りんてつのゆる記〜クルマと日々の思ひ出〜

クルマ好きとしてすくすく育った20代♂りんてつです。試乗インプレや日々のこと、ゆるーく記します。

【回顧】Audi A4アバント(新型) 試乗インプレ

前回の記事ではおじ夫婦が所有していた先代A4に関するインプレを紹介しました。そこで思い出したのですが、点検の際の代車として現行A4に乗ったことがあったのです!!

そこで先代・現行と連投でインプレを紹介しようと思います(・∀・)

代車としてご提供いただいた車両はA4アバント2.0TFSIのFFモデルです。

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※まともな画像がなくてスミマセン…

 

〜インテリア〜

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インテリアはAudiらしいスッキリしたデザインが引き継がれています。

その上、先代と比較するとデザイン性が向上し、個性が程よく引き出されたデザインになったように感じます。水平方向に直線的なパネルを多用し、広々とした印象を与えています。

インテリアライトの配置も先代に比べてスッキリ整理されており、夜間の走行での違和感も大きく軽減しているように感じました。

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先代からの大きな変更点として、メーター内にナビゲーション画面を映し出すことができるようになったというポイントが挙げられます。OP設定の装備ですが、メーターとして使用したりナビとして使用したりと活用方法は様々で、Audiらしい先進的な電装系だと思います。これは他社にも採用の波が広がっており、グループ内にあたるVW等でも採用されています。

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後席スペースは、Dセグメントで一二を争う広さではないでしょうか。インプレ対象はFFモデルですが、A4は縦置きFFですので、VWパサートとは事情が異なります。ボディサイズ自体が大きいとは言っても、この広さはなかなかのモノで、評価すべきポイントでしょう。

また、後席用のエアコンの吹き出し口にも特徴があります。A4のそれには、デジタル式の温度表示パネルが搭載されています。そして、その両脇にあるボタンで温度を上下させることが出来ます。これは他社のDセグメント輸入車の多くに搭載されていない装備です。実際の利便性もさることながら、高級感の演出として重要なファクタと言えるでしょう。

ちなみにA4には1.4ℓターボモデルが存在しますが、これには後席用エアコン吹き出し口自体が装備されていないモデルもあるようなので、検討の際には要確認です!!

シートに言及すると、全体的に薄めの印象があります。と言っても「肉厚ではない」程度ですが。そして何より変わったと思うのが、これまでかなり柔らかめの印象だったシートが硬めになりました。これは個人的には歓迎すべきポイントです!!

座った瞬間の印象はマイナスイメージにつながる方も多いかもしれませんが、長時間の乗車ではこの若干の硬さが活きてくると思います(・∀・)

 

 

〜エクステリア〜

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先代からのプレーンな印象を保ってはいますが、全体的にシャープ感が増したように感じます。この傾向はBMW等他のメーカーでも見受けられますので、クルマ業界全体的な流れなのかもしれませんが、Audiの先進的なイメージの促進に寄与するモノでしょう。

特筆すべき点として挙げない訳にはいかないのが、OP装備として設定されるマトリクスLEDライトです。価格や仕様等詳細は調べきれていませんが、いわゆるLEDアクティブヘッドライトと流れるウィンカーが搭載されます。かなりの光量を効率よく活用できるこの仕組みは、安全性への貢献度が高いモノだと思います。さすがにライト関係はAudi強しです。(笑)

しかし、このマトリクスLEDはOP価格がかなり高額らしく、選択する方が必ずしも多いとは言えないようです。デザイン面でも差が出ますし、リセールにも影響しますが、そこは各オーナーさん次第といったところなのでしょう。

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リアビューに関しても、やはり先代と比較してよりエッジが効いている印象があります。それでいてイヤミのないデザインを作り上げるあたり、VWAudiは上手いですよね〜。より訴求力のあるデザインを手に入れた感があります。

 

 

〜ドライビング〜

一晩このA4を走らせてみると、走りの面でも先代よりエッジが効いているように感じました。Audiらしい柔らかな乗りごごちはもちろん維持されていますが、脚周りの頼もしさが上がっているというか、踏ん張りが効き始めるポイントが早くなっている印象を受けました。

タイヤの扁平率に大きな差はなかったので、全体的な味付けが変わった考えて問題ないでしょう。

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また、先代に対して好感が持てたのがトランスミッションです。先代ではFFモデルにはCVTが搭載されていましたが、今回からはFFモデルにもSトロニックが搭載されています。これはA3等にも反映されていますので、今後Audiは全車Sトロニック搭載の方針でいくということでしょう。

ダブルクラッチトランスミッションはエネルギー効率が高いのみならず、ドライバビリティも高次元で両立できるということから、世界的に高い人気を誇っていますよね。

ちなみにSトロニックの味付けには、やはりAudiらしさが出ていました。変速は非常に素早くて異論はないのですが、エンジンブレーキは効きが良くありません。これは燃費性能向上のために多くのメーカーで見られる傾向ですが、個人的にはあまり歓迎できません。普段の運転やワインディングでエンジンブレーキを多用しない方なら違和感なく運転できるかと思います!!

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加速感に関してはこのエンジンで問題ありません。BMWの320iよりも力強い印象すら受けました。ちなみに1.4ℓターボモデルの試乗経験もありますが、街乗りメインの使用であればこちらでも問題ないくらいです。

また、コーナリング性能も向上しています。「FFだからコーナリングは弱い」というような理論は最近役に立ちませんが、その中でもやはりナチュラルなフィーリングの作り方が上手いように感じます。柔らかめながらも芯のある脚周りがしっかりとボディを支えてコーナリングしていきます。

さらに先代では気になったアクセルとブレーキの違和感も解消されており、全体的にドライバビリティが向上しています。極低速域ではSトロニックのギクシャク感が感じられますが、これはDCTの特性ですし、他のモデルと比較すればそのレベルは高いと思います。

今回の試乗はFFモデルでしたが、クアトロモデルの性能が楽しみになる完成度です!!

