りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【番外】トヨタ・スープラ・入社式とその考察

豊田社長がスープラのエンジンを吹かすという演出を行ったトヨタ自動車の入社式が話題になりましたね。YouTubetwitter等でもある程度知名度のある方が、この件に関して意見を発信し、バズっていました。

この件に関して、私もイチ車好きとして考察してみようと思い、この記事を書くことにしました。

ちなみに私はトヨタ信者ではありません。正直にいえば好きなトヨタ車は非常に少ないです。

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このYouTubetwitterで発信した内容をご存知の方は多くいらっしゃるかと思いますが、考察のためにも以下にその内容を要約してみます。

twitter

トヨタ自動車の豊田社長が、入社式会場に持ち込んだスープラのエンジンを掛けて吹かすという演出をした。密閉空間でエンジンを吹かすというのは健康上よろしくない。新入社員にそのような歓迎をするトヨタ自動車は時代錯誤な考えの会社だから、はやめに転職を考えたほうがいい。」

YouTube

「現在の自動車業界には、全体的に電動化の波が来ている。アメリカではTeslaが非常に普及しているし、これは社会と世界の流れとして間違いない。しかし、トヨタ自動車は未だにスープラのエンジン音をひけらかして喜んでいる。そんな経営陣は時代錯誤で無能だ。かつてフォルクスワーゲンが窮地に立たされたように、このままではトヨタ自動車も長期的視点では非常に不安がある。現経営陣は退陣すべきだ。」

このように要約して問題ないかと思います。もしも発信者様の意図と大きく異なる点があれば、申し訳ありません。

 

 

トヨタの入社式について〜

上に挙げた発言内容について、いくつかの項目に分けて考察していきます。まずはトヨタ自動車の入社式での出来事についてです。

これに関してはtwitter場でも様々な意見が交わされた模様ですね。クルマが大好きな私個人としては、この演出は粋なモノだと感じました。他社ではまず行われないことでしょうし、クルマを五感で感じるということは、クルマの魅力を深く知るために大切なことだと思っているからです。

しかし、トヨタ自動車という世界的大企業の動きとして考えると、非常識との指摘を受けても仕方がないと思います。なぜならこの演出は不可欠なものではなかった上に、このような批判を受ける可能性が十分に予測できたからです。情報過多とも言われる現代において、大きな流れとなりかねない批判を予め回避する策を取る必要が企業にはあるのではないでしょうか。それは会社自身のためであり、世界的大企業であればなおさらのことでしょう。

 

 

〜今後の自動車業界について〜

次に、これからの自動車業界を電気自動車が席巻するということ、そして、エンジンを積む自動車はどうなるのかという点について考察します。


◯電気自動車が席巻するのか?

この点に関しては、大まかにはそのような流れになっていくと思います。クルマ好きとしてはどこか寂しい気もしますが、仕方のないことです。限りある資源であるガソリンや軽油を燃やし、地球温暖化につながる二酸化炭素を排出して走るという仕組みが、前時代的なものになるのは時間の問題でしょう。

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しかし、この流れが本当に地球環境に対しての貢献になるようにするためには、いくつか乗り越えなければならない壁があるのも事実です。件の発信者様も触れていましたが、まずは「電気自動車に供給する電力の多くが火力発電によって生み出されている」という事実に端を発します。火力発電を用いて発電しているということは、その電気が発生する段階で化石燃料が使用されているということに他なりません。エンジンがガソリン等の燃料からパワーを発生させる効率と、火力発電の発電効率の比較は難しいところがありますが、火力発電の効率を上げるに越したことはありません。それに加えて、発電方法の主流を火力発電からその他の方法へとシフトしなければ根本的な問題解決は図れません。

また、この議論よりもさらに問題となるのが、電気自動車の生産段階における環境へのダメージです。電気自動車にはエンジンやトランスミッションが搭載されていません(多くの場合)が、そのかわりにモーターやバッテリーが積まれています。特に大容量で耐久性の高いバッテリーは開発が難しく、大きな課題の一つです。そしてこのバッテリーの生産には多くの電力に加えてレアメタル等の素材も必要になります。レアメタルは掘削に非常に大きなエネルギーを必要とし、その段階で多量の化石燃料や電力を必要とするのです。レアメタルの再利用技術も進んでいますが、それでも足りない分(多くの分量)を新たに掘削・抽出する必要があることに変わりはないのです。

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このように(上記内容でも完全に不十分ではありますが)電気自動車がもたらす環境への影響(プラス面マイナス面双方)は、開発・生産段階から考えなくてはならない、非常に複雑な問題なのです。「石油関係の利権を持つ者の発言に惑わされるな」といった主張もありましたが、それを抜きにしても簡単に比較できるものではないのです。事実、私自身もこの記事を書くにあたってその問題の複雑さと自分の知識不足を痛感しました。

内燃機関自動車と電気自動車の比較にここで答えを出すことはできませんが、ある程度知名度と注目度のある方であるからこそ、今回の発言にはエビデンス不足を感じています。


○エンジン搭載車のこれから

おそらくこれから電気自動車の割合は格段に高くなる、これは上述の通りの見立てを持っています。ではガソリン車等の内燃機関車は消滅するのでしょうか?

