りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【回顧】ボルボ XC90 試乗インプレ

今回はボルボXC90に試乗させていただいた際のインプレを紹介させていただきます。試乗の時期は発表直後だったと思います。当時はブログをやっていなかったので随分時差がありますが…(^◇^;)

まあ現行車として販売されていますので参考になればと思います!

 

うかがったのは、いとこがV40でお世話になっていた北関東の某ディーラーさんです。担当のTさんには自分も仲良くさせていただいており、大変お世話になりましたm(__)m


さて試乗車はXC90 T6 AWD Inscription という車両。

エンジンはスーパーチャージャー直列4気筒2.0ℓガソリンターボエンジンです。

つまりターボとスーパーチャージャーで2重に加給しているわけです。

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~エクステリア~

リアはボルボ伝統の縦長テールランプを採用しており、後発のV90などと共通のモチーフのようです。


フロントは最新のLEDヘッドランプ!!当時の他モデルにはLED搭載車はありませんでしたので、ボルボ初のLEDヘッドランプ搭載モデルとなりました!

LEDの配列デザインにはこだわりがあり、北欧神話に登場する"Thor"(ソー)が持つ斧をモチーフとしているようで、Tの字を横に倒したようなカタチになっています(^^)

マーベルコミックスを原作に持つハリウッド映画、マイティー・ソーのあれです!!

昼間の試乗なので輝度などはわかりませんが、おそらくかなりのモノでしょう。

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ボルボ最大モデルであり、ライバルはBMW X5やメルセデスベンツ GLE、レクサスRXというセグメントです。もちろんボディサイズはかなり大きく、間近で見るとその大きさを感じさせられます。

しかし、デザインは全体的にようまとめられており、大きくてもファットな印象はありません。

全体的にはエッジの効いたデザインで、引き締まった先進性とラグジュアリーをうまく兼ね合わせたモノだと思います。

 

~インテリア~

ボルボは当時のモデルだとV40、V40クロスカントリー、S60、V60、V60クロスカントリー、XC60、それから最終モデルのクラッシックを迎えたV70と全モデル共通のデザインコンシャスを採用していました。フローティングセンタースタックに代表されるアレです。

しかし、今回登場したXC90は他のモデルとは大きく違うインテリアデザインを採用しています。フローティングセンタースタックもありません!!笑

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ドアを開けると真っ先に目に入るのはインパネ中央に配置されたナビゲーション画面です。一般的な横長とは違いまさかの縦長。笑ドイツ御三家やレクサスがどんどん横長画面を強調する中、さながら小型タブレットのようなナビを採用したXC90、サイズは違いますがテスラのモデルSを彷彿とさせました笑

ちなみにこの画面、タブレットさながらなのは見た目だけではありません。これまた当時のドイツ御三家などと違いタッチパネルなのです!!スマホと同じ要領で拡大縮小なんかも出来ちゃうんです笑

最近はBMWのiDriveやアウディのMMIなどにも慣れてきたのでそこまで不便はしませんが、やはり直感的に操作できるタッチパネルは使いやすくていいですね(^^)

(現在はタッチパネルに回帰するメーカーもあります。一歩先を行っていたとも考えられますね。今となっては!)

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しかもこのタッチパネル、手袋をしていても操作できるようです!!!冬には極寒となる北欧スウェーデンならではの装備でしょうか?

ちなみにこの画面は車両の設定やオーディオ、エアコン操作などあらゆる機能に関連しており、画面のタッチ操作でそれらの変更が出来るようになっています。


このようにナビ画面にはかなり驚かされましたが、それと同じくらい驚いたのがインテリアの全体デザインと質感です。

先にも書いた通りこれまでの他モデルとは大きく異なるインテリアは全体的によくまとまっており、それでいてスッキリ感やシンプルさはボルボらしさを失っていません。

素材はもちろん全てがアレルギー性ゼロ、相変わらずヒトに優しい車です♪

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ウッドパネルは艶なしのリアルウッド。国産車やドイツ車で主流のツヤありウッドとは一線を画す素材で、スウェーデンらしくボルボらしい温かみのある、木材の素材感溢れるパネルです。

