【回顧】M235i 試乗インプレ
今回は2016年アタマに試乗してきたBMWのコンパクトスポーツモデルM235iのインプレッションを紹介します!!
親がお世話になっているBMWディーラーの担当セールスNさんから「なかなかお目にかかれない試乗車が入りましたのでぜひ」とお声がけいただき、お言葉に甘えさせていただいたワケです笑
試乗車はM235i Mスポーツです。
Mスポーツとは言ってもこのM235iはベースグレードもLuxuryもなく、Mスポーツ一本の設定となっています。
エンジンは直列6気筒3リッターツインパワーターボエンジンです。最近BMWはこのツインパワーターボエンジンに注力していますが、一般的なツインターボとは違いターボ自体は1つで、簡単に言えば低速域と高速域と2段階でブーストがかかる設定になっているターボを搭載したエンジンです。
(現行モデルではM240iとなっていますが、記事で紹介するのは当時の内容です)
~エクステリア~
さてまずはエクステリアから、フロントは最近のBMWの大きなキドニーグリルにエッジの効いたライト周りを強調したデザインという感はわりと薄く、かつての2002をオマージュしたかのような丸みもうまく取り込んだデザインとなっています。
2002といえばちょうどこの2シリーズは2002と同等のサイズ感で、M235iならかつてのコンパクトスポーツ2002tiとキャラクターも似通っています。TVのCMにもマルニを登場させていることから、BMW自身もその共通性を意図して設計したことがうかがえると言ってもいいのではないでしょうか?
サイドから見るとBMWらしくロングノーズショートデッキ、最初は直6モデルの設定がなかったこの2シリーズクーペも、直6エンジンを縦置きすることを前提にデザインされたことは明白でしょう。
リアに回るとかなり引き締められたデザインになっています。コンパクトかつ筋肉質に見えるシェイプはいいのですが、それにしてはテールランプが可愛らしすぎる気もします(^^;;
個人的にはもう少し直線的で攻撃的なテールランプにした方が高級感も生まれてよかったのではないかと思ってしまいました…笑
~インテリア~
さて次はインテリアに移ります。
基本的なデザインは1シリーズどころかFRモデルのBMW全シリーズ共通のデザインです。慣れていれば扱いやすいのですが1シリーズも5シリーズもほぼ同じデザインというのは5シリーズ(当時のF10モデル)のオーナーさんはどう思っているのでしょうか(笑)個人的にはヒエラルキーの高い層はもう少しラグジュアリー感を押し出してもいい気がしますが、2シリーズ単体でいえば質感は別としてデザインはスポーティかついい意味でシンプル、好印象です。
※写真のクオリティは近々の課題です…(^◇^;)
ただMスポーツ一本の設定ですからほとんどがアルカンターラ素材のシートで、本革の車両でもほぼブラックレザー、まれに赤い革といった感じです。となると在庫車を買うことが多いBMWのセオリーに則るとベージュレザーやブラウンレザーの車両を買うのはほぼ不可能…本国発注なら可能ですが納期も長いし値引きも渋いと厳しくなります。そのあたりが明るい内装が好きな自分には個人的に残念でした笑
ちなみに2ドア4シータークーペとしての実用性は自分のF56ミニクーパーSよりも高いです。
リアシートは広くはないながらも背もたれ足もとともにミニより余裕がありますし、トランクは2人分のスーツケースくらいなら余裕を持って飲み込んでくれると思います!!
~ドライビング~
前置きが長くなりましたがここから試乗コースへと出て行きます。
広い道へ出るまでの路地はコンパクトさを活かしてくるくると回っていきます。Mスポーツのアクティブステアリングも手伝い、コンフォートモードでも片手で余裕で回せるほどの軽いステアリングフィールです。
広い2車線道路へ出てコンフォートモードのままアクセルを強く踏み込みます。ガツン!と来るような感じはありませんが回転数がぐんぐん上がり、素早くシフトアップを繰り返して速度を伸ばします。…かなり気持ちいいです笑しかしまだこれは序ノ口、スポーツモードがありますから(・∀・)
ワインディングに入ったところでドライビングモードをスポーツに変更します。(スポーツ+もありますが電子制御の介入抑制状態になるのでこれは使いません)
コーナー手前のアンジュレーションを上手く受け止めてトラクションを保ったまま、中高速域でコーナーにアプローチするとスッと頭が入ります。コーナートップからアクセルオンするとさらにぐーんと鼻先をインに入れ込むようにコーナリングして行きます。まさにFRの走りです!!パドルシフトを使うとDCTが素早く反応して電光石火のごとくシフトチェンジし、エンジンブレーキも駆使して気持ちよく走れます!!!
ワインディングゾーンの間にある長い上り坂の直線路でスポーツモードのパドルシフトを使って全開加速してみます。。ヤバいです、軽いボディに3リッターターボですからパワーがあるのは当然なのですが、音がスゴイんです笑
文章で説明するのは難しいですが、レブリミットまで淀みなく回転数を伸ばし、パドルを引けば瞬時に変速、一気に回転数が落ちてまた駆け上がっていく。BMWの直6らしい高くシルキーな音とブリッピングで気分はさながらF1レーサーです😁
この感覚はなんと言ったらいいのか…脳内に直接ドーパミンを打ち込まれたかのようにとにかく興奮して、降りてからは小刻みに震えが止まらなかったくらいです笑笑
~総評~
試乗が終わって、Nさんから感想を求められましたが言えるのは一言、"惚れました"笑
軽量ボディにMスポサスに直6ターボ、願ったり叶ったりみたいなクルマです、なにより一度乗ってしまったらBMW好きは少なくとも気にいるはずです。
しかし問題はバリューフォーマネーでしょうか。M235iは諸費用オプション込みで700万円を超えるクルマです。ドアは2枚、乗員は2+2、ラゲッジも広いとは言えず燃費は今のご時世リッター10キロ前後です…走りの面だけを考えれば間違いなく買いなのですが総合的に考えるとなかなか実際に手を伸ばすヒトは多くないと思います…
ただ担当のNさんいわくリセールが高いらしく残価設定で買っても損が出にくいんだとか、BMWとしては貴重な存在です笑笑
このM235iがライバルとするクラスにはアウディS3、A45AMG 4MATIC、ワーゲン ゴルフRと強豪が揃っています。
しかもこれらは直4 2リッターターボエンジンで燃費もよく税金も安いときています。その上A45に至っては2リッターターボで360馬力以上を叩き出します。
さらにライバル勢はAWDを採用しているため誰でも安全に速く走れる性能を持っているわけです。
実際S3とA45は街中でもよく見かける気がしますがM235iはそれほど多くありません。M135iもライバル勢には届かないでしょう。
ふつうの人からすればそれほどの魅力に映らない直6、FRという項目に魅力を見出してくれる人が増えればM235iも台頭してくると思います。そしてそれを願っています!!
…中古市場に増えれば手が届くようになるかもしれませんからね笑
インテリア :★★★☆☆
エクステリア:★★★★☆
ドライビング:★★★★★
実用性 :★★☆☆☆
コスパ :★★★☆☆
総合評価点 :3.4点/5点満点