私は消滅することはないと思っています。なぜならそこに「ガソリン車を愛する人たちがいるから」です。クルマ離れが叫ばれるこの時代においても、一定数のクルマ好きが存在するのは確かです。そしてそのうちのさらに一定数はエンジン音が好きであったり、エンジンの回転フィールを楽しんでいます。世の中にニーズがある以上、ビジネスの世界でこれが完全に見捨てられることはそう簡単にはないはずです。

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しかし、多くの国家で規制がかけられるのも事実です。それではどのようなカタチで生き残るのか?それは「高級趣向品」としての道だと思います。つまり、多額のお金を払ってでも手に入れたい人だけが購入できる、高級品になるということです。ポルシェやフェラーリランボルギーニ等をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。上に挙げた3社も環境性能向上に取り組んではいますが、おそらく純然たるスポーツカーも長期に渡って生き残るように計らうはずうです。

内燃機関車が圧倒的少数になれば環境への悪影響は抑えられますし、国はそこから多額の税収を上げる制度を作ることもできます。そしてそのメーカーも利益を上げることが出来る、おそらく問題の少ないサイクルが出来上がるのではないでしょうか。

 


〜なぜトヨタが件の演出を行ったか〜

ではなぜトヨタスープラのエンジンを室内で吹かすような行動に出たのでしょう。それは、トヨタが上記のような「高級趣向品であるスポーツカー」を生産し続ける意志があるからなのではないでしょうか?いや、もしかするとそれらを主力とするメーカーへの転身(もしくはブランドの立ち上げ)が視野に入っている可能性も完全否定はできません。

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最近のTVCMで豊田社長も競走馬の例を用いて話をしていますが、クルマ好きの1人である豊田社長は、スポーツカーを自社のラインナップから消し去りたくないのだと思います。公私混同との声もあるでしょう。しかし、好きなことで大成した経営者はたくさんいます。好きなことだからこそ出来ることもあります。

私は決してトヨタ信者ではありませんが、そんな姿勢が本当にトヨタ内部にあるとすれば歓迎すべきものだと思います。

また、電気自動車への移行についても熟考のうえでその可否を決めてほしいというのが個人的な意見です。

【番外】ターボってなに?

前回の記事で、馬力とトルクと回転数の関係性についてカンタンに紹介しました。そのなかで割愛したターボ(ダウンサイジングターボを含む)について紹介したいと思います!!

 

〜エンジンの原理〜

ターボの説明のために、まずはエンジンの仕組みについて説明します。

エンジンが動力を発生させる仕組みは、シリンダーと呼ばれる筒の中にガソリンと空気を入れて、その混合気を爆発させて得たエネルギーを動力に変えるというものです。

つまり、燃料として給油するガソリンの他に、空気が重要なファクターになるわけです。

この上の一文がターボの理解にとって大事な部分になります!!

 

 

〜ターボってなに?〜

ターボというのはざっくり説明すると、エンジンのパワーを増大させる装置です。ここで着目されるのが先ほど登場した「空気」です。

カンタンに言えばターボの仕組みは、扇風機の羽のようなモノを用いてシリンダー内によりたくさんの空気を送り込むことで爆発力を大きくするというものです。

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厳密に言えばターボにもたくさんの種類がありますし、こんなカンタンなものではありませんが、端的にイメージを掴むならこんな感じです。シリンダーに取り込む(これを吸気と言います)空気をより多くするということです。

ちなみに空気を取り込む(吸気)際にターボに頼らないことから、ターボ非装着エンジンのことを「自然吸気エンジン」と言います。また、ターボは空気をより多く供給することから「過給機」と呼ばれます。(過給機にはターボ以外にもスーパーチャージャーがあります)

 

一応さらに解説すると、過給をかける扇風機の羽を回す動力として排気が利用されています。排気の勢いで羽が回り、そのおかげでシリンダー内に入る空気が多くなるとうことです。つまり、エンジンをより強く動かして(回転数を上げて)いくにつれて、羽がよく回ることになり、過給が強くなるということになります。

 

 

〜ターボの歴史と特徴〜

ターボは元来、航空機用エンジンに多用されていました。大戦時に航空機開発が世界的に熾烈になり、続々と世に出されたわけです。ちなみにその目的は、航空機が上昇して気圧が下がった際に、空気が薄い環境でもエンジン出力を維持するためというものでした。

ここからクルマのターボの歴史を「昔」と「最近」の2つにザックリ区分して解説します。

○昔のターボ

上記の通り、ターボは回転数が上がるほどよく働きます。昔のターボではこの傾向が非常に強かったのです。「どっかんターボ」なんて呼ばれました。ポルシェやBMW等がこぞって高性能車に採用していました。