 

 

〜総評〜

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A4、特にFFモデルは、先代と比較すると大きな進化を遂げたと思います。

先代までのA4といえばDセグメントで最も快適性に寄ったセッティングであり、脚周りもステアリングもペダルも全てが柔らかく、とにかくフワフワした印象が強かったものです。しかし、今回のA4は芯があってシャキッとした印象があります。しかもそれでいて快適性が落ちた感覚がないのが関心するポイントです。

他のDセグメントサルーン・ワゴンに対して価格設定が高すぎるのが原因か、街中での遭遇回数は圧倒的に少ないですが、クルマとしてはいい完成度だと思います。やはりライバルメーカーよりも50〜100万円高い設定は厳しいかと思いますので、ここからコストダウンが楽しみでもあります。

なかなかドンピシャなモデルが見つからないAudiですが、個人的にも欲しくなるような車両でした!!

 

総評

インテリア    :★★★☆☆

エクステリア:★★★★☆

ドライビング:★★★★☆

実用性           :★★★☆☆

コスパ           :★★☆☆☆

総合評価点    :3.2点/5点満点

【回顧】Audi A4アバント 試乗インプレ

さて、今回はAudi A4アバントの試乗インプレッションを紹介したいと思います。

と言っても現行型のインプレではありません(^◇^;)先代にあたるB8型のA4アバントで、2ℓターボエンジン搭載のFF車両です。こちらは近所に住むおじ夫婦が昨年まで使用していた車両で、約5年に渡って頻繁に運転しておりましたので、前回のゴルフ同様の長期インプレとして読んでいただければと思います!!

対象車両の詳細としては、A4アバント2.0TFSIです。

ベースグレードの車両で、FFモデル、ミッションはCVTを搭載しています。

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一番手前に映る白い車両が、今回のインプレの対象車両です。

 

〜インテリア〜

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インテリアはシンプルなデザインです。特にブラックインテリア+アルミパネルの組合せですので余計にその印象が強かったかもしれません。個人的には「味気ない」印象がありましたが、キレイなデザインですので、一般的に高評価を得ているようです。

しかし、私としては高級感のあるデザインであるとは感じられませんでした。たとえレザーOPを選択してもインパネ部分が素っ気ないように感じます。Audiの先進的なイメージを具現した結果なのかもしれませんが、現行型と比較するまでもなくライバル勢には引けを取っていたと思います。

また、夜間のドライビングではインテリアライトの軽さと配色が気になりました。エアコンの操作部等に赤と青のライトがたくさん配置されています。これは温度調整等を直感的に行えるようにする工夫と、先進的なイメージを与える為の工夫の結果だと思います。しかし、赤と青(しかもハッキリした色合いの)のライトが密集して混在する状況は、夜間の走行においては非常に目障りです。

明るさを調整すれば緩和されますが、走行上の疲労感等に関係する項目ですので、安全性向上の観点からしても要改善と感じていました。

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※S-lineパッケージ装着車の後席です。

後席スペースに関しては特段狭いということもありませんが、広いとも言い難い、クラス標準的なスペースです。座面長は長めに取られているので、w205Cクラス(現行型)と比較するとアドバンテージがあるかと思います。

ちなみに私自身はあまり後席を使用しなかったのですが、おば曰くF30 3シリーズの方がシートバックの角度が寝ていて、長時間乗車ではF30に軍配が上がるとのことでした。

 

最後に、全体的な質感の印象について言及します。

現行モデルは別としての話ですが、先代モデルまでの内装に関するインプレで「内装の質感はジャーマン3ではAudiが優位」との意見を持つ評論家が散見されたように思います。

この点に関してはあまり賛成出来ません。この意見を見た中で一番最近のものでは、w205前期CクラスとF30前期3シリーズ、そしてB8後期A4が比較されていました。たしかにF30 3シリーズがA4に対して質感の面でアドバンテージを持っていたとは思いません。しかし、w205Cクラスに対して明確な優位性を持っていたかというと、断言するのは難しいかと思います。

Audiのインテリアは質感が高いという点に異論はありませんし、先述の評論を目にしたことなどないという方も多いかもしれませんが、その意見を参考に中古車を検討されている場合には、ご自分の目で確認することをオススメします!!

 

 

〜エクステリア〜

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シンプルでプレーンなデザインは外装にも反映されています。ゴテゴテした印象はなく、華美で押しの強い感じがありません。これは個人の好みの域になってしまいますが、このデザインに惹かれる方も一定数いらっしゃるでしょう。

ライン状に配置したLEDをスモールするなど、Audiが世界に広めて各社が模倣するデザインが散見されます。特にライト関連に関してはAudiは先進的で、競合他社に対してパイオニア的な存在になっています。この点はスゴイですよね〜。先日新型A7スポーツバックを拝見した時に「テールランプに有機ELパネルが搭載されている」という事実を知り、驚愕したことは印象的です。LEDすら時代遅れとなる世の中が来ようとは…(^◇^;)

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本題から脱線してしまいました(笑)

リアから見ても、やはりデザインはシンプルでキレイな印象です。それでいて流麗な印象が感じ取れます。あまり強いプレスライン等が配置されていないことも寄与しているかもしれませんが、統一感のあるデザインだと思います。

個人的にはもう少し個性的というか…押しの強いデザインの方が惹かれる気がしますが、これはこれで秀逸といった評価もあるでしょう。特にライバル勢と比較すると控えめであると言ったことから、このA4を選択するオーナーさんもいらっしゃるようです。

 

 

〜ドライビング〜

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いよいよドライビングインプレッションです。ここで再度詳細な仕様を確認します。