また今回の試乗車はレザーシートを装備していましたが、温もりと華やかさを兼ね備えたタンレザーのシートはシートヒーターだけでなくクーラー機能も備えるベンチレーテッドシートで、長距離移動が想定されるSUVであるこの車種にはぴったりの装備かなと感じました(・∀・)


しかし先述の質感については…笑

写真ではかなりわかりにくく、実物はこの写真よりも良いと思うのですが、いかんせん総額1000万円の大台に近いクルマなわけですから、ダッシュボードの材質やチリ合わせなどもう少しスペシャリティを持たせればより強い訴求力を手に入れられたのでは無いかと残念に思ってしまいました。笑


~ドライビングインプレッション~

そんなこんなでようやっとドライビングに移ります。

まずエンジンスタートですが、こちらも他モデル共通のメーター左上のボタンを押す方式ではありません。シフトノブの手前にあるつまみを"START"と書いてある方向にひねってイグニッションスタートとなります。(ちなみにイグニッションオフの場合は"START"と反対側に位置する"STOP"の方向につまみをひねります)

この方法でのイグニッションは初めてだったので説明を聞くまでエンジンをかけられませんでした(^^;;

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電子式サイドブレーキを解除した後、シフトノブをDに入れて発進します。

ディーラーの駐車場から国道へ出るまでの短距離のデコボコ道では振動をうま~くいなしながら進みます。フワフワで頼りない程でもなく、快適性をスポイルするような硬さでもない、ボルボの得意とするバランス型の乗り心地が、フラッグシップSUVという高い次元でも実現されているように感じました。


国道に出て前後の空きを確認してスロットルに乗せた右足に力を込めます。ちなみに走行モードはEco、Comfort、Dynamic、Off Roadの4つから選べますがこの時は初期状態のコンフォートです。

エンジンは先述の通り、スーパーチャージャー付の2リッターターボエンジン。当時からボルボが推しに推していたディーゼルエンジンではありません。しかも車重は2トンを超えています、加速には期待できないでしょう。

…なーんて考えはすぐさま覆されます(^◇^;)

コンフォートモードで踏み込むとスルスルーッと滑らかに加速します。もちろんミニクーパーS(F56)やV40 D4のようなガツンとパンチのある加速はありませんが、快適な移動空間としてのキャラクターを考えれば十分の加速です。山道での長い上り坂も、高速道路での短い合流区間でもきっと期待に応えてくれると思います。シフトアップもかなり滑らかでオーディオで曲を流していれば音は聞こえず、振動は感じないレベルです。

しかもXC90のアクセル、ブレーキのフィーリングはV40などと同じように遊びが少なく、操りやすいものです。当時のアウディやワーゲンの遊びが多いそれとは違い、BMWやMINIそれからメルセデスから乗り換えた場合は違和感なく操作できるでしょう。


長い直線道路を走りながらダイナミックモードに走行モードを変更します。静止状態からの立ち上がり加速が俊敏になり、シフトアップも引っ張り気味になりますが総合的な加速性能が格段に向上するというわけではないように感じました。しかし高い回転数を維持しながら、カラダに響くようなシフトアップとともに加速する様はなかなか気持ちよく、大型SUVに乗っていることを忘れてしまうかのようでした。

また、視点が高いこともあって速度感が低かったです。つまり、スピードメーターはしっかり見ていないといつの間にやら免停くらい余裕のスピードになっている可能性が十分あるということです。事実試乗コースの国道は上りも下りも白バイがうろうろしていてこっちはヒヤヒヤものでした(^◇^;)

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※ポールスター搭載車だったようです…。笑


メーターと言えば試乗車にはヘッドアップディスプレイが装着されていました。最低限の視線移動でスピードを確認できるという意味でかなりのスグレモノ、のはずなのですが…投影位置が高いのか自分には少し目障りに感じることもありました…笑