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※どっかんターボ搭載のBMW2002ターボです。

しかし、これには問題もありました。それは、回転数を上げないとターボがかからないということです。つまり、速く走るためには回転数が高い状態を維持しなければならず、運転にテクニックが要求されるのです。しかも回転数が上昇した時に突然過給が始まるので、ある回転域から急激にパワーが増大されて、加速にクセが出てしまうとい問題もはらんでいたのです。

それでもこのターボは自動車業界では大流行し、1970年代からバブルの時代まで多用されました。

 

○最近のターボ

最近、特に2010年過ぎ頃からターボは大きな変革の時を迎えます。ダウンサイジングターボの登場です。これは、排気量を小さくしてターボを装着することで、小排気量故の低燃費と小排気量では叶わないパワーを両立するという発想から生まれました。つまりハイパワーを極めるためのターボではなく、バランスのいいエンジンを目指しているわけです。

これまで2.5〜3.5ℓエンジンを積んでいた車両のエンジンも2.ℓターボに取って代わられています。

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※先代クラウンも後期型から2.0ℓターボを搭載していました。

ターボであるが故、エンジンレスポンスが悪化したりサウンドが良くなくなったりと弊害はありますが、全体的に改善が進んでおり、非常に評価のいいエンジンが続出しています。

 

このようにターボはこれまでの歴史から見ると、ここ数年で、その存在意義を大きく変えてきています。もちろん元来の「パワーをひねり出すためのターボ」も未だ存在します。しかし、スポーツカー専門メーカーでさえ環境性能を無視できない今日この頃。これからのターボの躍進と、モビリティ社会への貢献を楽しみにしたいところです!!

【番外】馬力とトルクと回転数 とは?

本日は休日で時間が非常に潤沢にあります。

そこで馬力とトルクと回転数について、「例え話」を用いてわかりやすく解説したいと思います!笑これは私が中学生の時に理解に苦しんだ3点だからです。(笑)

この3項目はクルマの記事を読んでいると頻繁に出てくるポイントですよね。でもわかりやすい解説を見つけることができず、中学時代の私は苦しんだのです(^◇^;)

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※BMW523i(F10)のトルク曲線です。

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〜馬力・トルク・回転数の関係〜

まずはそれぞれの要素をカンタンに解説します。

○馬力

馬力というのは一般的にクルマのパワーを表す項目として目にする機会の多いものです。要するに、馬力表示の大きいクルマの方がパワフルだ ということになります。ちなみに馬力というのは以下の公式で算出される数値です。

馬力=トルク×回転数 (この式の積の最大値)

トルクと回転数に関しては以下で説明しますので、以下項目を読んだ後に再度読み直すと分かりやすいかもしれません!!

 

○トルク

トルクとは、端的に言えば、エンジンがタイヤを回転させる時に、タイヤを回すチカラの大きさのことを言います。どれだけ力強くタイヤを回しているかということです。

トルク=タイヤを回す時にかかるチカラの大きさ

 

○回転数

回転数とはエンジンが1分間に何回転するか?という数値です。

エンジン自体が回転するわけではもちろんありませんが、エンジンが作り出した回転が1分間に何回転になっているかとうことなのです。

回転数=エンジンが作り出す回転が1分間に何回転か

 

 

 

〜トルクと回転数、もっとわかりやすく〜

上にカンタンな解説を記載しましたが、これもそこまでわかりやすいとは言えません。それにここまではネットで検索すればどこでも見つけられる内容です…

そこでここから例え話を用いて解説しようと思います。皆さん陸上の短距離種目などの話で「ストライド 」と「回転数」という項目を聞いたことがありますでしょうか?

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ストライド というのは、走る際に踏み出す一歩の大きさ。(画像の赤線の長さです)

回転数というのは、歩を繰り出すペースのこと。ということです。

この関係、トルクと回転数にそっくりなのです(・∀・)

つまり、以下のように要約できます。

○エンジントルク ≒ 走る際のストライド

○エンジンの回転数 ≒ 走る際の脚の回転数

ストライド が大きく、脚の回転数が高いほど、走る速度は上がります。それと同じようにエンジンのトルクが大きく、回転数が高いほど、速度は高くなるということなのです。

 

どうでしょうか?少し理解しやすくなったでしょうか?笑

 

 

〜トルクと回転数がもたらす走りの傾向について〜

それでは次に、トルクと回転数が走りにもたらす影響について、派生的に説明します。

最近はトルクと回転数の双方を高い次元で両立したエンジンが主流として登場しています。しかし、それでもエンジンというのはトルクを重視した「トルク型」と、回転数の上がり方を重視した「回転数型」に分類されます。そこで、それぞれのエンジンの特徴について説明します。

 

○トルク型エンジン

トルクというのは基本的に回転数が上昇するにつれて大きくなる傾向にあります。(ある程度以上まで回転数が上昇するとトルクは下降し始めます)しかし、このトルク型エンジンでは低回転域から太いトルクが発生します。つまり、回転数を上げなくても(=アクセルを踏み込まなくても)大きいトルクが得られるということです。

その結果、あまりアクセルを踏み込めず回転数を上げられないような街中でも、太いトルクが発生することから、速度コントロールがしやすくなるという恩恵が得られるのです。

ちなみにトルク型エンジンは大排気量エンジンに多く存在します。(ダウンサイジングターボはここでは割愛します)