車両はA4アバント 2.0TFSIのFFモデルです。搭載エンジンは直列4気筒2.0ℓターボエンジンで、トランスミッションCVTです。

走行性能の全体的な印象を先にお伝えすると、運転が楽しいといった類のものではありません。

まず、アクセルONから加速までのレスポンスがよくありません。CVTの特性と快適性のための制御の双方からくる傾向かもしれませんが、けっこう極端にレスポンスが悪いです。個人的には好きじゃないですねー笑

ちなみにブレーキのフィーリングもナチュラルとは言えません。踏んだら踏んだ分だけ効くようなブレーキではありませんので、慣れが必要です。ブレーキの性能自体は高いので、残念な部分です。

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※右手のハリアーが来て、A4は旅立ちました。

しかし、走行性能自体が低いということはありません。

ワンツーツー(122号線)から大笹牧場に続くワインディングを運転したことがあります。その際にはやはり完成度の高さを感じました。ボディの剛性が高く、柔らかめながらも踏ん張りの効く脚周りも相まって軽快にコーナーを抜けていきます。もともとエンジンを縦置きで搭載するという割合珍しいタイプのFFであるのが特徴的ですが、AudiのFF車は「いかにもFF」といったようなアンダーステアが押さえ込まれているのが特徴として挙げられます。この特徴はB8 A4にももれなく反映されています。

Dセグメントワゴンとして他に大きなディズアドバンテージのない走行性能があるだけに、CVTの非ダイレクト感やアクセル・ブレーキのレスポンスの悪さ等が残念に感じられます。

ちなみにこの脚周りと剛性から来る性能は、ワインディングを走行して初めて感じました。街中での走行ではレスポンスが悪くてハンドルも軽くて、インフォメーションの薄い車という印象でした。ステアリングはかなり軽いです。思った以上に回ってしまうような感覚もあり、この点も慣れが必要でしょう。

いいモノを持っているのに、それが感じ取りにくい。これは個人的には残念に思います。もちろんクアトロモデルを選択すればSトロニックに伝家の宝刀クアトロシステムが搭載されますので印象も大きく変わります。

しかし、このドライビングフィールの全体的な希薄感はAudi全モデルに共通するモノかもしれません。なんだかこう…オブラートに包まれたような感覚です。これがAudiの考える「快適性」に繋がる要素なのかもしれませんが、あまりにもその傾向が強すぎるような気がします。

 

 

〜総評〜

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先代のA4は、普段の生活ではそのすごさを実感することは難しいものの、ワインディングを走行すると少し意表を突かれます。しかし、それでもドライビングフィールの希薄さは否定しきれません。とどのつまり、運転の楽しさを求めるユーザー向けのクルマではないのではないでしょうか。

私はドライブが大好きです。となるとあまり好みのクルマではありません。しかし、クアトロモデルなら高いAWD性能がありますし、ただリラックスして運転する移動手段として購入するならアリな選択だと思っています。

その場合は他にドライバビリティの高い車が必要になりますが…笑

 

おじ夫婦はこのB8 A4を前期セダンと後期アバントと2台乗り継ぎました。しかし、双方ともにFFモデルでした。もしもクアトロモデルを選択していれば、より長くAudiを乗り継ぐ姿があったかもしれないなと思っています。

Audiはクアトロに限る。FFは選択肢に入れるべきではない。といった趣旨ではありません。

 

 

インテリア    :★★☆☆☆

エクステリア:★★☆☆☆

ドライビング:★★☆☆☆

実用性           :★★★★☆

コスパ           :★★★☆☆

総合評価点    :2.6点/5点満点

【速報】VW ゴルフ7.5 試乗インプレ

今回の記事では、VWの現行型ゴルフのインプレッションを紹介します!!

対象車両はゴルフ7.5 highlineです。直列4気筒1.4ℓターボエンジンを搭載する車両で、GTI等ハイパフォーマンスモデルを除くと最上位にあたるモデルです。

この車両は私のいとこが昨年6月ごろに購入した車両で、週1回は運転の機会がありますので、長期インプレッションとして見ていただけると思います!!

※長期インプレにも関わらず、画像は拾いモノばかりですみません(^◇^;)

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〜インテリア〜

VWゴルフのインテリアは「質実剛健」を具現化したような印象があります。実用性を欠くことはありませんが、華美な部分はなく、ハイラインの内装でもラグジュアリーを感じさせるような側面はありません。

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しかし、この点に関しては私はマイナス評価はしていません。決してチープなわけではありませんし、質感に問題があるということもありません。それにジャーマン3等と比較すれば低価格な車両ですから、VWのキャラクター的にも間違ってはいないのでしょう。

高級ブランドではなく、スタンダードブランドという立ち位置の中で、シンプルでスタイリッシュな上手いテイストを生み出していると感じています。全車種のインテリアデザインが酷似している点に関して、アルテオンについては車両価格的に不満を感じましたが、ゴルフの車格的には十分という側面もあります。

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正面から見ると、そのプレーンなデザインがよくわかるのではないでしょうか。デザイン性はそこまで高くないですが、操作系の配置は実用性が高く、イヤミのないデザインとともに好印象を与えます。

上記の写真はOPのレザーシートが装備されていますが、ブラウンレザーを選択してもシートカラーのみへの反映となる点は少々残念に感じるポイントです。インパネ等にも若干ブラウンを散りばめてもらえると統一感のある印象になると思うのですが、ここはゴルフとしての限界ということでしょうか。

 

ちなみにいとこのゴルフはレザーOP非装備ですので、異素材コンビのブラックファブリックシートインテリアとなります。ゴルフではレザーを選択するオーナーさんは少ないらしいので、ハイラインの大部分と同様のインテリアということになります。肌触り等も悪くなく、シートの質感も十分デス。