もちろんシートポジションなどによっても変わってきますが、時折文字がチラついたり見えにくくなったりもしていたので、投影位置とクオリティはまだ練る余地ありといった感じに自分には映りました。(投影位置もしくはシートポジションをしっかり設定すればいいのかもしれません)

 

 

ダイナミックモードで走行中、小さなRのゆるい高速コーナーにさしかかります。AWDですがかなりの高額車でSUVなので中高速程度でアクセル開度一定のままコーナーにアプローチします。

すると…コーナー途中から前輪のトラクションが抜けたかのようにアンダーが出始めてアタマが外に流れ始めました(TT)それでも落ち着いてアクセル、ブレーキ、ステアリング操作の介入を入れずにその時の状態を維持し続けると、時間にして1秒程度かと思いますが、突然前輪のトラクションが復活して、前輪が向いている方向にアタマを切込むのです笑

電子制御の問題なのかシャーシ性能の問題なのか、初期不良なのかはたまた自分の勘違いか、真相は謎のままではありますが、結局感覚的にそう感じてしまうということはドライバーの不安を煽り安全性を損なうという結果に繋がりかねません。ボルボが目指すところとは正反対に位置する結果と言っていいでしょう。あの程度の速度であの程度のコーナーにアプローチした際にフロントの安定感が失われてしまうというのがXC90の実力であれば、ワインディングを多少のスリルとともに気持ちよく駆け抜けるということはおそらく難しいと思います…。


とはいえXC90はアッパーミドルクラス以上の大型SUV、3列シートまで備えた快適な移動空間としての側面が強いのは事実です。

ボディサイズを考えても、ワインディングを攻めるより、長距離を最低限の疲労でたくさんの荷物とヒトを送り届けるという能力を求めて購入されるオーナーさんが殆どでしょうから、実質的にはそこまで問題ではないのでしょう。

 

~総評~

大型SUVとしてはかなりいいクルマに仕上がっていると思います!!

スポーティカーという位置付けのクルマであればあのコーナリングフィールは頂けませんが、クルマのキャラクターを考えれば納得できます。

デザインも個人的にかなり好みのエッジ感と高級感を持ったモノで、実際に見るとかなりカッコよかったです。BMW X5、メルセデスGLE、アウディQ7、レクサスRX、ポルシェ カイエン、ワーゲン トゥアレグ等々強豪ぞろいのセグメントではありますが、その中でも引けを取らないデザインだと思います!!

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しかし、問題は価格とリセールそしてネームバリューのバランスでしょう…笑

価格は総支払額850万円程度からで、今回の試乗車は約980万円。

先に挙げたライバル勢の中では特に高額というわけではないものの、RXに比べると300万円近く高い設定です。

さらに大きな問題はリセールバリュー。輸入車は全体的にリセールが弱めではありますが、メーカー全体としてのリセールはBMWよりも弱いボルボ。大台に近い額を出して買ったとしてもリセールがかなり不安という感は拭えません。

ポルシェ カイエン等はリセールが強めですから、まだ中古市場にそこまで大量に流れていないとはいえ、大きなディスアドバンテージが見込まれるわけです。しかもライバル勢が掲げる看板はドイツ御三家にレクサス、ポルシェなどなど…となるとボルボは看板負けしてしまいそう。。(TT)

このクラスの車を購入する場合ある程度所有欲をそそる感にひかれるところがある方も多いと思うので、その点現在のネームバリューで言うとボルボは多少不利ではと思います笑

 

さてこのクルマ、自分で検討するなら十分あり得る車です。しかし、この先数年経ってボルボの人気がかつてのアウディのように急上昇してリセールに期待を持てるようになり、なおかつほかにドライビングを楽しめるクルマを所有していれば、という条件付きですが(^◇^;)

 


辛口になってしまいましたが、次世代のボルボを見せてくれるような、そんなチャレンジ精神あふれるいいクルマでした!!

担当営業のTさん、貴重な体験をありがとうございました!

 

インテリア   :★★★☆☆

エクステリア:★★★★☆

ドライビング:★★★☆☆

実用性           :★★★★★

コスパ           :★★☆☆☆

総合評価点    :3.4点/5点満点