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例えばこのレクサスLS460。ターボ等過給機の付いていないNAエンジンで4.6ℓの排気量を誇ります。トルクが太く、回転数上昇を待たずに速度をコントロール可能です。

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さらにこのレンジローバーも典型的な例です。様々エンジンラインナップはありますが、5.0ℓエンジンでは強大なトルクでボディを押し進めます。

一般的には走りを楽しむスポーツカーよりも、快適性や実用性の高いモデルに多く搭載されるエンジンとういうわけです。

ちなみに回転数を上げずに済むことは燃費性能の向上にもつながります。

 

○回転数型エンジン

回転数型エンジンはトルクがそこまで太くなく、回転数を上げないとパワーが得られません。つまりアクセルを踏み込んで回転数を上昇させることでチカラを引き出して走るわけです。トルク型エンジンのように扱いやすいとは言えません。ではなんの価値があるのか?それは「ドライビングプレジャー」です。アクセルを踏み込んで回転数を上昇させ、その回転をエンジン音を感じながらクルマを操るのが楽しくてたまらないという方もいます。そんな方にとっては回転数型エンジンのフィーリングはたまらないものがあるわけです。

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例えばこのポルシェ ボクスターは回転数型エンジン搭載車に挙げられます。トルクも小さくはありませんが、回転数を上げることでパワーを引き出す趣の強いクルマです。

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また、マツダ ロードスターもこの傾向の強いエンジンを搭載しています。

このように見てみると、やはり回転数型エンジン搭載車は、走りを楽しむスポーツカーに多い傾向があります。街中での操作性の高さよりも、ワインディング等での走りの楽しさを重視したクルマに多く採用されているわけです。

 

 

〜まとめ〜

トルクが太いと力強いイメージ

回転数型だと軽やかで気持ちいいイメージ

とっても簡潔にまとめるとこんな感じでしょうか!!

 

いかがだったでしょうか?

あまり上手くない文章で、考えもまとまっていなかったかもしれませんが、すこしでも参考になれば幸いです!!

 

【回顧】320i GT(グランツーリスモ)試乗インプレ

今回の記事では、以前代車として貸し出していただいた320i GTについてインプレッションをレポートさせていただきます!!

3シリーズGTは発売当初に前期モデルを試乗したことがあり、320d購入の際にも候補に上がったクルマです。ゆっくりとインプレする機会が得られてラッキーです(・∀・)

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代車としての貸し出しを待機している320i GTです。

320i GT luxuryです!!

 

 

〜インテリア〜

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インテリアデザインはほとんど3シリーズと変わりありません。これまでの3シリーズ伝統のデザインに、他シリーズと共通の操作性に加えてモダンな要素を盛り込んだ内容です。質感の面で不満が残る部分は無くはないでしょうが、これまでのBMWの歴史からすれば十分及第点と言えるでしょう。

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この車両のインテリアにおけるハイライトと言えば後席の広さでしょう。写真がわかりにくいかもしれませんが、その広さはかなりの物です。身長約170cmの私がドライビングポジションをとった状態で、後席には脚を組めるほどの空間が残されます。Nさん曰く後席のレッグスペースは格上の5シリーズを越えて7シリーズに匹敵するとのこと。どれだけのスペースかお分かりになるでしょう!!

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シート自体の質感や硬さ等は普通の3シリーズセダンと大方変わりありません。しかしレッグスペースの広大さは快適性の向上に大きく寄与するはずです。長距離ツアラーとしての大きなポイントになります。

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もうひとつのこの車両の特徴はラゲッジスペースの大きさです。

一見してわかる通り、とにかく広いです。後席のシートバックは 4:2:4 の分割可倒で、全てを開け広げれば広大なスペースがそこに現れます。おそらく日常的な使用のシーンで困ることはないでしょう。キャンプ道具やスキースノボのウェアを積んだりする使用法にも応えてくれるでしょう。

 

 

〜エクステリア〜

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エクステリアも全体的なイメージはセダンモデルと相違ありません。しかし、どちらかのオーナーにとっては、その差異は小さくないのも事実です。

3シリーズGTは「セダンの快適性」「ワゴンの積載性」「クーペのデザイン性」この三拍子を併せ持つロングツアラーとしてこの世に生を受けました。個人的にはこういったマルチなステージで活躍できる方向性は好きですし、具体的なデザインも好みです。

ごろんとしたフォルムが好きでないという意見も多く耳にしますが、3シリーズオーナーの中には新鮮なデザインに感じる方も多いのではないかと思います。

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リアは確かにごろんとした印象を受けるのもわかります。しかし、やはりセダンとは異なるルーフラインには魅力を感じるのも事実です。オーナー層でなければ一見して判別できない方も多くいらっしゃるかもしれませんが、それもいいと思います。「なんだろう、なんか3シリーズと違うような気がするな〜」程度の印象というのも、控えめでいいんじゃないでしょうか(笑)

 

 