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シート形状に関しては「万人ウケする」形状といったところです。特にサポートが強いとか、座った瞬間に硬さもしくは柔らかさを感じるようなシートではありません。しかし、根本的な作りは問題なく、長距離ツーリングでも身体に支障をきたすようなことはありません。普通だけれども良く出来た、そんなシートです。

後席スペースに関しては、Cセグメントとして標準的なものだと思います。特に高評価できる点はありませんが、その反面、特段定評価となる部分もありません。

 

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ラゲッジスペースはこんな感じです。フロアがある程度低く設計されている上に、側面の絞り込みが大きくないので、スペースが有効に活用できる印象です。キャンプ等での使用では不足を感じる場合もあるかもしれませんが、普段の生活においては不満を抱くシーンは少ないでしょう。ワゴンボディを持つヴァリアントの設定もありますので、広いラゲッジをご希望の方にも対応可能です。

 

最後に低評価のポイントを紹介しますと、ナビゲーションはあまり上出来とは言えません。画面は割とキレイですし、iDriveやコマンドシステムのようなややこしさのない完全タッチパネル構成は実用面では高い評価を予想していました。しかし、なんせナビゲーションの案内がわかりにくいです。交差点での画面分割の詳細案内も小さくて見にくいですし、案内のタイミングも遅めの印象です。

いとこの車両はテクノロジーPKG装着車ですので、メーター部分にもナビを表示出来ますが、この画面はインパネのナビと同様のものですので、特に優位性を発揮するようなものではありません。

まあスマホのナビアプリを代用したり、その画面をナビに反映させることも出来ますので、本体の性能はそこまで重要視されていないのかもしれません笑

 

 

 

〜エクステリア〜

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エクステリアもインテリア同様、非常にシンプルです。プレーンなデザインは流行りの直線的なエッジの効いた印象を与えてはいますが、そこまで凝った作りこみと言った感じではありません。しかし、VW、特にゴルフに関してはこのデザインがいいのだと思います。

まず、純粋にカッコいいデザインだと思います。プレーンなデザインは非常にキレイで、清楚といった印象です。それでいてつまらないデザインではありませんし、好みが大きく別れるようなこともないのではないでしょうか。エッジの効かせ方もうまいと思います。程よくシャープな感じが好印象です。

また、こと日本国内市場においては、輸入車にも関わらず悪目立ちしにくいという点は有利に働く機会が多く想定されます。押し出しの強いガイシャが悪く作用するシーンもありますので(^◇^;)

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リアから見ても、全体的な印象に変化はありません。シンプルで清楚なデザインです。

Cピラーが太くて力強い印象を与えてくれるのは、個人的には好きなポイントです。衝突安全性確保等様々なファクターから来る太さであると想像しますが、Cセグメントのライバルと比較してもドッシリとした印象を与えているような気がします。

 

リア周りで気になる点として、バックモニターが挙げられます。Rギアを選択するとバックモニターが作動しますが、このカメラがリアのVWエンブレムの裏側あたりに搭載されています。つまり、エンブレムが若干回転して、カメラが出現するということです。

実際に使用してみると動作は素早く、特段問題はありません。しかし、万が一故障した場合にはどうなってしまうのでしょう…特にカメラが出現した状態で動作異常が出てしまうと困ります。エンブレムが回転した状態で止まってしまうのは不恰好ですし、このエンブレムはラゲッジドアの開口スイッチにもなっていますので、ハッチが開けられないという事態にも直結する可能性があります。

何かしらの対応策がとられている可能性もありますが、長期所有を想定しているいとこも気にしているポイントです。

 

 

〜ドライビング〜

ようやくドライビングインプレッションです。笑

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ハイライン車両は前述の通り直列4気筒1.4ℓターボエンジンを搭載しています。下位グレードにあたるコンフォートライン・トレンドラインは1.2ℓターボですので、この点で走行性能には差が現れます。また、詳細は記載を省略しますが、サスペンションとミッション(DSG)にも明確な違いがあります。総括的に、ハイラインはコンフォートライン以下2モデルと比較して走行性能に優位性があるということが言えます。この点はグレード選択の際に押さえておきたいポイントです。

 

実際の走行性能に関しては、期待値を超えてきたというのが正直名印象です。

1.4ℓターボエンジンはその車体を軽々と引っ張っていきます。スポーツモードを選択するとさらにレスポンスも向上して気持ちのいい加速を体験できます。(モード選択もハイライン以上のみ装備される機能です。)もちろん圧倒的なパワーを持っているわけではありませんが、高速で流れをリードすることも簡単に出来ますし、合流での素早い加速にも対応してくれます。

この加速に関しては、VWが長きに渡って採用してきたダブルクラッチトランスミッションであるDSGも寄与していることでしょう。多くの輸入車メーカーに対してこの分野では一日の長を持つVWですが、その完成度は上がってきています。変速は非常に素早く、タイムラグを感じさせません。シフトアップ・シフトダウン共に気持ちよく決まります。

低速域でのギクシャク感に関してはやはり皆無とは言えませんが、改良を重ねてきたことが伝わってくる完成度は感じられます。トルコンATのようにはいかないのは確認した上での購入をオススメしますが、この点が大きなネックになるとは思いません。

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しかし、個人的に心配なのがDSGの耐久性です。二つのクラッチを持つMTの自動操作機構的なシステムであるダブルクラッチトランスミッションは、トルクコンバータ式ATと比較して、その耐久性への懸念が消しきれません。特に中古で購入する場合、前オーナーの扱いが大きくその後を左右するファクタになります。DSGに限った話ではありませんが、なるべく半クラ状態を短くしたり、前進後退の切り替えの際に確実に停止することを心掛けたり、そういった細かな気遣いが後々大きな違いを生む可能性は大きくあります。私はこれをトルコン式ATの操作の際にも心掛けています。

