【速報】MAZDA 3 試乗インプレ
本日はマツダから新しく発売されたMAZDA 3に試乗してきましたので、そのインプレッションを紹介します!!前々から高い注目度を誇っており、登場直後から各種媒体等で多くの記事が掲載されるほどです。大注目の一台に早い段階で、しかもゆっくりと試乗する機会を頂けて感謝です。
ちなみに試乗車はMAZDA 3 SEDAN XD L PACKAGEです。
新開発の直列4気筒1.8ℓディーゼルターボエンジンを搭載する車両に本革シート等の装備を奢った上級グレードです!!
車両価格は約290万円で、総額330万円程度の車両とのことです。
※試乗車はセダンモデルでしたが、他の方の試乗の関係からエクステリアの写真はファストバックモデルメインとなります。
〜インテリア〜
インテリアから見ていきますが、これは素晴らしいと思います。デザインが洗練の域に到達しています。ダッシュボードは数枚の湾曲したプレートが重なったようなデザインで、立体的で躍動感があります。それでいて全体的にスッキリとしていてゴテゴテしていないのがまたいいです。
エアコンの吹き出し口が奥に引っ込んだように配置されており、横長でシャープなデザインが控えめに覗いています。このデザインなら前面に出していてもいいような気もしますが、この位置の搭載は新鮮な感じがします。上の写真だと立体感もよりわかりやすいかもしれません。
インパネ周りも非常にスッキリとしています。最近のクルマにしてはボタンがかなり少ないと思います。グロスブラックのパネルで構成されており、おそらく質感とコストを上手く両立しているものと思われます。また、実際に操作してみると各種ボタンのクリック感にもこだわっているらしく、チープな音などは皆無です。見るだけでは気づきませんが、長い期間所有すると高い満足感を味わえるかもしれません。ウィンカーの作動音も高級感があり、しかも運転席以外にはあまり聞こえないように設計されているという点には感心しました。
メーターはデジタル方式に変更されました。これが針が回転するタイプのメーターをデジタルで表示するタイプなのが感心です。最近はナビを表示したり数字を大きく表示したりと多様化していますが、車格や性格を考えても好感を抱けます。
ステアリングもアルミ加飾が施されており、高級感があります。メルセデスやレクサスに似た印象でしょうか。またステアリングの本革も手触りがよく、高い質感を持っていました。残念に感じたのは太さと直径です。スポーティハッチ等として考えると細すぎますし、直径も大きく設計されていますので、個人的には要改善と感じました。
後席スペースはこんな感じです。広くはありませんが、十分に座れます。シートも前席後席共に硬さと柔らかさのバランスがよく、長距離の乗車でも疲れにくい印象です。パンチングレザーの質感も高く、サポート性の高さと相まって快適性は高いように感じました。
一つ残念な点を挙げるなら、後席のエアコンの吹き出し口がない点でしょうか。これはどのグレードでも設定がなく、諦めるしかないようです。
ちなみにドアノブにもデザイン的な工夫が見て取れます。アルミトリムとドアノブが繋がったデザインで、車格を超える質感を持っています。他にもたくさんの細かい配慮が見られ、マツダがこの車両に傾けた情熱を強く感じました。
〜エクステリア〜
実際に試乗したセダンモデルです。躍動感がありながらもスッキリと落ち着いた印象で、ゴテゴテとした感じがありません。このデザインもかなり秀逸だと思います。最初に試乗車を見た際にはアテンザかと思ってしまうくらい、サイズ感も高まって車格の上昇を感じさせます。(ちなみに全幅1800mmを切っていますので、取り回しはしやすいサイズです)
今回のセダンモデルで特に印象的だったのがこのリアビューです。先代のアクセラセダンは寸詰まりな感じがあり、若干不恰好な印象を抱く方も多かったと思います。しかしこのMAZDA 3セダンは非常にスラッとしたシルエットで伸びやかでエレガントな体躯を手に入れました。実際に見るとかなりカッコいいです。これまではハッチバックモデル推しでしたが、今回はセダンモデルに強く惹かれました。
セダンモデルと同時に登場したファストバックモデルのリアビューはかなり強いインパクトを持っています。Cピラーがかなり太く設計されており、テールランプも印象的なデザインです。こんなに衝撃的かつ違和感のないリアビューは久々に見たように感じます。
さらに特筆すべきはサイドビューです。最近はフロントからリアにかけてプレスラインを一本通してエッジを効かせるのが通例になっています。しかし、このクルマにはそのプレスラインがありません。その代わりにリアドア付近のパネルが大きく湾曲しており、なんとも妖艶な印象を与えています。陽の光が湾曲して写っていることからも、そのデザインを感じていただけると思います。
正直このエクステリアは価格を大きく超えています。画像にあるファストバックモデルに関しては1.5ℓNAモデルですので、なんと総額で300万円を切ってきます。存在感も高級感も、その価格を大きく超えているのではないでしょうか!!