〜ドライビング〜

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このクルマ、走行性能の面でも多くの部分はセダンモデルと似通っています。加速は同エンジンのセダンモデルと比較して若干重さを感じるかもしれませんが、それは全開加速の場合の話です。普段の乗り方で街中を走っていても、その差に気づくことはないと思います。

ブレーキングでも、その重さからネガを感じることはありませんでした。

その中で違いを強く感じた項目、それは乗り心地です。

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セダンモデルの3シリーズは同セグメントの車両と比較して、脚周りがかなり引き締められた設定になっています。しかし、このGTモデルは一転して柔らかめの味付けです。普段セダンモデルに乗り慣れている私としては若干ふわふわ感が強すぎるようにも感じました。入力があった際の突き上げは上手くいなしてくれますが、それが収束するまでの時間が長いのも印象に残ります。

しかし、これが不思議なことにワインディングで悪い方向に働くというようなことはありませんでした。まあタイヤが鳴るほど飛ばすわけではありませんので、限界性能は変わってくると思います。それに重心が高くなっていますのでロールの動きは大きくなったりします。しかし、この点も大きなネガは感じませんし、動きの伝わりやすさが運転のしやすさに繋がると感じる方もいるかもしれません。

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全体的にいい印象で試乗を終えることができました。

個人的にはこの柔らかさならMスポーツモデルを選択してもそこまで硬くはならないかと思いますし、車高を下げたい方にとってもいい選択肢になるかもしれません!!

 

 

〜総評〜

「セダンの快適性」「ワゴンの積載性」「クーペのデザイン性」この3つを兼ね備えたマルチな車両としてのポテンシャルは高い物だと思います。快適性に関してはセダンモデルを超越していますし、このボディサイズにしてはかなりの積載性を手に入れました。

しかし、BMWは同セグメントにあたる4シリーズGCも販売しています。この点が他社とは違う点です。4シリーズGCはデザイン性を重視し、脚周りも固めてありますが、全体的に顧客の分散を招いているのは事実でしょう。実際に3シリーズGTは見かける機会が多くありません…

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BMW全体としては損が出ていなければ問題ないのかもしれませんが(^◇^;)

チャレンジングな姿勢は「BMWらしいな」といった感じです笑

 

インテリア   :★★★★☆

エクステリア:★★★★☆

ドライビング:★★★★☆

実用性           :★★★★★

コスパ           :★★★☆☆

総合評価点    :4.0点/5点満点

 

 

 

【回顧】740i 試乗インプレ

今回は登場直後に試乗した740iの試乗インプレッションを紹介します!!すでにMMCが発表されていますが、一応紹介させていただきます(^◇^;)

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試乗車は740iのショートモデルです。

明らかに我が家が手の届くクルマではありませんが、試乗の機会をいただけて本当にNさんには感謝感謝です!!

 

 

〜インテリア〜

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先代までのモデルと比較して、このG11モデルはインテリアのデザイン・質感ともに格段に向上した感があります。これまではLセグメントセダンの中ではインテリアの面で後塵を拝する一方でしたが、今回のFMCでその汚名を返上したと言っていいでしょう。

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センターコンソール等はウッドとアルミパネルで上手く加飾されています。プラスチックパネルが表面に使用されている部分はほぼ見当たりません。価格的にも車格的にも当然のことかもしれませんが、これまでのBMWの歴史を鑑みると非常に進歩したと言っていいでしょう。

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この傾向はステアリング等ほかの部分にも現れています。特にこのステアリングのアルミ使用に関しては、メルセデスw222型 Sクラスが後期型になってようやく追いついたと感じる方もいるのではないでしょか?

このように全体的に質感とデザインの向上に努めていることは明らかです。ショーファードリブンとしての意識を強く感じさせる改良が顕著に表れています。

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 リアシートも身体に程よくフィットする設計で、疲れを感じさせないことでしょう。3シリーズ等と比較すると柔らかいシートですが、ただフワフワのシートではなく、しっかり芯のある感じです。BMWが考えるショーファーの理想を感じられます。

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エアコン関係もこの通り、ショートモデルでも十分に後席に配慮した設計であることを感じます。4ゾーン独立制御に加えてシートヒーターも装備しています。操作パネルもアルミ加飾が奢られており、高級感を感じることができます。

それに加えて評価できる点が、ドライバーオリエンテッドを捨てていないことです。コックピット周りはBMWの他車種と共通のデザインで違和感なく操作できますし、シフトノブも扱いやすく、運転上の違和感がありません。このあたり、さすがBMWといった感じでした。

 

 

〜エクステリア〜

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エクステリアは、いかにもショーファードリブンといった出で立ちではありません。躍動感のあるデザインで、ダイナミックなドライビングを想起させるデザインです。もちろん高級ホテル等でもシーンを選ばないラグジュアリー感も持ち合わせています。SクラスやA8とは異なる魅力を感じます。

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リアから見ると流麗でスラッとしたデザインです。写真で見ると威風堂々という感じに見えますが、実際に見ると流麗で滑らか、そんな印象を抱きました。

