りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【回顧】Audi A4アバント 試乗インプレ

さて、今回はAudi A4アバントの試乗インプレッションを紹介したいと思います。

と言っても現行型のインプレではありません(^◇^;)先代にあたるB8型のA4アバントで、2ℓターボエンジン搭載のFF車両です。こちらは近所に住むおじ夫婦が昨年まで使用していた車両で、約5年に渡って頻繁に運転しておりましたので、前回のゴルフ同様の長期インプレとして読んでいただければと思います!!

対象車両の詳細としては、A4アバント2.0TFSIです。

ベースグレードの車両で、FFモデル、ミッションはCVTを搭載しています。

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一番手前に映る白い車両が、今回のインプレの対象車両です。

 

〜インテリア〜

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インテリアはシンプルなデザインです。特にブラックインテリア+アルミパネルの組合せですので余計にその印象が強かったかもしれません。個人的には「味気ない」印象がありましたが、キレイなデザインですので、一般的に高評価を得ているようです。

しかし、私としては高級感のあるデザインであるとは感じられませんでした。たとえレザーOPを選択してもインパネ部分が素っ気ないように感じます。Audiの先進的なイメージを具現した結果なのかもしれませんが、現行型と比較するまでもなくライバル勢には引けを取っていたと思います。

また、夜間のドライビングではインテリアライトの軽さと配色が気になりました。エアコンの操作部等に赤と青のライトがたくさん配置されています。これは温度調整等を直感的に行えるようにする工夫と、先進的なイメージを与える為の工夫の結果だと思います。しかし、赤と青(しかもハッキリした色合いの)のライトが密集して混在する状況は、夜間の走行においては非常に目障りです。

明るさを調整すれば緩和されますが、走行上の疲労感等に関係する項目ですので、安全性向上の観点からしても要改善と感じていました。

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※S-lineパッケージ装着車の後席です。

後席スペースに関しては特段狭いということもありませんが、広いとも言い難い、クラス標準的なスペースです。座面長は長めに取られているので、w205Cクラス(現行型)と比較するとアドバンテージがあるかと思います。

ちなみに私自身はあまり後席を使用しなかったのですが、おば曰くF30 3シリーズの方がシートバックの角度が寝ていて、長時間乗車ではF30に軍配が上がるとのことでした。

 

最後に、全体的な質感の印象について言及します。

現行モデルは別としての話ですが、先代モデルまでの内装に関するインプレで「内装の質感はジャーマン3ではAudiが優位」との意見を持つ評論家が散見されたように思います。

この点に関してはあまり賛成出来ません。この意見を見た中で一番最近のものでは、w205前期CクラスとF30前期3シリーズ、そしてB8後期A4が比較されていました。たしかにF30 3シリーズがA4に対して質感の面でアドバンテージを持っていたとは思いません。しかし、w205Cクラスに対して明確な優位性を持っていたかというと、断言するのは難しいかと思います。

Audiのインテリアは質感が高いという点に異論はありませんし、先述の評論を目にしたことなどないという方も多いかもしれませんが、その意見を参考に中古車を検討されている場合には、ご自分の目で確認することをオススメします!!

 

 

〜エクステリア〜

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シンプルでプレーンなデザインは外装にも反映されています。ゴテゴテした印象はなく、華美で押しの強い感じがありません。これは個人の好みの域になってしまいますが、このデザインに惹かれる方も一定数いらっしゃるでしょう。

ライン状に配置したLEDをスモールするなど、Audiが世界に広めて各社が模倣するデザインが散見されます。特にライト関連に関してはAudiは先進的で、競合他社に対してパイオニア的な存在になっています。この点はスゴイですよね〜。先日新型A7スポーツバックを拝見した時に「テールランプに有機ELパネルが搭載されている」という事実を知り、驚愕したことは印象的です。LEDすら時代遅れとなる世の中が来ようとは…(^◇^;)

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本題から脱線してしまいました(笑)

リアから見ても、やはりデザインはシンプルでキレイな印象です。それでいて流麗な印象が感じ取れます。あまり強いプレスライン等が配置されていないことも寄与しているかもしれませんが、統一感のあるデザインだと思います。