〜ドライビング〜
さて、インテリアとエクステリアを見るほどに走りへの期待も高まっていきます。
まずエンジンをかけてビックリしました。とってもアイドリング音が静かです。ディーゼルエンジンとは思えません。車外で聞いてもディーゼルとしては静かな印象ですが、車内で聞くと驚きます。我が家の320dとは雲泥の差があります(^◇^;)ここまで静かだとディズアドバンテージはあまりないかもしれません。
店舗を出て走り出すと脚周りのしっかり感が伝わってきます。ふわふわとした柔らか一辺倒ではなく、入力はしっかり感じながらも不快感は伝えないというような感じで、輸入車ハッチに似た印象です。
エンジンは先代にあたるアクセラの1.5ℓディーゼルターボエンジンと2.2ℓディーゼルターボエンジンを統一した1.8ℓディーゼルターボエンジンです。正直レスポンスはあまり良くないようで、踏んだ瞬間にドカンとトルクが出て来るといった感じではありません。しかし、そのあとの伸びは気持ちいいです。ディーゼルは頭打ちがはやいというのが通説ですが、これは伸びを楽しめるエンジンです。マツダらしい「ガソリンのようなディーゼルエンジン」ですが、トルクでぐんぐん加速するようなフィーリングを求める方には合わないかもしれません。
先述の通り、脚周りはなかなか好印象です。特にワインディングではアンダーが弱く、スパっとコーナリングしていきます。国産車としては硬めの設定ですが、VWゴルフを敵対視していると言うだけあってフィーリングは良好です。
しかしステアリングフィールは残念です。まずそれを感じたのが、店舗から試乗に出発する際に極低速で左折するシーンです。直角の左折でしたがステアリングの反力が強くて直進方向に押し戻されるような感覚があると共に、ステアリングの振動が大きく、質感が高いとはお世辞にも言えないような感覚でした。この振動と反力は想像以上に大きかったので、車線逸脱防止システム等の可能性も感じましたが、おそらくそのようなシステムに起因するものではないと思います。
また、ステアリングフィールの違和感はワインディングでも感じます。表現が難しいですが、自分が理想とする切り角に持っていくのに苦労します。ステアリングに対するインフォメーションの入力が少なく、ワインディングでは軽めのステアリングなのも手伝って、自分が欲している以上に切れてしまったり切れなかったりする印象です。BMWやVWは初めて乗った車両でもスパッと求める切り角にキマる感じがありますが、その精度が足りないように感じます。
角度が決まればピタっと気持ちよくコーナリングできる性能を持っていますので、このステアリングインフォメーションの少なさと精度の低さは非常に残念です。全体的なドライビングフィールを台無しにしているといっても過言ではないくらいです。
本当にもったいないです。これからのブラッシュアップに期待したくなりました。
〜総評〜
価格から考えると規格外のインテリアとエクステリアを持っています。デザイン・質感共にとても高く、人の目を引き気を引く出来栄えです。100万円以上高く思われてもおかしくありません。事実、ジャーマン3のCセグメントモデルと比較すると100万円〜200万円程度低価格であるにも関わらず、デザイン・質感共に最高の評価を受けても不思議ではありません。
しかし、ドライビングフィールは全体的印象としてはあまりよくありません。ステアリングフィールの改善で全体的な印象を大きく向上出来るように思っていますので、残念でなりません。現時点では内外装に負けてしまっています。今後の年次改良でブラッシュアップを図ることで、さらに魅力的なクルマになっていくことを期待しています。
否定的な終わり方になりそうですが、ブラッシュアップを求めてはいるものの、国産同クラスとしては上出来なのかもしれないとも思います。ライバルが少ない市場ですので、必然的に輸入車がライバルとなってしまう、苦しい立場なのかもしれません(笑)
インテリア :★★★★★
エクステリア:★★★★☆
ドライビング:★★☆☆☆
実用性 :★★★☆☆
コスパ :★★★★☆
総合評価点 :3.6点/5点満点