それからLEDレーザービームも話題になっていますね。500m先も照らすことができるとか。これは標準のLEDライトをも遥かに凌ぐ性能です。おそらくそう多くのオーナーが選択するモノではないでしょうが、こういった要人を乗せるようなシーンも想定される車両にとっては重要なポイントになるでしょう。

大都会の高級ホテルでも、稜線を沿うワインディングでも、シーンを問わない流麗かつ力強いデザインです。

 

 

〜ドライビング〜

今回の試乗車740iは直列6気筒3.0ℓターボエンジンを搭載しています。

ボディサイズを考慮すると若干パワー2不安を抱きましたが、この心配は杞憂に終わりました。パワフルとまでは言いませんが、不足なくこのボディをスムーズに進めていきます。BMWの直6のシームレスな回転フィールに加え、カーボンを多用したことで軽量化が図られたボディもこれに寄与しているかもしれません。

さらに驚いたのは操作性の高さです。駐車場から広い通りに出るまでには狭い路地を通るのですが、その間にボディサイズを感じることはほとんどありませんでした。Nさん曰く4輪操舵システムが搭載されているようです。1990年代には国産試乗でも一時期ブームになりましたが、ドライビングフィールが低下するという問題から衰退気味でした。しかし、このシステムはワインディングでも違和感を抱かせることはなく、非常に優れたものだと思います。

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ワインディングに入るとさらに驚かされます。ボディサイズのネガを全くと言っていいほど感じません。ひらりひらりと舞うようにコーナーを抜けていきます。上述した軽量ボディがここでも威力を発揮しているのでしょう。

加えて記載しないわけには行かないのが「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」なるシステムです。これは4輪に搭載されたエアサスとともに快適性を生み出すシステムです。前方路面の状況をカメラで捉え、路面状況に合わせてエアサスを制御することで、フラットライドを生み出すといった仕組みです。書くのはカンタンですが、実際にはかなりの技術力だと思います。実際にw222 Sクラスでは設定はあるもののOPとなっています。これを標準装備にしたBMWは立派です。笑

ちなみにこのエアサス制御ですが、快適性を重視するあまりドライビングフィールを損なうなどということはありません。ロードインフォメーションもしっかり入ってきますし、ひたすらフワフワという感覚も無いのです。これもさすがはBMWといったところ。駆け抜けるよろこびを忘れてはいないようです。

全体的にいかにもBMWらしいフィールがあり、かなり感心しました。このサイズでこの制御でこの快適性にも関わらず、ドライビングも楽しめる。なかなか稀有な存在ではないでしょうか。

ちなみに父の運転で後席に乗車した際にはエグゼクティブ・ドライブ・プロが高い快適性を提供してくれました。これ、本当にすごいと思います。ドライバーは楽しく、パッセンジャーは快適に、理想的なフィーリングを持っています。

 

 

〜総評〜

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このクルマ。欲しくなりました(笑)

Lセグメントサルーンには所有の意味での興味はあまりありませんでしたし、運転が楽しいクルマだとは思っていませんでしたが、その考えは覆されました。このセグメントのクルマに惚れる時が来るとは(^◇^;)SUVや高級ミニバンに押される高級サルーンですが、この1台には価値があります。

クルマという規格を越えた工業製品としての感動を覚えました!!!

実際に自分で購入することはないと思いますが、エンジンも2ℓターボ+モーターからV型12気筒までラインナップが広く、案外ターゲットは広いのかもしれません!!

 

インテリア   :★★★★★

エクステリア:★★★★★

ドライビング:★★★★☆

実用性           :★★★☆☆

コスパ           :★★★☆☆

総合評価点    :4.0点/5点満点

 

【回顧】318iツーリング 試乗インプレ

今回の記事では318iツーリングに試乗した際のインプレッションを紹介します!!

F30 3シリーズのLCIモデルから追加された318iは、日本市場においてはE46以来の登場となるボトムモデルです。

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今回の試乗車は318iツーリング luxuryです。

 

 

〜インテリア〜

インテリアは我が家の320dとほぼ変わりませんので割愛します!!笑

ちなみに唯一と言ってもいい違いはステアリング部分です。ACCの設定がOPでもありませんので、ステアリング左側のスイッチが少なくなっています。

 

 

〜エクステリア〜

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F30はツーリングモデルもかっこいいですね!!ごろんとしたイメージになることなく、エッジの効いたデザインをうまく実現しています。エレガントさをまとったツーリングモデルは、高級感とアクティブなライフスタイルを想起させるいいデザインだと個人的には感じています(・∀・)

ちなみにBMWのツーリングモデルの伝統として引き継がれている特徴が、リアウィンドウを単体で開くことが出来るテールゲートです。小さいものの出し入れや狭い駐車場での開口時に役に立ちます!!