ある程度の歴史と、多くの販売実績に対して、心配しすぎているのかもしれませんが、やはりトルコンの方が安心感があるのは事実です…

 

DSGへの言及が長くなってしまいましたが、ゴルフの走行性能はワインディングでも十分納得の出来栄えです。弱アンダーの味付けで、安定感を持ってコーナーを抜けられます。輸入車Cセグメントとしてはしっとりめの脚回りがしっかり路面を掴んでくれるので、安心感もあります。コーナリング中のブレーキ操作があったりしたも、姿勢を大きく乱すことなく受け止めてくれます。

刺激的な一面はありませんが、全体的に基本がシッカリしていて、安心して走らせられます。

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高速域では若干弱みが見られるのも事実ですので、紹介しておきます。

90km/hを超える速度域で道路の継ぎ目を超える等の大きな入力があると、リアの収束に時間がかかります。ホイールベースが短いハッチバックですので、その傾向が顕著である可能性もありますが、Cセグメントのライバルと比較してもこの点では後塵を拝していると言って間違いないでしょう。

そこまで安定感を失うような挙動ではありませんが、もう少しはやい収束を望みたくなるのも事実です。

 

しかし、総合的に考えてこのゴルフの走行性能は高いと言っていいでしょう。剛性が高くて塊感の強いボディが、動きのいい脚回りと上手くマッチしており、エンジン性能もDSGも積極的に走りを楽しませてくれます。この感覚はあまり予想しているものではありませんでした。

 

 

〜総評〜

ゴルフはとっても気に入っている1台です。

日常の生活に華を添えてくれます。それでいて日常のなにかを犠牲にすることはありません。少しおしゃれで安全性が高くて、積極的な走りにも応えてくれます。まさにマルチな乗り物です。

燃費は実測で街乗り16km/ℓ前後、高速での最高値は23km/ℓを超えています。これなら奥さんも納得です(・∀・)

何より驚いたのが走行性能です。なんとなくツマラナイ走りを想像していたのが申し訳ない気がします(笑)BMW1シリーズが「そこまで車好きでない人にもクルマの運転の楽しさに気づかせてくれるクルマ」と表現されるとすれば、このゴルフは「低価格なのにBMWやポルシェオーナーも納得の性能を持つクルマ」といったところでしょう。

 

インテリア    :★★★☆☆

エクステリア:★★★★☆

ドライビング:★★★★☆

実用性           :★★★☆☆

コスパ           :★★★☆☆

総合評価点    :3.4点/5点満点

【速報】カムリ 試乗インプレ

先日TOYOTA カムリの試乗の機会を得ましたので、その際のインプレを紹介します!!

カムリと言えば先代クラウンを超えるボディサイズを持つFFビッグセダンです。ハイブリッド専売となったこのカムリはいかがなものでしょうか?

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〜インテリア〜

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インテリアは次世代のトヨタを象徴するようなシフト周りのデザインと、高級セダンらしいトラディショナルな印象を両立しようとした感が見て取れます。

しかし、車格的にも微妙な立ち位置と言わざるを得ず、その質感は微妙…といった印象です。

木目調パネルは艶に違和感がありますし、全体的にチープな感じが漂っています。本革モデルのインテリアも拝見しましたが、こちらは滑りやすい印象が強く、個人的には好みとは言えませんでした。

全体的に写真で見るといい感じですが、実際に乗り込んで見ると評価が下がるといった感じでしょうか…ラグジュアリーセダンとも言い難い車格なので評価は難しいところですが、個人的に惹かれるインテリアではありません。

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また、どうしても受け入れがたいのが、シートのデザインです。実用性の面では不満はありませんが、三角形を多用したようなデザインがなんとも違和感を覚えさせ、馴染みませんでした。座ってしまえば見えない部分ですが、なぜカムリだけこのようなデザインを採用したのか疑問です…

 

ここまで厳しい見方となりましたが、室内空間の広さには驚きました。左右方向に余裕があるのはもちろんですが、後部座席の空間にも余裕があります。インテリアの質感が高ければショーファーとしても利用できるレベルですし、現状でもタクシー等の需要があるように感じました。

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ステアリングも握りやすく、デザインは若々しさを意識したものですので、ある意味で年齢層の高いユーザー様からの評価は高いのかもしれません。

 

 

〜エクステリア〜

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エクステリアも独特の雰囲気を醸し出しています。

ぬるっとしたというか…なんとも言い難いデザインですね笑この違和感が「良い意味の違和感」と言うには無理があるような感じがします(^◇^;)正面から見ると最終型のマークXに似ているのかもしれません。若干ですが…

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リアから見てもなんとも個性的なデザインです。最近のトヨタが好きな(?)ライトの端が上やら下やらに伸びたデザインで、こちらも個人的には好きになれません笑

シルエットで見ると流麗で良いデザインだと思いますが、なぜこのようなディテールを採用したのか…理解に苦しみます(^◇^;)

 

 

〜ドライビング〜

さて、いよいよドライビングです。

搭載するエンジンは直列4気筒2.5ℓ+モーターのハイブリッドシステムです。

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このエンジンの出来の良さには驚きました。スムーズかつパワフルなエンジンです。本当にパワフルです。笑もちろんハイパワーセダンのような荒々しいほどの加速は期待できませんが、アクセルを踏み込むことなく滑らかに車体を前に押し出すような印象で、トヨタらしい運転しやすいセッティングです。

今回の試乗では60キロ/h程度までしか試していないので、上がどこまで伸びるかは分かりません。しかし、カムリの性質上、今回試した範囲での性能があれば十分かと思います。

 