個人的にはもう少し個性的というか…押しの強いデザインの方が惹かれる気がしますが、これはこれで秀逸といった評価もあるでしょう。特にライバル勢と比較すると控えめであると言ったことから、このA4を選択するオーナーさんもいらっしゃるようです。

 

 

〜ドライビング〜

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いよいよドライビングインプレッションです。ここで再度詳細な仕様を確認します。

車両はA4アバント 2.0TFSIのFFモデルです。搭載エンジンは直列4気筒2.0ℓターボエンジンで、トランスミッションCVTです。

走行性能の全体的な印象を先にお伝えすると、運転が楽しいといった類のものではありません。

まず、アクセルONから加速までのレスポンスがよくありません。CVTの特性と快適性のための制御の双方からくる傾向かもしれませんが、けっこう極端にレスポンスが悪いです。個人的には好きじゃないですねー笑

ちなみにブレーキのフィーリングもナチュラルとは言えません。踏んだら踏んだ分だけ効くようなブレーキではありませんので、慣れが必要です。ブレーキの性能自体は高いので、残念な部分です。

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※右手のハリアーが来て、A4は旅立ちました。

しかし、走行性能自体が低いということはありません。

ワンツーツー(122号線)から大笹牧場に続くワインディングを運転したことがあります。その際にはやはり完成度の高さを感じました。ボディの剛性が高く、柔らかめながらも踏ん張りの効く脚周りも相まって軽快にコーナーを抜けていきます。もともとエンジンを縦置きで搭載するという割合珍しいタイプのFFであるのが特徴的ですが、AudiのFF車は「いかにもFF」といったようなアンダーステアが押さえ込まれているのが特徴として挙げられます。この特徴はB8 A4にももれなく反映されています。

Dセグメントワゴンとして他に大きなディズアドバンテージのない走行性能があるだけに、CVTの非ダイレクト感やアクセル・ブレーキのレスポンスの悪さ等が残念に感じられます。

ちなみにこの脚周りと剛性から来る性能は、ワインディングを走行して初めて感じました。街中での走行ではレスポンスが悪くてハンドルも軽くて、インフォメーションの薄い車という印象でした。ステアリングはかなり軽いです。思った以上に回ってしまうような感覚もあり、この点も慣れが必要でしょう。

いいモノを持っているのに、それが感じ取りにくい。これは個人的には残念に思います。もちろんクアトロモデルを選択すればSトロニックに伝家の宝刀クアトロシステムが搭載されますので印象も大きく変わります。

しかし、このドライビングフィールの全体的な希薄感はAudi全モデルに共通するモノかもしれません。なんだかこう…オブラートに包まれたような感覚です。これがAudiの考える「快適性」に繋がる要素なのかもしれませんが、あまりにもその傾向が強すぎるような気がします。

 

 

〜総評〜

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先代のA4は、普段の生活ではそのすごさを実感することは難しいものの、ワインディングを走行すると少し意表を突かれます。しかし、それでもドライビングフィールの希薄さは否定しきれません。とどのつまり、運転の楽しさを求めるユーザー向けのクルマではないのではないでしょうか。

私はドライブが大好きです。となるとあまり好みのクルマではありません。しかし、クアトロモデルなら高いAWD性能がありますし、ただリラックスして運転する移動手段として購入するならアリな選択だと思っています。

その場合は他にドライバビリティの高い車が必要になりますが…笑

 

おじ夫婦はこのB8 A4を前期セダンと後期アバントと2台乗り継ぎました。しかし、双方ともにFFモデルでした。もしもクアトロモデルを選択していれば、より長くAudiを乗り継ぐ姿があったかもしれないなと思っています。

Audiはクアトロに限る。FFは選択肢に入れるべきではない。といった趣旨ではありません。

 

 

インテリア    :★★☆☆☆

エクステリア:★★☆☆☆

ドライビング:★★☆☆☆

実用性           :★★★★☆

コスパ           :★★★☆☆

総合評価点    :2.6点/5点満点