 

それから320i以上のモデルとの差を発見しました。それはフロントのナンバー搭載位置です。下の2枚の画像をご覧ください。

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※試乗車の318iツーリング

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※我が家の320d

いかがでしょう?318iの場合ナンバープレートが上方に位置しているのが分かると思います。キドニーグリルに被っているか否かの差がありますので、少し注意して見ると結構カンタンにわかります。

これは装備の差から生まれるものなんです。それは全車追従型ACCの装備の有無です。上述の通り318iにはACCの設定がありません。よってセンサーが付いていないのです。ACC装着車の場合、センサーはナンバーの下に位置しています。ナンバープレートがセンサーの作動に支障をきたすことのないよう、ナンバープレートの位置を工夫した結果、ACCの有無によってナンバープレート位置に差が生まれてしまったというわけです。

 

 

〜ドライビング〜

ようやくドライビングです。

318iは直列3気筒1.5ℓターボエンジンを搭載しています。これは118i等と同じエンジンです。メルセデスCクラスやアウディA4が1.5ℓ前後のターボエンジンを用意しているところにようやく追いついたと言った感じです。

パワー感について言えば、実用域では特に問題ありません。低回転域でもトルクが出る設定ですので発進でもたつくようなこともありませんし、加速時も中速域までは不満はありません。もちろん力強い加速は期待できませんし、高速での追い越し等は余裕のある感は味わえないと思いますが、それは小排気量ですので仕方のないところ…

残念に感じたのは回転フィールでしょうか。まあ3気筒なので仕方ないのですが、やはりスムーズさに欠けており、気持ち良さは感じられません。3気筒と言えば軽自動車と同じとも言えますからねえ…笑

ちなみにメルセデスアウディが4気筒エンジンを搭載しているにも関わらず、エンジンメーカーのBMWが3気筒エンジンを搭載したのには理由があります。それは「エンジンのモジュラー化」というものです。BMWは現在、1気筒500ccのシリンダーを何気筒組み合わせるかで排気量を調整するというルールを作ることで、効率化と低コスト化を進めています。その結果1.5ℓの排気量を作るためには3気筒にせざるを得ないわけです。もちろんBMWはエンジンメーカーですし、改良にも全力を注ぐメーカーですので、これからの進化に期待したいところです!!

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ちなみに3気筒エンジン搭載には恩恵もあります。それは鼻先の軽さです。これは素晴らしい!!ワインディングを走ると鼻先が軽く、ノーズがスッと入っていきます。BMWらしいひらひらと舞うようなドライビングが体現されています。1気筒の違いは大きいものだと感心しました(^◇^;)

また、パワー感が上位機種に比較して薄いので、エンジンを回す喜びがありあます。4気筒以上のモデルだとトルクが太いのであまり回転数を上げるタイミングがないのですが、こちらは回転数を上げてエンジンを活かしきる走りがカンタンに出来ます。エンジンを使い切る走りって楽しいですよね〜笑なんだかE46を思い出すようでした。

 

最後に触れなければならないのはブレーキです。これ、止まりません。マジで。

最初はフィールの問題かと思いましたが、別の機会に318iセダンを運転した際にも同じでしたので間違いないでしょう。詳細は調査していませんが、確実に制動力は低いはずです。

タッチのフィーリングは悪くありませんが、そこからスーッと伸びてしまい、思ったところで止まりません。正直ひやっとするシーンもありました(^◇^;)

これってどうなんでしょうか?エンジンが小さいからという理由なのかもしれませんが、ブレーキは安全性に直結します。多くのドイツ勢メーカーは基礎基本は手を抜きません。これまでのBMWもそうだったはずです。しかし318iは試乗で体感するほど性能に差があります。私個人的には全く受け入れられない考え方です…

この点に関してはこれから改善されることを祈っています!!

 

 

〜総評〜

総合的に考えると、個人的には購入候補外になります。

満足出来る部分はたくさんありますが、エンジン・ブレーキ・ACCの問題を考えると320iとの価格差は安いように感じるからです。リセールの差を考えても、320i以上のモデルを購入したいところです。

BMWをすでに乗り継いでいるオーナー様方は同じ選択をする方が多いのではないでしょうか?笑

 

インテリア   :★★★★☆

エクステリア:★★★★★

ドライビング:★★☆☆☆

実用性           :★★★★☆

コスパ           :★★☆☆☆

総合評価点    :3.4点/5点満点

 

 

 

 

【回顧】スカイライン ハイブリッド 試乗インプレ

今回の記事ではスカイライン ハイブリッドを試乗した際のインプレッションを紹介します!!

 

V37に当たる現行スカイラインにラインナップされるハイブリッドモデルは、これまでの連綿と続くスカイラインの歴史の中で初めてのハイブリッドモデルです。

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このハイブリッドモデルは、他の国産ハイブリッドモデルの多くと異なる点があります。それは燃費の向上を主たる目的としたハイブリッドではないということです。その証拠にV型6気筒3.5ℓエンジンをモーターで武装したユニットを搭載しており、ユニット合計出力は370馬力を超えています!!