また、搭載されているCVTの出来も上々です。実にスムーズでシームレスなのはCVTらしさ全開です。しかし、それだけに留まらず、パドルシフトを引くとなかなかの減速感が生まれます。このエンジンブレーキはいい感じでした!!個人的には好みです。笑

今回はワインディングは試せませんでしたが、ちょっとワインディングインプレもしてみたくなるクルマでした。

 

 

〜総評〜

カムリ…実はもともとのカムリやウィンダムは好きでした。

北米らしさ全開のFFサルーンで、広い室内空間で快適ドライブ。ふわふわのサスペンションでコーナリング性能は高くはないものの、それとは縁のない性能で勝負するといったところに魅力を感じていました。

しかし、今回のカムリはガラッと印象を変えてきたわけです。若返りを果たして、スポーティさを手に入れました。デザイン的には難ありですが、これから改良の余地ありですし、不人気と言われるセダン市場でどうにか頑張ってほしい一台です!!

 

インテリア    :★★☆☆☆

エクステリア:★★☆☆☆

ドライビング:★★★☆☆

実用性           :★★★☆☆

コスパ           :★★☆☆☆

総合評価点    :2.4点/5点満点

高遠城の桜を見てきました!!with 320d

今週は仕事の合間を見計らって桜を見に行ってきました!!

関東はすでに満開を越えてしまっているということで、選んだ目的地は長野県は高遠城址です。

あまり詳しくはわかりませんが、廃藩置県によって高遠城がなくなり、それを偲んだ藩士たちが桜を植えたことから、高遠の桜の歴史は始まるようです。

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駐車場に到着した段階から桜がお出迎えしてくれました!!

平日にも関わらず臨時駐車場まで満車状態で、桜の経済効果の大きさを思い知らされたと言った感じです(笑)長野県内ナンバーの車両も多くいらっしぃましたが、関東各地のナンバーを付けた車両もたくさんいらっしゃいました。AUDI S3セダンやレクサスNX、レンジローバーイヴォーク、BMW3シリーズ等々、私の好みの車両もたくさんいらっしゃってました笑

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上述の通り、高遠城の桜の歴史は、廃藩置県によって高遠城がなくなったことに端を発するようです。高遠城を偲んだ藩士たちが城址に植えた桜が、今の姿の礎を築いたわけです。最初に植えられた桜は現在の桜の極一部であり、その後たくさんの桜が植えられた結果、狭いエリアに1500本もの桜が咲き誇るという絶景が生まれたのです。

また、高遠の桜は日本で楽しまれる桜として一般的なソメイヨシノではありません。タカトウコヒガンザクラという品種で、ソメイヨシノよりも赤みが強いのが特徴です。それにより、鮮やかでボリューミーな景色を楽しめます。ソメイヨシノの淡い色合いも素敵ですが、これもまたいいモノです!!

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さらに天気が味方してくれたのが非常に嬉しかったです(笑)

最高気温は18℃を超えていましたし、雲ひとつないと言っても過言でない晴天に恵まれました。そんな日に満開が重なったのはなんともラッキーです(・∀・)

美しい空の青と湖の青、そこに満開の桜のピンクが重なって織りなすコントラストはまさに絶品でした!!こんな景色を毎年見るチャンスを持つ日本人に生まれたことを幸福に感じました笑

 

一通り桜を見た後、昼食をとるべく商店街に移動しました。昼食は高遠そばと決めていましたので、ネットで評価の高いそば屋さんを探して向かいました。

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12時を回る前でしたが、すでに軒先には数人の観光客の方々が並んでいらっしゃいました。列に並ぶと案外はやく名前を呼ばれ、店内に入ることができました。

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注文したのは高遠そばと天ぷらのセットです。細くて喉越しのいいそばと、揚げたてサクサクの天ぷらは相性抜群で、なかなかの量のそばもあっという間に平らげてしまいました(笑)

しかし、このお店の高遠そばの一番の特徴はなんと言ってもそのつゆにあります。

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このように2種類のつゆが付いてきますが、左のモノは焼き味噌ベースのつゆです。そばに味噌というと意外な感じがしますが、これに辛味大根をたくさん入れて食べるととっても美味です!!味噌と出汁の味がどちらも強すぎず、バランスのいい味わいでした。

また、右側のつゆはクルミを使ったモノです。こちらも想像しにくい味ですが、クルミと出汁がマッチしており、まろやかであさっりとした感じでそばを味わえます!!

美味しくて蕎麦湯までしっかり頂きました笑

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ちなみに商店街から一本裏手に入ると建福時というお寺がありました。階段を登ると、高遠城の横に広がる山々を望む景色を眺めることができます。また、守屋貞治という高遠出身の石仏師の作品が多く残っており、それらを拝むことができます。非常に良好な状態でたくさんの石仏が残されており、とても興味深かったです。

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そんなこんなで高遠を堪能した後、高島城公園に移動しました。こちらは諏訪湖の側に位置する公園で、高島復興公園と言われているようです。高遠城址のように広いわけではありませんが、天守閣と公園、に加えて池とお堀もあり、なかなかの景色でした!!

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※逆光で悲惨ですね…笑

ちなみにこちらの高島城公園にも桜が植えられておりますが、こちらはまだ開花の時期を待っている状況でした。これからの時期に長野で桜を楽しみたい方にはオススメかもしれません!!

