオリエンテッドなそのコックピットは、走りの気分を上げてくれます(笑)
試乗したスポーツというグレードは、スタイル系統とは違い、Mスポほど振り切ったスポーツ感もありません。この点はあまり好みではありません(^^;; 色々と中途半端な気がするのです。
ステアリングもシートも割と一般的なものですし、その材質等もビミョー…
スタイルやMスポを選択しても120i以上でなければパワーシートなど装備は抑制されますが、それでも主張の強いインテリアデザインを手にれられるという点でベターな選択だと思っています。
車種というよりもグレードに対する評価になってしまいましたが、3シリーズでもスポーツLineが廃止されたように、1シリーズでも整理される時が来るような気がしています。
~ドライビング~
さていつもの試乗コースに出ます。
最初は街中の細い路地を走りますがここでのハンドリングはF30前期320d Luxと比べると軽めです。コンフォートモードでしたがすいすいと曲がり角をクリアします。
エンジン音は…親のクルマに慣れてしまっているせいかもしれませんがあまり気にはなりません笑まぁ自分のF56ミニクーパーSに比べればカラカラ音はしますが、ディーゼルとしてはマツダほどでないにしても標準より静かなくらいではないでしょうか。
路地を抜けて広い2車線道路に出てアクセルを踏み込みます。路地から2車線道路に侵入する際に交通量が多かったため、走行車線のクルマの間隔が少し空いたところに入り込もうと勢いをつけて左折しました。一時停止から直角左折での侵入です。すると一瞬のスキール音!!交差点の路面が斜めに傾いているのも要因の一つかとは思いますが、発進時のパワー感の良さに驚きました。まぁ親の320dより軽い車体に同じエンジンですからそう驚くことでもないのかもしれませんが…笑
ちなみにスキール音がしたからといって安定感を失った訳ではありませんよ♪すぐさま電子姿勢制御が介入して何ごともなかったかのように合流しました。
直線路を少し走った後、信号からのゼロスタートを試します。
Eco Pro、Comfort、Sport、Sport+と4つあるうちのスポーツにドライブモードを設定します。青信号に変わって最初はトラクションを確実にするべくそろっと踏み始め、そこからベタ踏みへ…スタートはディーゼルらしさの無い軽い発進なのですが中高速域が伸びません笑
320dより軽いということでかなりの伸びを期待したのですが少しだけガッカリ笑もちろん通常のシーンでは十分のパワーなのですが…
このパワーに関してあとからセールスの方に聞いたところ"320dと同じ形式のエンジンではあるものの、同じパワーの出方にするとボディの軽さからピーキーになりすぎてしまう。そこで出力特性を変更してマイルドに走りやすく仕上げているようだ。"とのことでした笑
個人的にはコンパクトでより走りやすい1シリーズだからこそパワー感があってもいいのではと思ったのですが、夫婦兼用などの場合の扱いやすさなどを考えると賢明な判断なのかもしれませんね(^◇^;)
さてここまであまりいい言い方をして来ませんでしたが、ここからワインディングゾーンへと進んでいきます。
スポーツモードでコーナーに中速域でアプローチして行くとボディの軽さを活かしてひらひらとクリアしていきます。とくに感じたのは鼻先の軽さ、ディーゼルエンジンの重量を感じさせないノーズインのクイックさには驚かされました!!
それからまぁこれもF20後期型ガソリンモデルと変わらないポイントだと思うのですが脚がいいですね。高いコーナリング性能を支えつつも、固く突っ張るだけではない。高級車の脚回りとまでは言えませんが、乗り心地とコーナリング性能をうまく両立しているのではないかと思います。
余談ですが街中での乗り心地、とくに段差を乗り越えた際の振動のいなし方などは現行ボルボのV40よりも上手く、快適な乗り心地を実現しているのではないでしょうか(^^)
ちなみにV40との相違点といえばディーゼルエンジン特有のカラカラ音も注目です。短期間のうちに乗り比べてみたところやはり118dのエンジン音は静かなようです。V40に比べるととくに時速60キロ程度までの加速時に騒音レベルがかなり低いように感じました。
これは重要なポイントでしょう(・∀・)
~総評~
色々と言ってきましたが、自分で買うかどうかと言われると…おそらくナシですね笑
もちろん実質燃費リッター18キロ程度を期待できる燃費性能や高次元のバランスを保った性能など魅力的ではあります!!
しかし。。面白みに欠ける気が(^◇^;)
V40 D4に比べると薄くもりもり感のないトルク感、軽くひらひらとはしているものの安定感の欠けるロードホールディング性能、これぞ!という魅力が感じられないのです。
BMWの魅力である高回転までの伸びの良さが失われるのもディーゼルなら仕方ないとは思いますが、それならばもりもりのトルク感が欲しかった…
もちろん悪いクルマではないんです!!
価格的にもガソリン車との差額は20万円程度ですし装備も割と充実しているのですが…他のBMWモデルをよく知っている人が手にするほどの魅力は見つけ出せませんでした(^^;;
インテリア :★★★☆☆
エクステリア:★★★☆☆
ドライビング:★★★★☆
実用性 :★★★☆☆
コスパ :★★★☆☆
総合評価点 :3.2点/5点満点