これは期待大です(・∀・)

 

 

〜インテリア〜

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日産からの販売ではありますが、インフィニティ(北米日産の高級路線ブランド)マークを搭載して発売されたこのスカイライン。インテリアからもその国際的視線が感じられます。

特に「囲まれ感」の強いコックピットは他の日産車種にはあまり無い特徴でしょう。室内の広さをアピールすることは難しくなりますが、ドライバーオリエンテッドなそのインテリアは高い走行性能を予感させるようでもあります。

ちなみに「国産らしさ」を意識させる部分もあります。それはセンターコンソールに鎮座する2つの画面です。上がナビ、下は各種機能のコントロールパネルになっています。先代クラウン系と同様の設計です。

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これはあまり輸入車には無い傾向です。輸入車の各種機能のコントロール系統は、多くの場合それぞれが独立した物理ボタンで構成されているからです。走行中のブラインド操作のしやすさを考慮すると輸入車の考え方の方が個人的には良いと思いますが、国産独自の先進性のアピールとしては有効であるように感じます。

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後席の構成に関しては、正直あまり感心しませんでした。スペース自体が大きく無い上に、シートの設計が良くないのかあまり座っていて心地よくありませんでした。また、表皮のレザーが滑りやすく、ウィンディング等では特に快適性に疑問符が付きます。

ドライバーズカーとしての側面を強く持つキャラクター設定に回帰したということでしょうか?

 

 

〜エクステリア〜

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エクステリアを見ても、全体的にスポーティな印象を与えられます。日産らしい柔和なデザインの中に、エッジの効いたアクセントが盛り込まれています。ボディサイドのキャラクターラインや、Cピラー後端の処理等がその代表的なところでしょうか。

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個人的にはジャガーXEに似ているように感じています。シルエット的に特に似ている気がしませんか?笑 動と静を同居させたようなこのデザインに強く魅了される方も多いのではないでしょうか。

 

 

〜ドライビング〜

本題のドライビングに移ります。

上述した通り、こちらのモデルに搭載されるユニットはV型3.5ℓNAエンジン+モーターという強力さです。ここまでの高出力ハイブリッドはこれまでにアクティブハイブリッド3しか経験がなく、その時の力強い印象が残っていますから、期待が高まります。

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店舗を出るとすぐに国道です。交通量が極端に少なかったので加速を試してみると、これは速いです。同セグメントのセダンではなかなか体感できない加速です。それもそのはず、0-100km加速のタイムは4.9秒とのこと。ポルシェ911カレラと比肩するほどのタイムです。

しかもこのモデルのカタログ燃費は17km/ℓを超えています。もちろんモーターの使い方で燃費は大きく変動しますので同時に両立することは出来ませんが、この二面性にはビックリです笑

 

しかし、ここからが問題です。一番の問題はこのクルマの目玉とも言える「ステアリング・バイ・ワイヤ」です。多くのクルマと異なり、ステアリングとタイヤが物理的には繋がっておらず、ステアリング操作を電気信号に変換して、それをタイヤに伝えることで、よりクイックでダイレクトなステアリングフィールを実現することができるというモノです。

これが、問題です(笑)ステアリングフィールが敏感すぎるのです。少しでもステアリングを動かすと車体が向きを変えてしまうため、国道を走るときには常に修正舵を当てるような状態です。これ、とっても疲れます(^◇^;)

それにブレーキフィールも若干違和感を感じるシーンがありました。詳細はあまり調べていませんが、ハイブリッドモデルは回生ブレーキ等の影響で不自然なフィールが出る例は少なくありません。制動力には問題ありませんが、心地よいドライビングにとっては障壁になりかねないでしょう…

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※50周年記念車のインテリアです。レザー加工がGOODです!!

 

先にドライビングに関して総評すると、エンジンユニットやステアリング、ブレーキ、シャーシ等、各々を見るとある程度以上の完成度になっていると思います。しかし、それが全く調和していません。それぞれが勝手にバラバラに作業している感じです。詰めが足りていません。正直、日産ほどの大企業がどうしてこの完成度で世に出してしまったのか、理解に苦しみます。

 

 

〜総評〜

このクルマ、全体的に方向性がわかりません。

インテリアもエクステリアもスポーティ志向です。確かにパワーもありますが、真っ直ぐもワインディングも気持ちよくは走れません。乗り心地がそこまで優れているわけでもなく、後席の快適性も高いとは言えません。

かっこよくてハイパワーながら低燃費。全てを兼ね備え用とした結果、とてもアンバランスなクルマになってしまったといったところでしょうか。

しかも価格帯はトヨタで言えばクラウンクラスです。本来クラウンと並ぶのはフーガ。このクラスはマークXです。フーガは「ラグジュアリー」、スカイラインは「スポーティ」という声もあるかもしれませんが、そこまでの完成度のスポーティは期待出来ません。

なんとももったいないクルマ、というのが率直な印象です(^◇^;)

 

2リッターターボモデルはメルセデスC200と同様のエンジンとのことで、そちらに期待といったところでしょうか?まあそれならC200を買うかもしれませんが…

 

インテリア   :★★★☆☆

エクステリア:★★★★☆

ドライビング:★☆☆☆☆

実用性           :★★☆☆☆

コスパ           :★★☆☆☆

総合評価点    :2.4点/5点満点