 

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こんな感じで長野までの旅路を行ってきた結果ですが、平均燃費は19km/ℓを越えました!!暑い1日でしたのでエアコンを丸一日使用したにも関わらずこの燃費ですので、十分満足です(笑)

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渋滞に巻き込まれることもなくいいペースで走り続けられたので、ドライブとしても非常に気持ちのいいものになりました。その対価と言っては難ですが、我が家の320dのお顔にはたくさんの虫さんたちの亡骸が付いてしまっていました(^◇^;)

【番外】トヨタ・スープラ・入社式とその考察

豊田社長がスープラのエンジンを吹かすという演出を行ったトヨタ自動車の入社式が話題になりましたね。YouTubetwitter等でもある程度知名度のある方が、この件に関して意見を発信し、バズっていました。

この件に関して、私もイチ車好きとして考察してみようと思い、この記事を書くことにしました。

ちなみに私はトヨタ信者ではありません。正直にいえば好きなトヨタ車は非常に少ないです。

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このYouTubetwitterで発信した内容をご存知の方は多くいらっしゃるかと思いますが、考察のためにも以下にその内容を要約してみます。

twitter

トヨタ自動車の豊田社長が、入社式会場に持ち込んだスープラのエンジンを掛けて吹かすという演出をした。密閉空間でエンジンを吹かすというのは健康上よろしくない。新入社員にそのような歓迎をするトヨタ自動車は時代錯誤な考えの会社だから、はやめに転職を考えたほうがいい。」

YouTube

「現在の自動車業界には、全体的に電動化の波が来ている。アメリカではTeslaが非常に普及しているし、これは社会と世界の流れとして間違いない。しかし、トヨタ自動車は未だにスープラのエンジン音をひけらかして喜んでいる。そんな経営陣は時代錯誤で無能だ。かつてフォルクスワーゲンが窮地に立たされたように、このままではトヨタ自動車も長期的視点では非常に不安がある。現経営陣は退陣すべきだ。」

このように要約して問題ないかと思います。もしも発信者様の意図と大きく異なる点があれば、申し訳ありません。

 

 

トヨタの入社式について〜

上に挙げた発言内容について、いくつかの項目に分けて考察していきます。まずはトヨタ自動車の入社式での出来事についてです。

これに関してはtwitter場でも様々な意見が交わされた模様ですね。クルマが大好きな私個人としては、この演出は粋なモノだと感じました。他社ではまず行われないことでしょうし、クルマを五感で感じるということは、クルマの魅力を深く知るために大切なことだと思っているからです。

しかし、トヨタ自動車という世界的大企業の動きとして考えると、非常識との指摘を受けても仕方がないと思います。なぜならこの演出は不可欠なものではなかった上に、このような批判を受ける可能性が十分に予測できたからです。情報過多とも言われる現代において、大きな流れとなりかねない批判を予め回避する策を取る必要が企業にはあるのではないでしょうか。それは会社自身のためであり、世界的大企業であればなおさらのことでしょう。

 

 

〜今後の自動車業界について〜

次に、これからの自動車業界を電気自動車が席巻するということ、そして、エンジンを積む自動車はどうなるのかという点について考察します。


◯電気自動車が席巻するのか?

この点に関しては、大まかにはそのような流れになっていくと思います。クルマ好きとしてはどこか寂しい気もしますが、仕方のないことです。限りある資源であるガソリンや軽油を燃やし、地球温暖化につながる二酸化炭素を排出して走るという仕組みが、前時代的なものになるのは時間の問題でしょう。

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しかし、この流れが本当に地球環境に対しての貢献になるようにするためには、いくつか乗り越えなければならない壁があるのも事実です。件の発信者様も触れていましたが、まずは「電気自動車に供給する電力の多くが火力発電によって生み出されている」という事実に端を発します。火力発電を用いて発電しているということは、その電気が発生する段階で化石燃料が使用されているということに他なりません。エンジンがガソリン等の燃料からパワーを発生させる効率と、火力発電の発電効率の比較は難しいところがありますが、火力発電の効率を上げるに越したことはありません。それに加えて、発電方法の主流を火力発電からその他の方法へとシフトしなければ根本的な問題解決は図れません。

また、この議論よりもさらに問題となるのが、電気自動車の生産段階における環境へのダメージです。電気自動車にはエンジンやトランスミッションが搭載されていません(多くの場合)が、そのかわりにモーターやバッテリーが積まれています。特に大容量で耐久性の高いバッテリーは開発が難しく、大きな課題の一つです。そしてこのバッテリーの生産には多くの電力に加えてレアメタル等の素材も必要になります。レアメタルは掘削に非常に大きなエネルギーを必要とし、その段階で多量の化石燃料や電力を必要とするのです。レアメタルの再利用技術も進んでいますが、それでも足りない分(多くの分量)を新たに掘削・抽出する必要があることに変わりはないのです。

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このように(上記内容でも完全に不十分ではありますが)電気自動車がもたらす環境への影響(プラス面マイナス面双方)は、開発・生産段階から考えなくてはならない、非常に複雑な問題なのです。「石油関係の利権を持つ者の発言に惑わされるな」といった主張もありましたが、それを抜きにしても簡単に比較できるものではないのです。事実、私自身もこの記事を書くにあたってその問題の複雑さと自分の知識不足を痛感しました。

内燃機関自動車と電気自動車の比較にここで答えを出すことはできませんが、ある程度知名度と注目度のある方であるからこそ、今回の発言にはエビデンス不足を感じています。


○エンジン搭載車のこれから

おそらくこれから電気自動車の割合は格段に高くなる、これは上述の通りの見立てを持っています。ではガソリン車等の内燃機関車は消滅するのでしょうか?

