【回顧】Audi A4アバント(新型) 試乗インプレ
前回の記事ではおじ夫婦が所有していた先代A4に関するインプレを紹介しました。そこで思い出したのですが、点検の際の代車として現行A4に乗ったことがあったのです!!
そこで先代・現行と連投でインプレを紹介しようと思います(・∀・)
代車としてご提供いただいた車両はA4アバント2.0TFSIのFFモデルです。
※まともな画像がなくてスミマセン…
〜インテリア〜
インテリアはAudiらしいスッキリしたデザインが引き継がれています。
その上、先代と比較するとデザイン性が向上し、個性が程よく引き出されたデザインになったように感じます。水平方向に直線的なパネルを多用し、広々とした印象を与えています。
インテリアライトの配置も先代に比べてスッキリ整理されており、夜間の走行での違和感も大きく軽減しているように感じました。
先代からの大きな変更点として、メーター内にナビゲーション画面を映し出すことができるようになったというポイントが挙げられます。OP設定の装備ですが、メーターとして使用したりナビとして使用したりと活用方法は様々で、Audiらしい先進的な電装系だと思います。これは他社にも採用の波が広がっており、グループ内にあたるVW等でも採用されています。
後席スペースは、Dセグメントで一二を争う広さではないでしょうか。インプレ対象はFFモデルですが、A4は縦置きFFですので、VWパサートとは事情が異なります。ボディサイズ自体が大きいとは言っても、この広さはなかなかのモノで、評価すべきポイントでしょう。
また、後席用のエアコンの吹き出し口にも特徴があります。A4のそれには、デジタル式の温度表示パネルが搭載されています。そして、その両脇にあるボタンで温度を上下させることが出来ます。これは他社のDセグメント輸入車の多くに搭載されていない装備です。実際の利便性もさることながら、高級感の演出として重要なファクタと言えるでしょう。
ちなみにA4には1.4ℓターボモデルが存在しますが、これには後席用エアコン吹き出し口自体が装備されていないモデルもあるようなので、検討の際には要確認です!!
シートに言及すると、全体的に薄めの印象があります。と言っても「肉厚ではない」程度ですが。そして何より変わったと思うのが、これまでかなり柔らかめの印象だったシートが硬めになりました。これは個人的には歓迎すべきポイントです!!
座った瞬間の印象はマイナスイメージにつながる方も多いかもしれませんが、長時間の乗車ではこの若干の硬さが活きてくると思います(・∀・)
〜エクステリア〜
先代からのプレーンな印象を保ってはいますが、全体的にシャープ感が増したように感じます。この傾向はBMW等他のメーカーでも見受けられますので、クルマ業界全体的な流れなのかもしれませんが、Audiの先進的なイメージの促進に寄与するモノでしょう。
特筆すべき点として挙げない訳にはいかないのが、OP装備として設定されるマトリクスLEDライトです。価格や仕様等詳細は調べきれていませんが、いわゆるLEDアクティブヘッドライトと流れるウィンカーが搭載されます。かなりの光量を効率よく活用できるこの仕組みは、安全性への貢献度が高いモノだと思います。さすがにライト関係はAudi強しです。(笑)
しかし、このマトリクスLEDはOP価格がかなり高額らしく、選択する方が必ずしも多いとは言えないようです。デザイン面でも差が出ますし、リセールにも影響しますが、そこは各オーナーさん次第といったところなのでしょう。
リアビューに関しても、やはり先代と比較してよりエッジが効いている印象があります。それでいてイヤミのないデザインを作り上げるあたり、VW・Audiは上手いですよね〜。より訴求力のあるデザインを手に入れた感があります。
〜ドライビング〜
一晩このA4を走らせてみると、走りの面でも先代よりエッジが効いているように感じました。Audiらしい柔らかな乗りごごちはもちろん維持されていますが、脚周りの頼もしさが上がっているというか、踏ん張りが効き始めるポイントが早くなっている印象を受けました。
タイヤの扁平率に大きな差はなかったので、全体的な味付けが変わった考えて問題ないでしょう。
また、先代に対して好感が持てたのがトランスミッションです。先代ではFFモデルにはCVTが搭載されていましたが、今回からはFFモデルにもSトロニックが搭載されています。これはA3等にも反映されていますので、今後Audiは全車Sトロニック搭載の方針でいくということでしょう。
ダブルクラッチトランスミッションはエネルギー効率が高いのみならず、ドライバビリティも高次元で両立できるということから、世界的に高い人気を誇っていますよね。
ちなみにSトロニックの味付けには、やはりAudiらしさが出ていました。変速は非常に素早くて異論はないのですが、エンジンブレーキは効きが良くありません。これは燃費性能向上のために多くのメーカーで見られる傾向ですが、個人的にはあまり歓迎できません。普段の運転やワインディングでエンジンブレーキを多用しない方なら違和感なく運転できるかと思います!!
加速感に関してはこのエンジンで問題ありません。BMWの320iよりも力強い印象すら受けました。ちなみに1.4ℓターボモデルの試乗経験もありますが、街乗りメインの使用であればこちらでも問題ないくらいです。
また、コーナリング性能も向上しています。「FFだからコーナリングは弱い」というような理論は最近役に立ちませんが、その中でもやはりナチュラルなフィーリングの作り方が上手いように感じます。柔らかめながらも芯のある脚周りがしっかりとボディを支えてコーナリングしていきます。
さらに先代では気になったアクセルとブレーキの違和感も解消されており、全体的にドライバビリティが向上しています。極低速域ではSトロニックのギクシャク感が感じられますが、これはDCTの特性ですし、他のモデルと比較すればそのレベルは高いと思います。
今回の試乗はFFモデルでしたが、クアトロモデルの性能が楽しみになる完成度です!!
〜総評〜
A4、特にFFモデルは、先代と比較すると大きな進化を遂げたと思います。
先代までのA4といえばDセグメントで最も快適性に寄ったセッティングであり、脚周りもステアリングもペダルも全てが柔らかく、とにかくフワフワした印象が強かったものです。しかし、今回のA4は芯があってシャキッとした印象があります。しかもそれでいて快適性が落ちた感覚がないのが関心するポイントです。
他のDセグメントサルーン・ワゴンに対して価格設定が高すぎるのが原因か、街中での遭遇回数は圧倒的に少ないですが、クルマとしてはいい完成度だと思います。やはりライバルメーカーよりも50〜100万円高い設定は厳しいかと思いますので、ここからコストダウンが楽しみでもあります。
なかなかドンピシャなモデルが見つからないAudiですが、個人的にも欲しくなるような車両でした!!
総評
インテリア :★★★☆☆
エクステリア:★★★★☆
ドライビング:★★★★☆
実用性 :★★★☆☆
コスパ :★★☆☆☆
総合評価点 :3.2点/5点満点