私は消滅することはないと思っています。なぜならそこに「ガソリン車を愛する人たちがいるから」です。クルマ離れが叫ばれるこの時代においても、一定数のクルマ好きが存在するのは確かです。そしてそのうちのさらに一定数はエンジン音が好きであったり、エンジンの回転フィールを楽しんでいます。世の中にニーズがある以上、ビジネスの世界でこれが完全に見捨てられることはそう簡単にはないはずです。

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しかし、多くの国家で規制がかけられるのも事実です。それではどのようなカタチで生き残るのか?それは「高級趣向品」としての道だと思います。つまり、多額のお金を払ってでも手に入れたい人だけが購入できる、高級品になるということです。ポルシェやフェラーリランボルギーニ等をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。上に挙げた3社も環境性能向上に取り組んではいますが、おそらく純然たるスポーツカーも長期に渡って生き残るように計らうはずうです。

内燃機関車が圧倒的少数になれば環境への悪影響は抑えられますし、国はそこから多額の税収を上げる制度を作ることもできます。そしてそのメーカーも利益を上げることが出来る、おそらく問題の少ないサイクルが出来上がるのではないでしょうか。

 


〜なぜトヨタが件の演出を行ったか〜

ではなぜトヨタスープラのエンジンを室内で吹かすような行動に出たのでしょう。それは、トヨタが上記のような「高級趣向品であるスポーツカー」を生産し続ける意志があるからなのではないでしょうか?いや、もしかするとそれらを主力とするメーカーへの転身(もしくはブランドの立ち上げ)が視野に入っている可能性も完全否定はできません。

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最近のTVCMで豊田社長も競走馬の例を用いて話をしていますが、クルマ好きの1人である豊田社長は、スポーツカーを自社のラインナップから消し去りたくないのだと思います。公私混同との声もあるでしょう。しかし、好きなことで大成した経営者はたくさんいます。好きなことだからこそ出来ることもあります。

私は決してトヨタ信者ではありませんが、そんな姿勢が本当にトヨタ内部にあるとすれば歓迎すべきものだと思います。

また、電気自動車への移行についても熟考のうえでその可否を決めてほしいというのが個人的な意見です。

【番外】ターボってなに?

前回の記事で、馬力とトルクと回転数の関係性についてカンタンに紹介しました。そのなかで割愛したターボ(ダウンサイジングターボを含む)について紹介したいと思います!!

 

〜エンジンの原理〜

ターボの説明のために、まずはエンジンの仕組みについて説明します。

エンジンが動力を発生させる仕組みは、シリンダーと呼ばれる筒の中にガソリンと空気を入れて、その混合気を爆発させて得たエネルギーを動力に変えるというものです。

つまり、燃料として給油するガソリンの他に、空気が重要なファクターになるわけです。

この上の一文がターボの理解にとって大事な部分になります!!

 

 

〜ターボってなに?〜

ターボというのはざっくり説明すると、エンジンのパワーを増大させる装置です。ここで着目されるのが先ほど登場した「空気」です。

カンタンに言えばターボの仕組みは、扇風機の羽のようなモノを用いてシリンダー内によりたくさんの空気を送り込むことで爆発力を大きくするというものです。

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厳密に言えばターボにもたくさんの種類がありますし、こんなカンタンなものではありませんが、端的にイメージを掴むならこんな感じです。シリンダーに取り込む(これを吸気と言います)空気をより多くするということです。

ちなみに空気を取り込む(吸気)際にターボに頼らないことから、ターボ非装着エンジンのことを「自然吸気エンジン」と言います。また、ターボは空気をより多く供給することから「過給機」と呼ばれます。(過給機にはターボ以外にもスーパーチャージャーがあります)

 

一応さらに解説すると、過給をかける扇風機の羽を回す動力として排気が利用されています。排気の勢いで羽が回り、そのおかげでシリンダー内に入る空気が多くなるとうことです。つまり、エンジンをより強く動かして(回転数を上げて)いくにつれて、羽がよく回ることになり、過給が強くなるということになります。

 

 

〜ターボの歴史と特徴〜

ターボは元来、航空機用エンジンに多用されていました。大戦時に航空機開発が世界的に熾烈になり、続々と世に出されたわけです。ちなみにその目的は、航空機が上昇して気圧が下がった際に、空気が薄い環境でもエンジン出力を維持するためというものでした。

ここからクルマのターボの歴史を「昔」と「最近」の2つにザックリ区分して解説します。

○昔のターボ

上記の通り、ターボは回転数が上がるほどよく働きます。昔のターボではこの傾向が非常に強かったのです。「どっかんターボ」なんて呼ばれました。ポルシェやBMW等がこぞって高性能車に採用していました。

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※どっかんターボ搭載のBMW2002ターボです。

しかし、これには問題もありました。それは、回転数を上げないとターボがかからないということです。つまり、速く走るためには回転数が高い状態を維持しなければならず、運転にテクニックが要求されるのです。しかも回転数が上昇した時に突然過給が始まるので、ある回転域から急激にパワーが増大されて、加速にクセが出てしまうとい問題もはらんでいたのです。

それでもこのターボは自動車業界では大流行し、1970年代からバブルの時代まで多用されました。

 

○最近のターボ

最近、特に2010年過ぎ頃からターボは大きな変革の時を迎えます。ダウンサイジングターボの登場です。これは、排気量を小さくしてターボを装着することで、小排気量故の低燃費と小排気量では叶わないパワーを両立するという発想から生まれました。つまりハイパワーを極めるためのターボではなく、バランスのいいエンジンを目指しているわけです。

これまで2.5〜3.5ℓエンジンを積んでいた車両のエンジンも2.ℓターボに取って代わられています。

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※先代クラウンも後期型から2.0ℓターボを搭載していました。

ターボであるが故、エンジンレスポンスが悪化したりサウンドが良くなくなったりと弊害はありますが、全体的に改善が進んでおり、非常に評価のいいエンジンが続出しています。

 

このようにターボはこれまでの歴史から見ると、ここ数年で、その存在意義を大きく変えてきています。もちろん元来の「パワーをひねり出すためのターボ」も未だ存在します。しかし、スポーツカー専門メーカーでさえ環境性能を無視できない今日この頃。これからのターボの躍進と、モビリティ社会への貢献を楽しみにしたいところです!!